有明・反ワクチンデモに参加するだけで日当1万円でバイト募集…未払いも発生し騒動に 当日の潜入取材レポート
東京臨海広域防災公園で反ワクチンを主張する「WHOから命をまもる国民運動」が主催する「国民集会パレードデモ有明」が9月28日に開催された。
デモの内容としては10月1日からの新型コロナのレプリコンワクチンに懸念した趣旨のデモなのだが、純粋なデモ内容については他のメディアや潜入していた著名ライターの方々に任せるとして、今回はその背後で行われていた日給1万円などで募集されていたサクラ募集の闇バイトに実際に応募し潜入してきたのでその内容をお伝えしようと思う。
9月25~26日にかけて複数のスカウト系のXのアカウントで反ワクチンデモのサクラ募集があり知人から私のもとにも「行かないか?」と誘いがあった。
反ワクチンデモ自体は取材として行こうと思っていたのだが、デモに参加するだけで日当を払うという話が詐欺なのか真偽含め確かめなければ!と思い応募してみることにした。
Xで確認すると、何人かのアカウントから同じような内容が投稿されており、その中の一つのスカウトのXアカウント、Rくんにコンタクトを取ったところ、LINEに誘導され当日の集合場所の詳細などが送られ、有明駅に集合するようにスカウトから指示があった。
デモ当日、12時頃に有明駅に到着すると10代や20代の若者ら50人程度が、有明駅付近や東京臨海広域防災公園の本部棟付近に多数たむろしているような状態で、何だか渋谷や新宿に来たのではないかと錯覚した。
有明駅から公園内に入りステージ方向に移動すると、ステージ前の芝生に中高年の純粋なデモ参加者と見られる人たちが芝生に座り込んでステージのマイクトークを熱心に聞いていた。
LINEで事前に聞いていたスカウトの電話番号に電話をかけると、公園の端に誘導された、そこには20人ほどの男の若者が集まっており、ハイブランドのクラッチバッグを持っていたりとファッションも若い。
スカウトの男性Rくんは25歳くらいに見える男性だった。
「どうも、◯◯(別人の名前)さん? あ、◯◯さんか 一旦個人の写真撮って最後にも集合写真撮ってお金渡す流れになるので」と流れを説明され、まず個人の顔写真を撮影された。
「13時30分にいったん戻ってきてください、それまで好きにしていて構いません まだトー横とかからくる子たちが居るので僕は駅まで迎えに行ってきます」と言われRくんはどこかに消えてしまった。
昼がまだだったのでキッチンカーブースをうろつき焼豚丼を購入し食べながら広場をうろついていたところ、他のデモ現場などでよく顔を合わせる警視庁警備部、公安第三課第2係(右翼担当)、公安部総務部(かつてオウム真理教を担当した)の警察官の方なども私服でステージの横の人込みやキッチンカーの影などに隠れたり、デモ隊の先頭部分で細かく無線機で指示を出し警戒を行っていた。
遭遇した知り合いの警察官の方に挨拶をし「日当1万円でバイトを募集しているという話がネット上に上がっているが把握していますか?」と質問したが「そんなうまい話はない、詐欺だよ」との返事だった。
デモに参加…したはいいも二転三転する指示
13時30分に公園の端に再び集合したところ、公園の端だけで若者の集団が80人ほどに増えており中には若い女の子の姿もあった。
Rくんから「適当にデモ隊に紛れて参加して終わったらまたここに戻って来てください 16時までには戻ってこれます」と指示があった。
筆者はRくんに「どのデモ隊に紛れても構わないんですか?」と質問したところ、「どれでも大丈夫です 最終ここにいて写真撮れれば なんで極論ここにいてもいいという」と半笑いで回答された。
ステージの方を見ると1隊80人ほどが警察の誘導のもと隊列を組んで各々出発し拡声器や手拍子などでワクチン反対を訴えている。
公園中ほどには若者らの人だかりができており反ワクチンデモとしては異様な光景だ。
筆者は5番目ほどに出発した隊列に加わり後ろから生放送を行った。
デモコース自体は東京臨海広域防災公園から豊洲駅前の豊洲公園までを歩くルートで、生放送動画を見ていただければ分かるように大量の車両は走っているが沿道にはほとんど歩行者は見られないルートだ。
30分ほどのデモルートを消化し豊洲公園に到着し徒歩で東京臨海広域防災公園に戻っていたところRくんから電話があった。(動画36:15)
なんと「自分たちも初めての案件でよく分かっていなかったんですけど、真ん中の芝生のところに待機しててほしかったんですよね」と言うのだ。
とりあえず徒歩で東京臨海広域防災公園に戻ることにし向かっていたところ、それまでのデモ隊とは異なる若者達の比率が高いデモ隊とすれ違い、動画撮影した。
何とか徒歩で東京臨海広域防災公園に戻って来たところ、芝生広場には未だに数百人の若者が居て正直驚いた。
防災公園に戻る途中、明らかにバイトというか動員されたとみられる人物がいたのが5隊あった。
1隊だいたい80人と警察の方に教えていただいたので400人程度は自身の目で見たことになる。
【防災公園の芝生ステージ前の若者らがどんどん増え数千人の若者たちが居た】とするX投稿などもあるがデモ隊と共に出発してしまったので実際に筆者は計測したわけではないのだがトータルですれ違った人数400人と公園に残っていた人数を考慮すると1000~2000の若者らが動員されたという数字には信ぴょう性があると思う。
スカウトは意味深な言葉を話した
解散地点でRくんに電話をして公園の入り口で合流すると「参加してます!感ある写真が撮りたいんで人ごみに来てください。 あ、マスクは外してください」とRくんは手早く誘導し写真撮影を済ませる。
その後「なんか、おばさんが報酬はデマです!とか言ってて回ってて嫌がらせしてるんですよ うざいんでこっちに来てください」と子供たちが遊ぶ遊具の後ろの植え込みまで誘導された。
Rくんはヒョウ柄の財布を自身のポケットから取り出すと「えーと…電車賃含めて1000円余分にって言ったんですよね? あと紹介してくれたから…紹介料を」と計算を始めた…のだがここで想定外の事が起きた。
男性の財布には万券しかなく細かく支払うことができなかったのだ。
「1000円1枚とか持ってないですよね?」とRくんが少し引きつった顔で話すが筆者は自分の財布を見せ自分も万券しかないことを見せる。
双方無言になり10秒ほど経った時、Rくんは少しトーンを上げ「わかりました、2万でいいです」と1万円札を2枚押し付けてきた。
筆者が「これって明細というかは無いですよね?」と質問すると、Rくんは「現金取っ払いなんで明細とかは無いですね…」と答えた。
「ほかの人はやっぱり金ないみたいなので時間かかってるんで、僕は面倒なことが嫌いなんでこれで」と意味不明な事を話すRくん。
「またお願いします」とRくんは2万円を押し付け公園内のどこかに消えていった。
未払いの報告多数 自分が当たったスカウトはいい人だったのか…?
解散後Xの有明のツイートを漁っていると興味深いTweetを見つけた。
当日報酬がもらえず、その後担当のスカウトと連絡が取れなくなったというものだ。
筆者はその中の1人、Aさんに連絡をとった。
「当日主催からお金が支払われてないって話になって自分含めて30人程度が金もらえてないんですよ、立て替えろよ!って怒声が響いて他のスカウトで首のあたり絞められてる人もいました」
一歩間違えたら暴力事件に発展しそうだが…。
「とりあえず担当スカウトの身分証撮影して今日は解散しました、警察呼んでも結局民事不介入だし本人は支払う意思があるとか言ってるので結局呼んでも意味ないとは思いました」との事だった。
筆者は本日会ったスカウトRくんが何か事情を知っているのでは無いかと思い、携帯電話に電話をしいくつか質問してみた。
筆者「今日のデモはお世話になりました、知り合いが別のスカウト経由で申し込んだら報酬が貰えなかったって言ってて困ってるんですが何か知りませんか?」
R「まずね、スカウトっていっぱいいて企業に属してるスカウトと僕みたいに個人のスカウトが居るんですよ」
筆者「な、なるほど」
R「立て替え能力ないんじゃないですかね?」
筆者「というと?」
R「今回のイベントはデカいし人数も多い、僕も最初当日もらえるって言われてたんだけど待てよ…と、そもそもこの人数一人一人計算出来んのかって、昼すぎたあたりに思って実際終わった後にも振り込まれてなかったんで僕は立て替えて手渡ししたでしょ? だけどお金ないスカウトとかだと集めたら集めた分立て替えないと行けなくなっちゃう」
筆者「なるほど、じゃあ貰えなかったって友達とかネットで言ってる人も居るけどRさんみたいにいい人に当たらなくてお金が無いから立て替え出来なかったみたいな事なんですね、これって解決策みたいなのはないんですかね?」
R「待つしかないね、主催からまだ僕も振込がされてないから 振込されたら金ないスカウトも払うんじゃない? まぁ明日まで待って…無理なら出るところ出るしかないんじゃないかな?」
筆者「なるほど…親切に教えて下さりありがとうございます ち、ちなみに…スカウトの人も今回はあれだけの人数集めたら結構儲かるんですか?」
R「うーん、金額は契約とかもあるから言えないけど、まぁ無料ではやらないよね。 あれだけの人数集めてやったりするのも大変だしね」
筆者「なるほど…夜遅くにありがとうございました!」
以上がRくんとの会話内容だった。
自分が連絡したスカウトRくんは当たりだったのか…?
反ワクチンのデモなのに報酬が支払われた珍しいデモだったが次回があれば是非参加したい。
これだけ騒動になり反ワクチンの側からも文句が大量に出たためもうお金での動員は無いかもしれないが。