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【 洞窟の奥はお子様ランチ 】#毎週ショートショートnote

 朝一、冒険者ギルドに行くと、国からボス討伐の依頼が届いていた。
俺に断る選択肢はない。大食い5人と魔法使い2人を連れて洞窟に潜った。
 地下3階。おしゃれなドアが現われ、ゆっくりと開いた。
「いらっしゃいませ。今日のメニューは、お子様ランチです」
イケメンなゴブリンが、ニコッとした。
すぐに、8人分のお子様ランチが並んだ。
「可愛いクマちゃん型のご飯、我が国の旗が立っている」
「魔法使い、毒がないか鑑定」
「毒性はないわ。一口。う~ん、美味しい~」
その言葉を聞き、皆は食べ始めた。
それから、見た事がない創作お子様ランチが次々と出てきた。
 俺は、次の料理がテーブルに出てくるまでの時間が少しずつ長くなってきているのに気が付いた。そうか、早く食べると料理人がダメージを受ける。
「魔法使いは、スピードアップ魔法と消化を助ける魔法をかけ続けてくれ」
「大食い5人、もっとスピードアップ、開始」
モクモクと早食いしていく。どんどん料理人がダメージを受けていく。
 そうして3時間後。料理人が厨房から出てテーブル前に現われた。
「お客様、お料理はどうでしたか?」
「もの凄く、美味しかったです。視覚も楽しめましたし大満足です」
「それは、なによりです」
と、言うと、料理人は崩れ去った。
 そこには、1冊の分厚いレシピ本が残されていた。
                            (544文字)(使用したイラストは、Copilot AIが作製したものです)


#私の作品紹介 #毎週ショートショートnote #創作 #ショートショート #小説

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