見出し画像

2024/7/18 開催メモ / 靴下の穴から覗く合理性(2)


「ゆる哲学カフェ たかおDEたいわ」とは?

なんとなく気になることを入口に、正解のないテーマについて、参加者同士で考え合い、語り合う対話イベントです。 初めての方も気軽にご参加いただける、ちょっとゆるめの哲学カフェです。

概要

日時: 2024年7月18日(木)am10:00~12:00
会場: Gallery TAKAO(東京都豊島区雑司が谷1-52-1)
参加者:8名

一人ひとりの「気になること」から生まれた問いの一部はこちら。

  • 感情って何? どこから来る? なぜ体が反応するの?

  • 絶対的な正義はあるのか?

  • 大人になってから友だちになれるのか?

  • 予言めいたことを耳にすると不安になるのはなぜ?

  • 死後、魂は残るのか?

  • 生きるとは何だろう?

  • 学んだことをどう生かすか?

  • 大人になってからの学びって何だろう?

  • 学ぶことに意味があるのか?

  • 年を重ねることの意味は?

※ 上記は対話の場と文脈の中で生まれたものです。これらをもとに特定の解釈やご判断はお控えください。

【ご参考】
ザックリとしたイベントの進め方や会場の様子は、第一回の開催メモをご覧ください。


対話を終えて

安心してお話していただくために、公開するのは「問い」のみに留め、それ以外の対話内容については一切公開していません。

かといって何も書かないのも物足りない……ということで、何となく頭に浮かんだことをポツポツ書いてみます。


靴下の穴から覗く合理性(2)

(先月からの続き)

私の頭は疑問符で溢れ返り、ともかくも目の前の辞書に助けを求めた。

ちょっと古いけど広辞苑第4版によると、「合理性」は次のように説明されている。

道理にかなっていること。論理の法則にかなっていること。
行為が無駄なく能率的に行われること

いま私は、①と②、どちらの意味で考えようとしているのだろう。
同じ一時間の使い方として、古い靴下の穴をかがるべきか、新しい一足を購入すべくバイトにいそしむべきか、の間で揺れている。ならば、②の意味といえそうだ。

1時間かけて繕い物をして、古い靴下をよみがえらせる。とはいえ、しょせん古い靴下だ。その後の寿命はそう長くないだろう。見栄えだって、あまりよろしくない。

一方、1時間分のバイト代で新しい靴下を買う。その寿命は、繕ったモノより新品の方がずっと長い。見栄えは言うに及ばずだ。

「しからば『一時間バイトして新しい靴下を買う』に軍配!」

こう結論付けようとした瞬間、胸の奥のザワザワがいっそう増すのを感じた。いや、もう、ほとんど百姓一揆状態。
しばしその声に耳を傾けてみる。

けっきょく私は、損得をはじめとする、客観的に判定できる基準で自分の行動を決めたくないのだ。
自分にとって納得できる道を探りたい。そしてそれは、時間がかかろうが、見てくれが悪かろうが、新品ほどには蘇らなかろうが、そんなことはドーデモイイ。あの人もこの人も使い捨てにしてるじゃん、なんてことも、ホント、ドーデモイイ。

穴があいたらチクチク繕いたい。使い捨てにしたくない。
もうこればっかりはどうにも譲れない。

それはきっと、くたびれた靴下に自分を重ねているから。理由は分からないけれど、周りから「役立たず」とか「不要」とかいった烙印を押されてポイと捨てられることを、幼少期から強く恐れてきた。そんな恐怖を誰かに味わわせてはあまりに気の毒だ。穴の開いた靴下よ、おまえの尊厳はこの私が守り抜いてやるからな。

小さきもの、弱きもの、物言わぬものにこそ最大の敬意と尊重を。

これが私の納得である。客観的な理屈なんて、ホント、ドーデモイイ。私特有の道理が、私の判断や行動に強い影響を与えているのだ。

……と、気づけば胸のうちの百姓一揆はウソのように静まっている。客観的な答えでは得られない、納得という静けさがここにある。

あ、いつの間にか合理性とは別のところに進んでいました。悪しからず。


相も変わらず、とりとめもなく書きました。読んでくださってありがとうございます。

今日のところはこの辺で。またお会いしましょう。


何となく気になることを入口に、生まれた問いを対話で深める。そこからさらに問いが生まれる。帰り道では、何となく気になることが増えていたり、思いがけないアレとコレとの繋がりが見えてきたりするかもしれません。


次回のご案内

毎月第3木曜日に開催しています。お時間とご興味がありましたら、気軽にお申込みください。

ゆる哲学カフェたかおDEたいわ
日時: 2024年8月15日(木)am10:00~12:00
会場: Gallery TAKAO(東京都豊島区雑司が谷1-52-1)
参加費:各回 500円
定員: 6名程度

◆8月は夏休み企画◆
いつもと同じ、ゆるめの哲学カフェですが、ささやかな宿題があります。

「気になることば」を書いた「紙」をお持ちください。内容は何でもOK。
新聞のコラムや小説の一部分、俳句や短歌、歌詞、忘れられないあの時のあの人のあの一言、つい頭の中で繰り返してしまうことば……などなど。日記や詩など、ご自身で書いたものもwelcome。好きなものでも、モヤモヤするものでも結構です。
ご自身の心に引っかかる何かを探してみてください。
5分以内(目安)で読み上げられるものをお願いします。

必ず「紙」でご持参ください。
※哲学カフェの時間中、電子機器の操作はご遠慮いただいています。

哲学の知識や経験は不要です。持ち物は、あなたの中の好奇心 と 「気になることば」を書いた「紙」。気軽にご参加ください。

【詳細ページ】お問合せ・お申込みもこちら(↓)から 。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?