2023/12/21 開催メモ / 「わかるー!」の罠
2024年は元旦から大変なニュースが続き、心が痛みます。
どなたもどうかご無事でありますように。
「ゆる哲学カフェ たかおDEたいわ」とは?
なんとなく気になることを入口に、正解のないテーマについて、参加者同士で考え合い、語り合う対話イベントです。 初めての方も気軽にご参加いただける、ちょっとゆるめの哲学カフェです。
開催メモ
日時: 2023年12月21日(木)am10:00~12:00
会場: Gallery TAKAO(東京都豊島区雑司が谷1-52-1)
参加者:5名
テーマ:「伝える・伝わる」(仮)
ファシリテータ:みゆたし まや
会場は三角屋根が目印のレトロモダンな木造建築。「このギャラリーに入ってみたかった」という参加動機も珍しくない、そんな素敵な空間です。
今回、一人ひとりの「気になること」から生まれた問いは、
無意識にしてしまったこと、あとから気になったりしませんか?
イヤな経験、忘れようとして忘れられる?
感情は抑えないといけないの?
どんな場合でも(一切の暴力に訴えずに)言葉で伝えることは可能か?
納得できた時・できなかった時は、何が違う?
※ 上記は対話の場と文脈の中で生まれたものです。これらをもとに特定の解釈やご判断はお控えください。
【ご参考】
ザックリとしたイベントの様子は、第一回の開催報告をご覧ください。
対話を終えて
安心してお話していただくために、公開するのは「問い」のみに留め、それ以外の対話内容については一切公開していません。
ということで、対話の内容とは全く別に、イベント終了後に何となく思ったことを少しずつ書いてみます。
「わかるー!」の罠
他者の言葉に耳を傾けていると、こう言いたくなる時がある。
「わかるー!」
だって、相手の気持ちがわかった気がするんだもの。
メッチャ共感する! 私もそう思った経験ある! 聞いてるだけで感情移入しちゃう! 会話、盛り上がってるう!
そんなある日、心の奥で「待った」が掛かった。
「盛り上がってるところ、水を差すようだけれど…」と、もう一人の自分から問いかけられた。そんな気がした。
他者の気持ちって、そんな簡単にわかるもの?
私が直接感じることができるのは、あくまでも私の気持ちだけ。
他の人の気持ちを推し量ることはできるかもしれない。何か伝わるものを感じることはあるかもしれない。
しかし、どう頑張っても誰かの気持ちを直接、本人と同じように感じることは不可能だ。ならば相手の気持ちを「わかる」って、簡単に言えるものかしらん?
それなのに「わかるー!」と言いたくなる、しかも軽率に。この気持ちはどこから来るのだろう。
例えば、「私にはあなたの気持ちがわかりますよ」と「いい人アピール」をしたいため。
あるいはもしかすると、相手の話をテキトーなところで切り上げてもらうため。いわゆる「わかった、わかった」と両手のひらを相手に見せる状態。
全ての場面でこんなとはかぎらないにせよ、よくよくふりかえってみると、意外と「わかったつっもり」で満足しておきたいことも……否定しきれない。
しかし、これらはいずれも自分に嘘をついている。ひとつ嘘をつけば、辻褄を合わせるためにさらに嘘を上塗りすることになる。場合によっては周りにも迷惑をかけかねないし、そもそもそれでは本人がキツイ。
そこで、わかってしまいたい気持ちを保留したまま相手のことばに耳を傾け続けてみた。
すると、相手から吐露された言葉は、私の想像を絶するものだった。「わかるー」なんて思いこんでいたものとは全く異なる、まさに別世界があった。
そうか。やっぱり、わかってなんかいなかったのだ。
それからは、この「わかる―!」を言いたくなった時、「私、自分に罠を掛けてない?」と疑ってみるようにしている。だって、もしかするとあのときのように別世界が目の前に広がって、私の世界観をも広げくれるかもしれないから。
相も変わらず、とりとめもなく綴りました。ではまたお会いしましょう。
何となく気になることを入口に、生まれた問いを対話で深める。そこからさらに問いが生まれる。帰り道では、何となく気になることが増えていたり、思いがけないアレとコレとの繋がりが見えてきたりしているかもしれません。
次回のご案内
毎月第3木曜日に、こぢんまりと開催しています。お時間とご興味がありましたら、気軽にお申込みください。
ゆる哲学カフェたかおDEたいわ
日時: 2024年1月18日(木)am10:00~12:00
会場: Gallery TAKAO(東京都豊島区雑司が谷1-52-1)
参加費:各回 500円
定員: 6名程度
哲学の知識や経験は不要です。持ち物は、あなたの中の好奇心。
気軽にご参加ください。
【詳細ページ】お問合せ・お申込みもこちらから 。
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