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母業10年とちょっと
「自分の時間割を立てよう。
朝は早めに起きて一日を始めよう。」
吐く息が家の中で白くなる我が家。
階下の居間はエアコンのタイマーに頼るものの、寒い布団から這い出て誓いを守るには気合いも若さも足りない。これでは計画を立てる前に萎れている。(まあ、目的を作らないことにはいつまでも眠ったままだ)
結局のところ、娘の登校に間に合うような時間に起きて支度を始める。
カーテンを開けると、ゆうべ一晩で積もった雪が朝日に照らされていた。車を出す用事がなくてホッとする。
ご飯を済ませ、登校準備をする娘が、「今日はスキーウェアを持って行く」と言い出す。
「こんなに降ったんだから持って行くじゃなくて着て行く、でしょ!(寝言は寝てるうちに言いなさいよ)」
何を考えているのか、静かに問いただす時間もなければ余裕もない。
母としては、とにかく寒くないよう、濡れないよう、転んでも危なくないよう荷物は少なく。
なのに水筒はランドセルに入れられない。なぜならば「万が一、タブレットが濡れてはいけないから一緒はダメ」とのお達し。つーかそんなの持ち帰らせるんじゃないよ全くアレで宿題させてる気になってるけど中身はどうなのよ、と、もはや矢印をどこに向けてるのか不明な思いが芋蔓式に出てくる(時間ないのに)。
結局、家から着て行くことを承知し、モコモコになって雪をズボズボと漕ぎながら登校していく後ろ姿を見送った。
あー、かわいい。
なんだかんだ文句はありつつ、彼女は彼女なりに学校というものに楽しみを見出しているではないか。
結局はそんな想いに帰着するのに、私の頭の中の雑音たるや。
娘は4年生。あと2年たてば中学生。そしたら部活だ友達だと、今よりずっと親と一緒に行動することは減る。
10歳の彼女は、親の言うことを聞いているようで聞き流していることもたぶんたくさんあって、だけど私の余計な一言(二言、三言…)が彼女に小さな傷をたくさんつけているんじゃないかと思ったり。
安全に、娘のためを思って、のはずが、ただ自分の手元から離したくないがための鎖になっているかもしれない。
まだ10歳、もう10歳。赤ちゃんからの10年と、ハタチに向けての10年は当然違う。子も、親も、全ての段階が初体験だなんて聞いてなかった。歳を追うごとに経験値は上がりじたばたしなくなると、思うとはなしに思ってた気がする。
大平一枝さんのこの本を読んで、ふっと気持ちが軽くなった。
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