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子が歩みやすいように道を整えてみる。幼児と習い事と人間関係。|#130

発端は先週のスイミング。
あれ?また始まった??と思う出来事があった。


スイミングに通い始めて1年半、
いつものロッカー、いつもの着替え。
いつも通りに「いってらっしゃい」と背中を押す。

普段は「いってきまーす!」とスキップで行く娘が、この日は動かない。私の上着をぎゅっとつかみ、上目遣いで『イキタクナイ』と訴えてくる。


あれれ、先週とは様子が違う。
うーん……。


ほら、行っておいで!今日も楽しんできてね!と促しても、
……行きたくない。

え。でも、もう水着に着替えてるんですけど。
ほら、終わったら自販機でアンパンマンのジュース買おうよ!(滅多に買ってもらえない)
行かない!行きたくないの!!

はい、号泣スタート。


冒頭に「また始まった」と書いたのは、過去にも同じことがあったから。急に行きたくないと言い出した前科持ちだ。

この時は保育園の登園渋りも誘発され、毎日結構大変だった。急に「ママから離れられなくなった」原因を探し、学術論文に行きついたりした。

登園渋りは数週間続いた。
ある朝、たまたまミカンを口に入れたまま保育園に行き、口にものが入っているのでいつものように泣けなかった……、なんてことをきっかけに収まったんだけれど。

まあ、娘も切り替えるきっかけを失っていたのかもしれない。
ありがとう、ミカン。


ミカンはさておき、今回の「スイミング行きたくないの!」はなぜ起きた?

娘の振る舞いから1つの仮説を立てつつ、とりあえずコーチに連れて行ってもらった。
水に入れば機嫌よくやってくる子なので、行ってしまえば大丈夫。


案の定、レッスンを終えて戻ってきた娘はニコニコしている。
さて来週は泣かずに行けるか。
仮説の正誤が分かるかもしれない。


* * *


そして今週。
いつものロッカー、いつもの着替え。
いつも通りに服を脱がそうと……、あ、わずかに抵抗。これは嫌な予感のやつだ。

何とか水着になり、プールサイドに続く扉の前までは行く。
そして足を踏ん張る、「行かない!」と。

あちゃ、やっぱり今週もか。


娘の様子を察知したコーチが登場し、「はーい、行きますよ~」と娘を連れて行ってくれる。

私も、もう肝が据わったもの。
「行きたくない!と泣いても、行けば楽しんでくる」と知っているから、

- 行きたくないって言うのに、無理に行かせちゃってよかったのかな。
- ぎゅっとハグしてあげればよかったのかな。
- 話をもっとゆっくり聞いてあげればよかったのかな。

なんてこと、ちっとも思わなくなった。
こうして子育てに慣れ、たくましくなっていくんだろう。



さてレッスンに行っている間に検証しよう。
先週立てた仮説は正しい気がする。


先週、行きたくない!と泣く前にわずかに兆候があった。
今週も同じ様子が見られた。

たぶん、娘は「レッスン仲間と何かあったのかもしれない」。
顔を合わせたくない子がいるのかもしれない。

でもそれを伝えられなくて、あるいは伝えるべきことではないと子ども心に思い、泣くことで意思表示しているのかもしれない。


先週ロッカーで、あるレッスン仲間に目を留めて以降、抵抗を示し始めた気がした。

先週の出来事だけなら「気のせいかな」で終わったのだが、今週も同じ。
やはりレッスン仲間を目にした途端、着替えや参加に抵抗を示し始めた。


たぶん、あの子と気が合わないんだ。
あるいは何か言われたか。


娘はまだ4歳。
一緒にレッスンを受けている子たちも似たり寄ったりの年齢だ。
保育園では友達とのトラブルもなく、平和主義で仲良くしている娘。


でも感受性は日々育ち続けているわけだし、この年齢の特に女の子は早熟で口も達者だから
一人っ子・平和主義の娘が、ちょっとした一言で傷ついていることも十分あり得る。


「レッスン仲間に気が合わない子がいる」という私の仮説の検証は、本人に聞いてみるのが一番いい。

もし本人に自覚がなかったら、私の一言が人間関係の問題を認識させ、顕在化させてしまうことになるかもしれない。
それはリスクでもある。触らぬ神に祟りなし、そっと触れずにおいたほうが良いこともある、特に人間関係は。


でも、泣いて行きたくないと言うんだ。親として問題の種は取り除いてあげたいと思う。


* * *


帰りの車中、さりげなく話を振る。

あのさ、今日泣いていたのって何か理由があるの?
「え?うーん、わかんない」

スイミングが嫌とか?
「ううん、たのしいよ」

先生が苦手?
「ううん、好きだよ」

もしかして気が合わないお友達がいる?
「……うーん、そうなのかなあ……」

あのさ、レッスンの曜日変える?
うん!!変える!!!

力強い即答。


「通う曜日を変えると、会うメンバーも変わる」と知っている。知った上で元気に即答した娘。

間違いない。
何があったか、どの程度の深刻さなのかはわからないけれど、レッスン仲間に反りが合わない子がいるんだ。

ついでに「同じ保育園の子ではない・相手は女の子・名前はわからない」まで教えてくれた。ほう、具体的だな。



どのみち、他の予定との兼ね合いで来月からは曜日を変えるつもりだった。そのタイミングが2週間早まるだけだ。なんの問題もない。

来週から曜日を変えて行かせてみようと思う。
泣かなければ仮説は正しかったということになるのかな。


* * *


まだ4歳だと思っていたけれど。
人間関係によって行動を阻害されるようなことが起きるとは。


でも成長するにつれ、この手のトラブルも増えるだろう。娘が悩むこともあるだろう。
娘が自分の力で問題に向き合わないといけない日だって、いつか来る。

この先、彼女の人生に何が待っているかはわからないけれど。

今は私ができることを、できるだけしてやりたい。
娘の平穏を守りたい、それだけだ。


私にできることなんて、たかが知れている。
娘の様子を見て話を聞き、「居心地の悪い人間関係は遠ざけるという方法もあるよ」と見せてやれるくらいだ。

新しい曜日でイチから人間関係を作っていくのは娘本人だし。今度は何も起きないとは言い切れない。


ただ、親として子どもの未来のために力を尽くし続けよう。
そんな決意をさせてくれる出来事だった。

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みゆな🍎クリエイティブ好きのライター
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