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花との対話
これから何かが書かれていく、まっさらな画面を前にすると
何を…と、一瞬の間が起こる。
そして、おそらくこの間が大事で、
そこに何かが降りてくるんだろうなとふと思った。
![](https://assets.st-note.com/img/1710995212711-M1unJA6rhP.jpg?width=1200)
今朝、自宅の外回りを掃除していた。
この時期は、落葉も少なく、草ぬきや虫対策にも追われず、
ゆるゆるとした春の空気に触れながら
次々と咲いてくる花に癒されるとき。
今は、つわぶきの艶やかな緑の葉の間から
これまた鮮やかな黄色い花がしゅんしゅんと咲いてきて、
目を楽しませてくれている。
![](https://assets.st-note.com/img/1710995260733-S2QPqBAvIz.jpg?width=1200)
マゼンタ色のフクロナデシコも、
次々とタネを飛ばしながら、気が付くと至るところで咲いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1710996040675-BubSWNVF81.jpg?width=1200)
よく見てみると、使っていないプランターの中や
コンクリートの間にも、いつの間にか花が咲いている。
この花たちは、
「なんで私だけここで?」なんて、
チラとも思わないんだろうな。
というか、そういう概念すらないんだろうな。
![](https://assets.st-note.com/img/1710996058987-csXpFrdJzT.jpg?width=1200)
そんなことをぼーっと考えて手を動かしながら、
もし今ここに意識が向かなければ、
この花たちは少なくとも、私の中に存在しなかったのかなと
ふと思った。
見えていても見えていないというか…。
そこに一瞬、存在の危さや脆さを感じた。
気づいていない膨大な何か、在るのに無きものとなっているもの…
その掴めなさの前に、なんともいえない心もちになった。
そんなことを感じていると、花が私に囁いたような気がした。
「私は私を生きている。それが全てなの。」と。
そっか、誰かの中に存在するとかしないとか、
気づいてもらったとかもらわなかったとかそういうことではない。
各々が、各々の命を生きていること、それ自体が全てなのか。
花は続けて囁いた。(ような気がした。)
「でもね、あなたが私に気が付くとき、私も同時にあなたに気が付いているのよ。」
胸の中に喜びが湧いてきた。
なぜか清々しい気持ちになり、心が軽やかになった。
途方もなく掴めない「在りよう」のような何かを、
この瞬間花と丸ごと受容し合っている。
求めている何かがここに凝縮しているような気がした。