高次脳機能障害29
兄は2020年の6月に心原性脳梗塞を起こし、全失語、右片マヒ、高次脳機能障害という後遺症がある。
離婚して1人で暮らしていたので、現在は
我が家から歩いて10分ぐらいの高齢の母の住む実家で2人で住んでいる。
またまた久しぶりのnote。
娘が出産後の回復に時間がかかって
しまったため、ずっと手伝いに通っていて、なかなか母と兄の住む実家に
行くことができないでいた。
今日は午前中、兄の通院日だった。
早めに帰れたので、午後から元気になった娘と3ヶ月になった孫も実家に来て
一緒に食事をしたり、まったりと過ごしていた。
兄は2時半から言語のリハビリが
あり、私も久しぶりに言語聴覚士の
先生と挨拶を交わして、しばらく経った頃、兄の部屋から何だか大きな声が
聞こえてきた。
最初は、兄が大きな声を出している
のかなと思ったりもしたが、どうも
怒鳴り声のような気がして、廊下に出て
耳を澄ましてみた。
「お!」
「ちがう!!お!」
先生が怒鳴っていた、、、
バンバンとテーブルを叩くような音も
聞こえる。
母は耳が遠くなってきたので、よく聞こえないらしく、何?どうしたの?と
わからない様子だったが、娘は顔を
こわばらせて、「何、あれ」と絶句
している。
兄の部屋へ見に行こうか迷っていると
娘が、「録音しなよ」と言うので、
とりあえずスマホで録音した。
声に気がついてから30分。
先生はずっと「お」と「う」を発音
させるために怒鳴り声をあげていた。
なんて言うか、衝撃的だった。
いつからこんな感じになっていたのだろう。
以前はこんな風ではなかったはず。
1時間怒鳴られ続けていたのだろうか。
でも、兄の部屋に入って先生を
止めることはできなかった。
先生にそんなに怒鳴らないでくださいと
言えばよかっただろうか。
不愉快な思いをさせたら、次回から
ますますエスカレートするんじゃない
だろうか。
いつも私がいるわけじゃない。
私は頭の中がグチャグチャになって
しまって、ただ廊下に立って聞いている
ことしかできなかった。
スマホに録音してみたものの、それを
どうするつもりもない。
もう聞きたくもないし、、、
ただ、説明のつかない感情が次々と湧いてきて、何も考えられないでいる。
リハビリの後、グッタリしている兄に
「先生の声が大きくて驚いちゃった。
大丈夫?疲れたよね?いつもあんな
感じなの?」
と聞いてみたが、疲れ切った兄は
「うん」
しか答えない。
多分、疲れ過ぎて適当に答えていたの
だと思う。
「嫌だったらやめていいんだよ」
「嫌だったら言ってね」
にも
「うん」
と頷くだけだった。
今日は何も考えられない。
明日になったら考えよう。
このままでいいはずがない。
油断すると泣きそうだ。
泣いてる場合じゃない。
明日考えよう。
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