高次脳機能障害2

兄が昨年の6月、心不全で入院中脳梗塞を起こし、千葉の病院から連絡があって、母と主人と駆けつけた。

主治医からの説明を聞き、兄の様子を見て、その場で私たちにできることは何もなく、コロナで本当は面会も禁止という状況で、病院を出るしかなかった。

ボーッとする頭を一生懸命動かして、
そうだ!兄の会社に連絡しないと!と
気がつき電話をかけた。
そろそろ退院できるということを聞いていたであろう会社の方は、
「えっ?」
と、言ったきりしばらく黙ったままだった。

とにかく状況だけ伝えて、改めて連絡しますとしか言えなかった。

兄はこの時57歳。バリバリ働いていた。仕事が大好きだと言っていた。
根っからの仕事人間だった。

京都が本拠地。住まいも京都。
ただ、一年中ほとんど北海道から九州、時には海外まで出張、出張という
生活だった。
なので、バツ2。2度結婚して2度離婚している。

毎日どこにいるのかわからず、電話やメールではいつも、今どこ?から会話が始まるのが常だった。

倒れる1ヶ月ほど前に連絡を取った時は「元気だよ!しばらく千葉にいる。健康診断も問題なかったし、何とかやってるよ」
と元気そうだったので安心していた。
兄とは年に1度、お正月に会うぐらいだった。
この年のお正月は右肩から背中にかけて痛みがあると言って、鎮痛剤をガンガン飲んでいた。2月には治ったらしいが、体の不調は始まっていたのかもしれない。

ガムシャラに働いていた兄。家庭を顧みず寝る間も惜しんで働いていた兄。
いつかこんな日が来るとは思っていた。
こんなに早く来るとは思わなかったけど、、、

この日は、疲れた顔をした高齢の母を励ましながら帰宅するしかなかった。そして、病院からの連絡を待ち、怒涛の
日々の始まりだった。


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