綾瀬さんと真谷くん78「帰校」

バスに揺られること2時間、車窓から街を下に見つつ流れる景色を眺めていた。
外はもう闇の世界に入ろうとしている。
まだ残っている夕焼けと相まって幻想的な風景が広がっていた。
ふと響の方を見ると、疲れからかぐっすりと寝ていた。
寝顔撮っとこっと。
スマホを取り出し、シャッター音が聞こえないカメラアプリで響の寝顔を撮った。
やっぱり響の寝顔は可愛いな。
すると突如機械音が聞こえた。
前の方に向き直るとモニターが天井から出てきた。
これはなにか映画を再生するパターンだな。
中学の時は恋愛映画を流してたけど、何を再生するんだろう。
しばらく待っていると画面が映った。
某ネズミの国の映画か。
ネズミの国の映画にはあまり興味が無いので、外の景色を眺めておくとしよう。
外の世界が完全な闇となり高層ビル群の摩天楼に明かりが灯りだした頃に学校が見えてきた。
程なくして学校に着いた。
響を起こして体育館へと向かう。
体育館では帰って疲れを取ることと、土産話も忘れずに的なことを言われて解散した。
響はまだ眠気が残ってそうな顔をしている。
肩を支えて響を家に送り届けた。
幾度も襲ってくる睡魔に耐えながら家への帰路に着いた。

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