綾瀬さんと真谷くん99「ホワイトデー」
明後日はホワイトデーだ。今年は飴を貰ったからどうしようか……。調べてみるか。ホワイトデー自体は日本発祥のイベントなのか。そう来れば決まりだな。
ー花屋ー
どんな花束がいいんだろう。店内を逡巡していると店員に声をかけられた。「なにかお困りでしょうか?」「ホワイトデーに渡す花束用の花を探してるんですけど」「なるほど……それでしたらダズンローズはいかがでしょう?」「ダズンローズ……」「はい、12本のバラの花束でして12は暦や時間など大きな意味を持つ数字でひとつのサイクルとして考えられ、サイクル=輪として永遠を意味しています。 愛情を表現するバラの組み合わせは永遠の愛を示し、愛情を伝えるプレゼントにぴったりです」なるほど……「色は何がありますか?」「愛情を伝える赤系と幸福を願うピンク系の2色がありますがいかがでしょう?」どうしようか。留学して離れることになるからピンク系の方が……いや、ここは赤系にするか。「赤系でお願いします」「かしこまりました。 14日に受け取りでよろしいでしょうか」ちょうど同じこと考えてたからそうしよう。「はい大丈夫です」やり取りを終えて花屋を後にした。響はどんな反応するんだろう。ホワイトデーが楽しみだ。
ーホワイトデー当日ー
今日はホワイトデーだ。学校に行く前に花屋に寄って花束を受け取る。紙袋に入れてくれたので持ち運びが容易で助かった。渡すタイミングはどうしようか。色々考えた結果放課後に渡すことにした。響には放課後に残るように言っておいた。
早く放課後にならないかな。
ー放課後ー
帰りのHRが終わった。まだ残ってる人多いけどやりますか。「響、はいこれバレンタインのお返し」そう言って花束を取り出して渡した。すると教室内がどよめきに包まれた。「ねぇあれってもはやプロポーズなんじゃ……」「まじかよ真谷……俺、綾瀬さん狙ってたのに」それは行動に移さなかったのが悪いのでは。「私、真谷くん狙ってたのになー……」今更かよ。行動に移さないからこうなるのだ。「ゆ、優どうしたの!?その花束」「実は一昨日に響に渡すために買ったんだ」「ありがとう!凄く嬉しい」「気に入ってくれてよかったよ」どうやらこのやり取りはほかのクラスも見ていたようで学校中に拡がった。尾ひれがついて何故か僕が響にプロポーズしたということになっているが、今から誤解とくのも面倒なので放置した。