真谷優の大学留学記74「初詣」
部屋で寝込んでいると、誰かが階段を上ってくる音が聞こえた。(誰だろう……?)そんなことを思いながら耳をそばたてているとドアが開く音がした。「優、大丈夫?」そういいながら響がやってきた。「まぁなんとかね。 」
重い体を起こしながら答える。
「水持ってきたから飲んで」
そう言って響は水の入ったペットボトルを渡してきた。
「ありがとう、響」
僕はその水を一息に飲み干した。
「そうだ響、まだ日は明るいしどこか行かない?」
「二日酔いはもう大丈夫なの?」
「ああ。 結構寝たし水も飲んだから体が軽くなったよ」
「じゃあ、初詣行こっか」
軽く着替えて、僕と響は初詣に向かった。
数分歩くと、神社が見えてきた。お正月ということもあり、黒山の人だかりだ。
参道がたまたま空いていたので、並ぶことなく拝殿に着いた。作法に則り、お願いごとをした。
(今年も無事に過ごせますように。)
気がつけば、後ろには大蛇の列ができていた。
妨げにならないように避けながら、拝殿を後にする。
「そうだ、おみくじ引かない?」
「引きに行こうか」
おみくじを引いた結果は……。
「よっしゃ!大吉や!」
「私も大吉だった!」
2人揃って大吉とはこりゃ今年はいい年になりそうだ。