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綾瀬さんと真谷くん10「不穏な影」

テストが終わって数日後の昼休み、優とお話しようと人目のつかない場所に行こうとしていたら、クラスでも人気のある如月さんとその取り巻きたちが、廊下でたむろしていました。気づかれないように通ろうとしたら、
「あー委員長じゃん!どこ行くのー?」
これはまずいです。気づかれてしまいました。
「え? どこって職員室に向かおうとしてますがそれに何か問題が?」
「ふーん、そう」
はぁ。何とか切り抜けられました。私が優と付き合ってるのがばれてはいけませんからね。そんなことを考えてるといつも優と話してる場所につきました。
「お待たせ優」
「僕も今来たとこだから」
「さっき如月さんに気づかれそうになって何とか逃げ切りました」
「如月は人気があるからなぁ」
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎて、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴りました。
「あ、もう予鈴が」
「あっという間ですね……怪しまれないように後ろの方から入ってくださいね」
「わかってるよ」
優に怪しまれないように釘を刺してから教室に戻りました。

教室に戻ってる途中、如月さんが取り巻きたちと何か話してました。気になったので、聞き耳を立てていると
「私ー優くんとかがタイプなんだよねー」
ずくり、と嫌な音を立てて心臓が跳ねます。優って、私の優のことでしょうか。
「優しいしー?かっこいいじゃん?私だったらカレシにしてるなー」
とりあえず、如月さんを無視してとりあえず教室に戻りました。5時間目の授業中ずっと如月さんが言ってた言葉が頭の中を巡ってました。優しい、なら私の優で間違い無いでしょう。彼がタイプ……? とすれば、如月さんは、優を狙ってるのでしょうか。優が如月さんに本格的に目をつけられないといいのですが………
結局5時間目は授業が頭に入ってきませんでした。
「響ーなんか疲れた顔してるけどどうしたの?」
あ、優が声をかけてくれました。
「ちょっといろいろあったので………」
「そうなんや無理せんとってね」
「ありがとう優」
やはり優は名前の通り優しいです。

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