綾瀬さんと真谷くん12「動くべき時」

最近、イライラしやすくなっている。原因は如月だ。僕たちが付き合っていることは、隠さなければならない。如月のせいで最近は響と話せてないし。ともかく僕に引っ付いてくる如月を何とかしないとな。あ、噂をすればなんとやら。
「ねぇねぇ優くぅん一緒にお昼食べようよぉ〜」
「なんで?」
「なんでもいいじゃないのぉー」
こいつと話してて楽しいとは思えない。
「いやだよこの後予定あるからそういうことで」
少し強引に如月をまいて、屋上に居る響のとこに行く。
「おまたせ響」
「あ、優私も今来たとこですから」
「如月のせいで、最近はあまり話せてないね」
「そうですね……私も如月さんは苦手です」
図書館で会うことすらそろそろままならなくなってきてるしな。
「今度如月が寄ってきたら注意してやるか」
屋上で響とお昼を食べながら如月について話した。
「如月さんっていつも妨害……割り込みしてきますよね。何とかならないんでしょうか」
ソフトに言い換えたなまたこりゃ。
「また妨害してきたら、僕の方からガツンと言ってやるから安心してね」
そんな感じの話をして教室に戻った。今日一日くらいは如月の妨害を受けないといいなぁ。

放課後帰る準備を済ませて、響が待っているところに行こうとしたら如月に見つかった。
「ねぇ優くぅん一緒に帰ろうよぉ」
無視して歩く。でも如月はついてくる。流石に限界。
「如月、お前いい加減にせぇよ」
怒りのままに振り向く。
声が大きかったのかこちらを見る視線が多かった。
ちょうどいい。公開処刑してやろうじゃないか。
「え……ゆ、優くん?」
「いつもいつも妨害しやがってこちとら迷惑なんじゃい!」
いや、妨害のつもりはないのかもしれない。迷惑だってわかってないだけで。
「大体いつも急に現れてこっちの事情無視して話してくるからこっちは迷惑してるんよ」
堪忍袋の緒が切れた僕は如月に対して怒鳴っていた。
「第一、僕と関係ある?」
「な、ない……」
「だよね?じゃあなんで嫌がらせすんの?」
「だ、だって……」
「だってなんだ?」
問い詰めればぶわりと涙が膨らんで。
「うっ…うぅ…ううぅぅ……」
泣き出した。いやこの程度で泣くなよ。
「はぁ……泣かれても困るんだが」
そのまま泣き続ける如月を無視して響のところに向かう。いいかげんこれで如月も懲りたと思う。

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