綾瀬さんと真谷くん69「テスト勉強」

もうすぐ中間テストがある。

大学に進むにあたってこのテストは絶対に高得点を取らなければならない。

今回の範囲は……やや広めだな。 しかも苦手な歴史が範囲に入ってる。

今日は図書室で放課後学習会やってたな。
そこで勉強するか。ついでに響も誘っておくとしよう。
「ねぇ響、テスト対策も兼ねて放課後学習会に行かない?」

「えぇ、もちろん行きます」
「ありがと、響」

図書室へ向かうと既に何人かの生徒が宿題やテスト勉強していた。 
「苦手な歴史から対策するか」

今回の歴史の範囲は日本史から文明開化のところから終戦までの範囲だ。
しばらく進めていると疑問が湧いた。

「ねぇ響」

「どうしました?」

「なんで二・二六事件で陸軍の将校達は総理を襲撃したんだ?」

「それは陸軍の皇道派と呼ばれる派閥が、今の政府を壊して、天皇を中心とした軍事政権を作ろうとしたからです」
「なるほど」

「もともと皇道派は今の日本がダメなのは、政府の重鎮たちが天皇を唆しているからだ!と考えていたんです」

「よくそう思ったな」

響の解説はとても分かりやすくすんなり頭に入ってきた。

「――以上が総理達を襲撃した理由になります」
「なるほどそんなわけがあったのか。 教えてくれてありがとう!」

これで歴史の範囲はなんとかなりそうだ。
ふと外を見ると日が落ちかけていた。

「もうすぐ下校時刻ですし帰りましょうか」
「うん」

荷物をまとめて学校から出た。
家までの帰路でも話題は尽きず、色々と話し込んだ。

気づくと響の家の前まで来ていた。
「それじゃ、また明日ね優」
「うん、また明日」

響が家に入ったのを確認してから、自宅への帰路に着いた。




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