「自分フィルター」で情報を料理 澤円さんが語るニュース活用法
こんにちは。Voicyヤング日経 木曜パーソナリティ 大塚美幸です。先日、Voicyの人気チャンネル「澤円の深夜の福音ラジオ」でお馴染みの澤円さんにインタビューしコラボ放送をさせていただたきました。放送はURLをクリックすると聞くことが出来ます→ https://voicy.jp/channel/874/56161 エンディングインタビューの全文をまとめました。
澤円(さわ・まどか)さん
某外資系IT企業所属。圓窓代表。
ビズリーチ、FiNC、カウンティア、サーキュレーション、btraxといったスタートアップ企業の顧問や、琉球大学の客員教授などを拝命中。
皆さんの人生を豊かにする福音をお伝えしたいと思います。
Twitter @madoka510
https://ensow.jp
大塚
ヤング日経、聴いたことありますか。
澤
もちろんです。パーソナリティとしてVoicyは片っ端からチェックしていますから、「あー、こんなの始めたんだ」と思ってました。僕の盟友のNobbyさんも「ながら日経」に出ていますし。
大塚
澤さんは日経新聞についてどう思っていますか。
澤
当然、学生時代から読んでいますし、社会人1年目からずっと自分で購読しています。
実はうちの会社のプラットフォームを使ってくださっていたご縁もあって、オンライン版(日経電子版)は最初から契約しています。そういうご縁があって、今はほとんどオンラインで読んでいます。
「ニッケイ新聞」の話
大塚
意外と縁がいろんなところで絡み合っているんですね。
澤
そうですね。子供の頃から父親が証券会社(野村証券)だったので、子供のことから日経を読むというのは組み込まれていました。子供からすると「なんで一番最初に番組欄がないんだろ」という不思議な新聞でした。
全然違う話になるんですけど、うちの妻はブラジルの帰国子女なんですよ。ブラジルに小学校から中学校まで何年間か行ってたんですけど、向こうにカタカナで「ニッケイ新聞」というのがあるんですよ。日系人向けの新聞です。
妻が日本に帰ってきて、日本経済新聞が日経新聞と言われていて、「あれはニセモノだ」と認識していたそうです。いやいや、日本では日経新聞はこっちだからって。そんな話も思い出しました。
大塚
なんと。新しい感覚ですね。当たり前を疑うってやつですね。
澤
実際に二人でブラジル行った時に「ニッケイ新聞」をみて、「ああ、これか」と思いました。
僕自身も経済学部出身なので日経を読むのは習慣づけられています。
キーワードを拾う
大塚
新聞をどう活用しているんですか
澤
キーワードを拾うという感じかなあ。じつはそこの中を細かく読むとか、ちょっと嫌な言い方ですけど、間に受けるということはなるべくしないようにしています。
なんのかんの言っても記者の人たちは人間なので、「絶対にバイアスがかかっているだろう」と思いながら見ています。新聞に書かれていることが事実であるという風には昔から不思議と思ってないんですよね。
ウソが書かれているというわけじゃないですよ、ただ、バイアスがかかっているもんだと。鵜呑みにしないようにしようと。昔からなんとなく思っていますね。
「裏に何かほかの情報があるんじゃないか」というように学生時代、社会人初期の頃から思っています。
インターネットというのは好奇心や知りたい欲求を満たすのに、ものすごく効果的です。ネットであれば他のメディアを簡単に手に入れることができます。例えばウオール・ストリートジャーナルやUSA Todayなど。さらにツイッターを見るといろんな視点を見れます。ある世界で起きている事象に、様々な視点があるんだというのが同時にわかるようになってきた。ありがたいです。
別に日経さんがウソ言っているというわけじゃなく。おそらくは一番公正・公平な視点で見ているメディアだと思うんですけど。それでもやっぱり、裏側や斜めの視点があっても面白いと思います。私の見方がひねくれているんですよ。かと言って、めちゃくちゃニュースソースばかり見ているのかと言うと違います。気が向いた時だけです。普段はかなりカジュアルです。
見出しはトレンド
大塚
キーワードを拾うというのが面白いですよね。
澤
そうですね。やっぱり大きい見出しがその後、世の中におけるキーワードになったり、トレンドになったりします。
あそこに出ている言葉っていうのをもとにすると、ビジネスで話をする際に共通のキーワード、説明不要なキーワードとして話ができるという便利さがあります。
例えば最近では「働き方改革」。あれなんかもう言う必要ないじゃないですか。「働き方改革を進める上で必要なものは〜」という文脈でいきなり説明に入れる。新聞はそういう便利さを提供しているメディアであるのは間違いないです。
大塚
そうすると社会人になったり、これから社会人になる学生さんはいち早く読んでおいたほうがいいというわけですね。
澤
そうです。少なくともあそこにある見出しについては、みんな知っている言葉だと思いながら見ておいたほうがいいですね。
「自分フィルター」で情報を料理
大塚
ヤング日経とながら日経が始まりました。ヤング日経は特に就活中の学生さんも含めて若手の社会人に発信しているんです。短時間でニュースを分かってもらって、経済を身近に感じてもらってということをやっているんですが、知ったらどうしたらいいんですかね。
澤
まず、僕の場合はプレゼンテーションを年間200回以上やってるので、話をする時のネタを仕入れるのにメディアは非常にありがたいんです。
ただ、同じキーワードを知っているというだけでは差別化ができないんで、どうするかというと自分と言うフィルターを通して料理をしていくのが大事だと考えています。
大塚
自分というフィルター?
澤
要するに自分が情報を一回飲み込んで、その後に言葉にして出す時にはあるフィルターをかけて加工してあげる。僕はわかりやすく伝えることを生業(なりわい)にしているので、「それはこう言うことなんですよ」って言う。ただの解説というよりも「こういう見方をしてはいかがですか」というレコメンドを提示します。
例えばAIというキーワードがありますね。AIの解説はもうウィキペディアを始めとして、いくらもであるわけですよ。だけども「AIはこういうことなんですよ」というのを違う視点で言うんですよ。
例えば「AIは過去の延長線上に未来があると定義して考える仕組みなんですよ。だからAIは相関関係が分かるので非常に便利でそれを分析するのは得意だけれども、なんで人がそれを選ぶのかという因果関係の部分については、AIは知る手段がない。この部分は人間がケアしないとできないんですよ」という話をすると「ほー」となるじゃないですか。
人に話したくなるネタに変換
澤
これはあるファイナンスのスペシャリストから教えてもらった話です。暑いとソフトクリーム売れるというのは気温が高い数値データと販売量のデータは相関関係があるわけで、これはAIが簡単に割り出すわけですよ。その相関関係の推移もすぐ出せます。暑いと人は冷たいものが食べたくなるというのは数字だけでは分からない。これは人間の中にある欲求だし、エモーションのようなものもあるし。そういったものは因果関係です。だからこれはそのままだとAIは分からない。
あるキーワードがあったらそういう説明の仕方とか、他に人に言いたくなるネタに変換していくというのが僕の場合、メディアの活用であり結果としてプレゼンでネタに困っていない一つの理由になっています。
大塚
ヤング日経、ながら日経を聴いていただいて自分自身のフィルターを通して活用するというイメージですね。
澤
そうです。そのためにはやっぱり勉強しないと恥を掻くことになるのでキーワードをもとにして考えて、それを裏づけるための情報をメディアを通して知っていく。
あとメディアは変化します。さらに事例が出てきたりする。事例を知ってさらに裏側の理由を考える。思考がどんどん深まっていきます。
大塚
これはもう朝に、夕に「ヤング日経」「ながら日経」を聴いていただいて、さらに「深夜の福音ラジオ」も聴いていただいて、自分の思考を鍛える訓練を継続していただくということですね。これからも色々コラボさせてください。
澤
もちろん、もう日経さん大好きですからね。常に家にはありますから。
澤円さんがエンディングにゲスト出演して下さった放送→ https://voicy.jp/channel/874/56161
大塚美幸が「澤円の深夜の福音ラジオ」にゲスト出演させて頂いた放送→ https://voicy.jp/channel/632/56167
ヤング日経 https://voicy.jp/channel/874