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美容業界のパーソナライゼーション市場に迫る <#2018.9.3 業界向けコラム更新記事>

各業界でパーソナライゼーションが叫ばれる時代に突入しましたね。国内では、マーケティング領域からファッションや資生堂などの次世代製品の開発まで幅広くありますが、最近他業界から見られているポイントが、特に美容業界おいては「イノベーション」という視点で見れられています。

「美容×イノベーション」は、『革新的ビューティー論』でも述べている美容業界の新しい視点で、以前も考察しています。(⇨
開発のイノベーションとしては資生堂のOptuneも先進的なアイディアが組み込まれていますが、美容業界の中からすると、これまでも業界内で言われてきたようにターゲットがかなり不明瞭で、美容家電的要素もあり、まだ浸透には時間がかかりそうです。(長井美有紀・著:業界誌『I.B.ヘルスケア』56号 より)

美容業界の最新パーソナリゼーション市場では、国内に流通しているパーソナライズド・ビューティーは4ブランドあり、これまで通り人の手で行うものと、ビッグデータ・IoTを駆使したものを軸にして表現できます。前者はやはり上級者向けであり、また後者は一般消費者により使いやすさや選びやすさを持たせるといった要素があります。(*市場動向は、別途C-BM通信内でご提供します。)
消費者には美容液をカスタマイズするという形式が受け入れられやすく、1品を季節などに応じて使い続けるより、自分でその日の体調(肌)に合わせてカスタムメイドするほうが本来の美容・スキンケアを追求できるものではあります。ビッグデータ活用は今後も各業界で進み、開発のイノベーションとしてはすばらしい発展といえますが、消費者がこれまで普通に行ってきた感覚からすると、メイクを含め、本来化粧やスキンケアは“五感”で行うものであり、特に女性はこの五感の“感度の高さ”(=美意識ともいえる)を競うものです。これにより、美容家電では美容の超初心者などを除き、”非現実的”なイメージとなってしまうと思われるからだと分析しています。(この五感のパーソナライズド・ビューティーについては、本当の意味でのパーソナライゼーションとして模索しているところです。)

もっと先進的に考えれば、ビッグデータ・IoTを活用した開発も確かに先進的ではありますが、次世代ソリューションは環境との取り組みを重視する点が先進的とされる部分も多くあり、美容業界での適合性としてはまずSDGsへの取り組みを重視し、その上でのソリューションの中にビッグデータなどを活用していくことが必要だと思われます。
美容業界で今後選び方の一つとなりえる「カスタムメイド」なスキンケアについては、どういった視点でのカスタムメイドなのかをきちんと消費者に説明していく必要があります。こうした上でベネフィットを訴求できれば、メーカーそれぞれの考え方でカスタムメイドを提案することができるのではないでしょうか。

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