からだの免疫システムと予防のポイント
「疫を免れる」と書いて、免疫といいます。
免疫が低い人の中には、栄養や睡眠不足、ストレスによっても起こることがありますが、もしこのような心当たりがあって全身の疲労感が現れたら、
感染症などの病気になる可能性もあるので、日頃から免疫を保つように心がけたいものです!
その免疫ってどのようになっているのか?が今回のテーマ。
それは、3重のバリアシステムによって異物を排除しているので
それぞれを見ていきたいと思います。
①皮膚や粘膜のバリア
皮膚や粘膜には角質層というバリア機能があり、口、鼻、気道、気管支の粘膜は殺菌作用のある粘液で覆われ、気管支は絨毛の働きで異物を排出しています。
もし傷口などから異物が入ってきたら免疫系の主役である白血球が登場して異物を排除していきます!
②自然免疫
生まれつき備わっている先天性の免疫のことを言います。
自然免疫による異物の排除は、白血球であるマクロファージや樹状細胞が、体中をパトロールして、バリア機能を突破して侵入してきた異物などが体内の細胞を攻撃しようとした時に、自己と非自己に見分けて即座に食べて、その異物の情報を獲得免疫に知らせたり、感染してしまった細胞を殺菌物質で攻撃して排除します。
③獲得免疫
生まれた後に獲得する後天性の免疫のことを言います。
獲得免疫による異物の排除は、自然免疫の樹状細胞などから侵入者の情報をうけると(抗原提示)リンパ球のT細胞が体中をパトロールしてウイルスに感染した細胞を細胞ごと破壊します。
またリンパ節で待機しているリンパ球のB細胞が 活性化し増殖して形質細胞に分化し、抗体(免疫グロブリン)を産生し、ウイルスに結合して毒性をなくしたり細菌に結合し自然免疫を活性化したりします。さらに異物の情報を記録して(メモリーT細胞、メモリーB細胞)再び同じ異物が侵入すると自然免疫と連携して効率的に排除し、病気にかかりにくくします。これを免疫がつくと言い、白血球の中でも寿命が長く10年ほど続きます。
④免疫老化
三重のバリアシステムで細菌やウイルスを排除していると言っても、
年齢ととともになぜ免疫力が落ちてくるのかというと、それはT細胞を作る「胸腺」が年齢とともに少しづつ小さくなり、脂肪に置き換わってしまうからです。したがってT細胞を増やす能力も減り免疫の質と量も落ちてしまい、異物を見分ける認知機能や攻撃力の低下が起こりやすくなります。
また免疫老化が進むと、炎症反応を制御する機能も低下し、感染症にかかりやすくなったり、自己免疫疾患の関節リウマチやがんを発症しやすくなってしまいます。そうなる前に異物に対する抵抗力を維持してバリア機能を正常に働かせられるよう、免疫力をアップしていきましょう!
⑤免疫老化を防ぐポイント
このように免疫が落ちると様々な病気をを引き起こすことになりかねません!そこで防ぐポイントをご紹介します。
「ビタミンC,E,Pを摂る」
まず、ビタミンCは白血球の1種であるリンパ球を元気にしリンパ球が作るインターフェロン(タンパク質の一種で免疫反応に関わる)やコラーゲン(丈夫な皮膚や粘液をつくり異物が侵入できないバリアを作る)に欠かせません。もちろん活性酸素を除去する抗酸化作用もあるので、野菜や果物から積極的に摂りたいですね!
そして、ビタミンEやビタミンPを一緒に摂ることで相乗効果も期待できますよ!ビタミンPはみかんの果皮に多く含まれるので袋ごと食べるのがお勧めです。
「血流を良くする」
これも大切ですよね!なぜかというと免疫細胞は1日中、血液やリンパ液に乗って全身をめぐっているので血流が悪いと働きが悪くなってしまいます。血流を良くするためには血管を収縮させる原因になる、ストレスや冷えを防ぎ、適度に体を動かすことも効果的。よく笑うことで免疫力が高まるというのは、体を動かすことで血液が流れるからというのも、わかる気がします!
「唾液には殺菌効果がある」
体内の入り口である口の中は様々な遺物が侵入してきます。唾液成分の1つであるラクトフェリンは、鉄と結合しやすいのでウイルスや細菌の鉄を奪いとり殺菌するというメカニズムを持ちます。
そこでその殺菌力を生かすため食後はすぐに磨くのではなく、出来ればラクトフェリンが分泌される1時間後がベストです。歯周病菌だけでなく外的となる異物の侵入も防いでくれます。
ビタミンCは、抗酸化、お肌、免疫にも欠かせないので私も常に摂っている栄養素の一つです。
免疫システムの話はもっと複雑で割愛した部分もありましたが、
栄養と健康管理に少しでもお役に立てれば幸いです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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