最高が普通の世の中
最近の若者の美容に対する関心と執念はものすごいものであるとよく聞きますが
これは完全にインターネット、というか発端はInstagramの影響だよね。
だって日本一、世界一美しいレベルの顔をさらに加工した写真が常に自分と比べられる場所に毎日ばんばん流れてくるんだから、それは、そこに合わせて少しでも近付かないといけない!という強迫的な気持ちにもなろうというものです。
私が若い頃にこんなものがなくて本当に良かったよ。もはや張り合う気も起きるわけのないおばちゃんはネットを楽しく使っているけども。
今の女の子って化粧の行程も私たちが若い頃の3倍くらいある。
私が若い頃には、ファンデーション、アイブロウ、アイシャドウ、マスカラとチークに口紅くらいで充分だった(アイラインなんか「派手」な人くらいしかやっていなかった)ものが、さらにコンシーラー(しかも3色使い)、眉マスカラ、ハイライトとシェーディング、ノーズシャドウ、涙袋、フェイスパウダーくらいは塗るのが「当たり前」になってしまった。
髪の毛のスタイリングなんかプロ顔負け(実際に中高年の美容師が知らない最新のテクニックばんばん使う)に巻いたり伸ばしたりするのを毎朝やってるわけですよ。凄すぎない?
これはYouTubeとかショート動画でテクニックを教えて貰えるからこそで、私としても非常に勉強になるし助かってはいるんだけど、やっぱりそれが毎日当たり前に求められる生活はしんどいなあと思う。
ルッキズムと一言で片付けるのは簡単なんだけど、これは化粧や身だしなみだけではなく、漫画とか小説なんかの創作や料理などの家事、生活一般にまで言えることなんだよね。
「最高」が身近にありすぎる。私たちの誰もが「最高」であれるはずがないのに。
だからといってこのインターネット社会を今更手放すことは私たちにはできなかろう。実際、便利すぎるほどに便利だもん。
なんにせよあらゆるものの「普通」のハードルが上がり過ぎていて、これからの若者の......いや、全ての人間の心がどのように守られてゆくのか、旧人類は少し心配です。