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深志美由紀
2018年2月14日 16:47
黒板に羅列する方程式。 数学の相良先生が、長い方程式を黒板にすらすらと書いていく。 ゆびさき。 私の視線は、その、白いチョークを持つ指先に釘付けになる。男性特有の、節くれ立った、けれど繊細な細長い指。 その中指が私の中に埋まる瞬間を想像して、私はうっとりと目を閉じた。 先生の白い肌。きまじめな、冷たい印象の瞳。薄い唇。私はそのからだじゅうすべてに、あまねくキスを降らせる場面を想像する。