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絵を描くスキルを言語化してみた

「絵が描けるってどんな感じなの?」
先日こんな質問を受け、うーん?と考え込んでしまいました。
言われてみれば、私は物心ついた頃からお絵描きが好きな子供で、深く考えたこともありません。
自分の得意なことって、意外とよく見えないものかもしれませんね。
今回「絵を描く」スキルや、スキルアップについて私なりに考えてみたことを書いていきます。

言語化することで、意識的なスキルアップに繋がると良いな、という希望も込めて…!


絵を描くスキルを分解してみる

まずは「絵を描く」ということを分解してみます。

まず、思い通りの線や形を描く力=フィジカル面のスキル
そして次に、その「思い通りの線や形」を思い描く力=知識・内面のスキル

とてもざっくりですが、この二つに分解できそうです。
それぞれについてもう少し深掘りしてみます。

フィジカル面のスキル

絵を描くとき、思い通りの線や形を描くことができる、ということはとても重要です。
子供の頃を思い出すと、例えば「綺麗な丸」や「なめらかな曲線」を描くことが難しかった記憶があります。絵を描かない方にとっては、大人でも意外と難しいのではないでしょうか?
狙ったところに狙った通りの線を引く、滑らかな曲線を綺麗に描く。
そのために「手のここを支点に動かすと描きやすいな」「力の入れ具合はこれくらいだな」と、試行錯誤しながら手を動かしていきます。
そうして繰り返し線を引くことで、無意識的にその動きができるようになっていきます。
これが練習を積み重ねることで習得できる、フィジカル面のスキルです。

私はこれを個人的に「右手の運動神経が発達してる」と呼んでいます。(右利きなもので)
スポーツが得意な人を「運動神経が良い」と言ったりしますが、子供の頃から得意な人も居れば、練習を積み重ねて得意になる人もいますよね。イラストにおけるフィジカルのスキルも、同じように基礎練習を重ねることで向上していくものだと思います。

知識・内面のスキル

次は知識や内面のスキルについて考えてみます。

例えば人間の「手」を描くことをイメージしてみてください。
頭の中に手のイメージが浮かび、特別に資料を見たりポーズを取らなくてもある程度しっかりとした「手」を描けますか?
普段から観察していたり、何度も描いたことがある方は、自然と描くことができると思います。
キャラクターや物、人の体の書き方、立体感を捉えるにはどう考えたら良いか…そういった知識を頭に入れておくことで、必要な時にそれを活かし、自由に思い描くことができるようになります。

また、知識は絵を「見る目」も養ってくれます。

「良い絵」って何でしょうか?
すごく難しく、人によって答えが違うものだと思います。
では、「女性にウケが良い絵」だとどうでしょうか?
「少年漫画でウケる絵」「今、10代女子に刺さる絵」ならもう少しイメージがしやすいと思います。
このイメージを具体的に思い描く力は、「知識」に支えられています。
「女性が好むもの」「10代女子のトレンド」などを知っていることで、よりイメージの解像度が上がりますよね。

何を描くと良いのか、どんな風に描くのか、そして自分の絵は上手いのか?ヘタなのか?
多くの絵や作品に触れて自分なりに分析することで、何が良いのか、どこが良いのか、具体的に判断するスキルが身につきます。
イラストだけでなく、アートやデザイン、世間のトレンドなどをインプットしていくことも大切です。様々な情報や意見を受け入れ、行動を変えていく「柔軟性」を持つことで、対応できる幅も広がっていきます。

上記が「絵を描く」ことに必要な基本的なスキルだと思います。

繰り返し積み重ねることで、無意識でも出来るようになる

情報のインプットを行い、手を動かしてアウトプットしていく。これを繰り返していくと体に染みつき、反射的・無意識的にできることが多くなっていきます。
よく絵を描くときに「手癖で描くな」と言われますが、基礎練習を重ねていくことで、深く考えなくても「手癖で描ける」ものが増えていくのではないでしょうか。
そうなっていくと、それ以外の部分を考えたり工夫する余裕も生まれてくると思います。

イラストのスキルアップのために何をする?

では、イラストが上手くなるにはどうしたら良いでしょうか?
私も知りた〜い!
ここでは私が意識していることを紹介していきたいと思います。

たくさんインプットし、たくさんアウトプットする

突然当たり前のこと言い出したな、と思いましたか?私もそう思います。笑
ただ、やはりこれを意識して行うことが一番の近道ではないでしょうか…!

忙しくてもできそうな、ポイントを3つご紹介します。

1.好奇心を大切にする
興味を持ったことはすぐにメモして調べるようにしています。例えば、気になる技法や「良いな」と思った画像はブックマークしておき、後から見直せるようにしておきます。

2.毎日少しでも情報に触れる
イラストを描く時間が取れない日でも、少しでも情報に触れるように心がけています。例えば、ピンタレストやSNSで作品を眺めるだけでもOKです。表現方法や何を良いと感じたのか、自分なりに観察しながら見ることが大切です。

3.仕入れた情報を発信してみる
これは所属している部署内で習慣化しています。日々のGood&Newとして、リサーチしたトレンド情報やナレッジを発信する習慣です。誰かに向けて発信することでリアクションも貰うことができ、情報収集のモチベーションにもなります。

スランプだな、と感じたら上手くなるタイミング

絵を描く人は覚えがあるかもしれませんが、ある日突然「なんか上手く描けない…」と、自分に不満を覚える時があります。
こんな時、以前は自分の未熟さに落ち込んだりしていたのですが、ここ数年は「上手くなるチャンス!」と思うようにしています。
自分の絵が下手に感じるということは、絵を「見る目」のレベルが上がっているということです。
スランプとは、頭ではより高いレベルを求めているのに、アウトプットが伴っていない状態だと思っています。つまり、諦めずに自分が納得できる物を追求すれば、自ずとクオリティが上がっていく…はずです…!!

イラスト以外のスキル習得も、また同じ

私は昨年からチーム異動もあり、イラストとはまた異なった分野の知識のインプットが必要な場面が増えてました。
その中で、イラスト以外のスキル習得においてもやるべきことは同じだ、と感じています。インプットとアウトプットを繰り返し、無意識レベルでできることを増やすことが大切です。

…頭では分かっているのですが、実際取り組むのは大変ですよね。笑
好きこそ物の上手なれ…と言いますが、本当にその通りだと思います。逆を言えば、好きなことや興味のあることならあまり苦にならない、というか、苦しくてもなんだかんだやれてしまうことが多い気がします。
興味関心を持つことを忘れず、日々の積み重ねを大切にしていきたいものです。
共に頑張りましょう…!!


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