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ショーケースのアイスクリームみたいな人生を。
アイスクリームが大好物なわたしが絶対に絶対に行きたかった、サーティーワンアイスクリームのよくばりフェス。好きなフレーバーを最大10個まで選べるという夢のようなキャンペーンだ。
たくさんのアイスクリームの中から、好きなものを自分の好きなだけ選べるって、なんてワクワクするのだろう。
人生ももっとよくばりでいいんじゃない?
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……しかし「よくばりフェス」は、どうして「よくばり」なんだろうか。
どうやらよくばりという状態は、お祭りになってしまうくらい、喜ばしいおおごとらしい。
もしかしたらわたしたちは、何においても無意識に「たったひとつ」に絞らないといけない、そうするのが当たり前だと思っているのかもしれない。
たとえば家庭と仕事だったり、パラレルキャリアだったり、多趣味だったり、異なることを二つ以上並行してやっている人は「よくばり」な人生に見えるし、憧れの対象になりやすい。
たくさんの選択肢の中から選べること。
たくさんのものを同時に体験できること。
それも、自分の好きなだけ。
そうしたことが叶うよくばりフェスは、とってもよくばりなことなように思える。
色とりどりのアイスクリームがずらりとショーケースに、わたしはなんだか「人生」を見た気がした。
ショーケースのアイスクリームを選ぶように、自由で彩りのある、よくばりな人生がいい。
わたしはたったひとつではなく、あれもこれも欲しいし、やりたいことは全部やりたいのだ。
「自由」ってどういう状態か言える?
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フリーランスという働き方をしていると「自由でいいなあ」と言われる。
自由がいい!と人々は言うけれど、自由の中身について真剣に考えたことがある人は案外少ないんじゃないかと思う。
わたしはずっとずっと「自由」に憧れてきた。これまで自由に選べないことが多い人生だった。
そこから今に至るまで「自由であること」が自分にとっての幸せだと思っている。
そんなわたしにとっての「自由」とは
✔️たくさんの選択肢をもっている
✔️自分で意思決定できる(とくに「やめる」「断る」という選択を自分の意思だけでできる)
✔️健康な心身がある
✔️場所と時間に縛られない
✔️お金を理由にあきらめなくていい
という状態のことだ。
会社員であれば、働いていい時間は決まっているし、嫌な仕事が回ってきてもNOを言うことは難しい。出社ならば、会社でしか仕事ができない。
今はフリーランスとして働いているので、働き方についてはずいぶん自由になった。不安定ではあるし会社員とは違う大変さはあるけれど、不自由ではないと思う。
では、わたしがなぜ自由でいたいのかというと、いつもハッピーでいたいからだ。
やりたくないことや得意でないことをやったり、無駄に悩んだり、怒ったり、心配したりしたくない。そんな自分は、全然ハッピーではない。
そうした状態になってしまうのは、他に選択肢がないと思っているときだ。
カラフルなアイスクリームのショーケースを覗き込んでいる人に、プンプンしている人はいない。みんな期待感に満ちてワクワクしているし、自分の選んだアイスでいっぱいになったカップを持ったら、絶対に笑顔になる。
たくさんの選択肢を前に好きなものを自由に選べるとき、人は心が躍るのだ。
だから幸せに生きるためには、より多くの選択肢を持つことと、狭い世界に閉じこもらないことが大切だと思っている。
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アイスクリームを選ぶように「次は何をしよう」「どこへ行こう」と、いつもたくさんの選択肢にワクワクしている鮮やかな人生でありたい。
そのときの選択や組み合わせが、また次の新しいものや人と出会わせてくれて、自分の人生が広がっていく。わたしはいつも、明日の自分に期待していたい。
やわらかくなって底で混ざり合ったアイスクリームをすくいながら、そんなことを考えていた。