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再犯防止プロジェクト【10cm,】
こんにちは。
今日は、先日スタートした
再犯防止プロジェクト「10cm,」のお話を。
突然ですが、10cmという距離は何の距離だと思いますか?
(私のことを知ってくださっている方は、すぐにわかりますね笑)
これは、私が夢まで届かなかった距離です。
10cm=0.06秒足りずオリンピックに出場することができませんでした。
でもこの運命の出来事が、今の私の原動力になっています。
今日はこの日の出来事と
名前をつけた思いを書いていきたいと思います。
悪夢のような現実
2016年リオデジャネイロオリンピック代表選考会。
私は夢の【オリンピック出場】を叶えるために、全てをかけて準備をしてきました。
予選、準決勝と勝ち進み、1位で通過。
最初のスタートから一切先頭は譲りませんでした。
タイムも数年ぶりの好タイム、周りの全員が私のオリンピック内定を期待してくれていました。
決勝を翌日に控えホテルに戻ると、不安が襲います。
一度考え始めると止まらない。何度も頭の中で逃げたい、辞めたい、でもオリンピックに行きたいの繰り返し。夜も眠れず決勝を迎えました。
そんな気持ちとは裏腹にプールに到着すると、自然と頭の中がスッキリします。
これが私のルーティン。不安が襲う→開き直る→そしてやっと心の準備ができます。
(開き直るまでがしんどすぎますが。笑)
選考会決勝の日は、すごく落ち着いていました。
ここまでやってきたことに後悔はないし、やり残したこともない。
緊張しているコーチをなだめられる程、気持ちに余裕がありました。
(普通はコーチが選手を励ましますよね?笑)
そして運命のレース。スタートは完璧、前半はベスト記録。
順調にレースが進み問題は苦手な後半。
勝ち切れるように耐えるしかないので、焦らないよう、泳ぎが小さくならないよう感覚を研ぎ澄まして泳ぎました。
タッチをついて電光掲示板を確認すると、順位は2位。
自分が優勝してオリンピックに出場するんだと信じていましたが、現実はそう甘くはありませんでした。6年ぶりのベスト記録更新も、気がつかないほど呆然としていました。
プールから上がって観客席にお辞儀をし、表彰式に出席してもまだ現実を受け止められませんでした。
表彰式が終わり、やっと応援してくれていた人たちが私のことを心配する表情みた瞬間に夢が叶わなかった現実を受け止められました。
ずっと憧れていた先輩、一緒に戦ってくれた仲間やコーチが慰めに来てくれて
最後にずっと一緒に泳いてきた先輩が号泣して抱きしめてくれて7年一緒にここまで戦ってくれたコーチが笑顔で出迎えてくれました。
そこで泣き崩れてから、記憶はありません。
この日から、勝手に涙が出て止まらない日々が続きましたが、心配して元気づけようとしてくれる周りの方の優しさに触れてまた前を向けるようになったのは2週間後のことです。
コンプレックス
オリンピックに行けなかった自分が許せなくて、引退宣言を撤回し
東京五輪への挑戦を決めました。
しかしそこからの4年は、短水路での日本代表選出はあっても長水路でのベスト記録は更新できないまま引退を決意しました。
そして引退後は自分に何ができるのか、何がしたいのかを知りたいと思った時に、視野を広げないとと思い、たくさんの人に会いました。初対面の方とお話しする時にいつも聞かれることは、「オリンピックは出たの?」でした。
この質問に引退したての私は、傷をえぐられるような気持ちでした。
オリンピック選手ではないというコンプレックスに悩みながら
こんな私でも、何かできることはあるのではないのかと考えて
先輩に学ぶことも必要だと勧めていただき、HEROs ACADEMIAの受講を決めました。
(ACADEMIAを受講してから、少年院訪問までの経緯はこちらをご覧ください☟)
読まれましたか?
読んでくださったと信じてお話を進めますよ!笑
「10cm,」
こうしてたくさんの人に出会い、たくさんの考え方に触れてオリンピック出場をしていない自分を認めてあげられるようになりました。
もちろんオリンピックという憧れはありますが、自分が経験したことで私にしか伝えられないことがあることに気がついたことが大きかったと思います。
大切なのは競技成績だけではなく、その後の人生にどうアプローチをするのか。自分がどういう人間になりたいのか。ANADEMIAの学びの中で、自分の軸となるもの、
そしてこれからの人生を生きていく上で、大切にしたことに気がつくことができました。
オリンピックという夢は叶わなかったけれど、だからこそ伝えられること。
私だから寄り添えることがあると思っています。
私はあの時、オリンピックに行けていたら今の自分には出会えていない。
自分とこんなにも向き合っていなかったと思うし
心の成長もしていなかったと思います。
きっと叶わなかったことにも理由があるし、過去を引きずることは辞めて
自分にしかできないことをすることにフォーカスをするようになりました。
この経験を通してプロジェクトを始めることに決めました。
【10cm、】
失敗しても
今は辛いことも
未来は、考え方ひとつで変えられる。
そして自分を知ることで
なりたい自分になれる。
これが、私が伝えていきたいことなので
思いを込めてこの名前にしました。
まだまだ未熟なので、たくさんの人の力を借りて活動を続けていきます。
これからも応援してくださると嬉しいです!
引き続きよろしくお願いいたします。
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