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AYA&seek(MIMIZUQ)インタビュー

昨年、新ヴォーカル・森 翼を迎え、再び歩き出したMIMIZUQ。
新曲のリリース、ライヴと新しい一歩を踏み出すたびに、
自分たち自身がさらなる可能性に気づくかのような、
驚きと喜びに満ちた歩みが続いている。
そんな彼らが3月1日にリリースするのが「孵化」。
まさに今の彼らに相応しいこの曲について、
作詞作曲を担当したAYAと、その盟友seekに話を訊いた。
この調子で活動を続け、
6月18日の4周年記念ライヴでどんな世界を見せてくれるか、
そのステージが今から待ち遠しい。

●「孵化」は、この4人での初ライヴ(昨年10月17日青山RizM)で一部分を披露しましたが、その時点で全部できていたんですか。
AYA:「孵化」というタイトルとワンコーラスの歌詞だけできてました。その冒頭の部分だけを、あのライヴの最後にやりたかったんです。それで、ポエトリーリーディングみたいなのを入れてイントロダクションとしてやることにしました。「Tic-Tac」が『時巡りの列車』の主題歌とすると、「孵化」は第一話、始まりというイメージでしたね。

●始まりだから、孵化=誕生と。
AYA:それがテーマでしたね。森君が入って最初に作った曲なので、バンドの始まりということでもあるし。旅立ちとか、いろんな意味にとれたらいいなと思って。あの初ライヴが終わってから曲を仕上げたかったので、そのライヴが終わってから完成させました。

●初ライヴをやって、曲のイメージは膨らみましたか。
AYA:はい。あの日、森君が「武道館をめざします!」って言ってたのがすごいなと思って、最初に書いていた歌詞を分解して並べ直したりもしました。ステージで初めて聞いたから。

●そうだったんですね、てっきり皆さんでそういう話をされてるんだと思ってました。
AYA:seekは打ち合わせでそういうことを言ったりするんですけど、森君は言ってなくて。ステージでそれをいきなり聞いたときに、いいなと思って。“いつかたどり着いたらお互いの傷を見せあって笑おう”という歌詞は、最初はワンコーラス目だったんですけど、最後に持ってきたんですよ。いつかこの歌詞を武道館でできたらいいなと思って書き直したんですね。

●その歌詞は、この先に必ず傷つくことがあると暗示してますよね。これから先は希望に満ちてる! というわけじゃないんだと思って印象的でした。
AYA:ああ、そうですね。全然考えてなかった。
seek:そういう手法は、MIMIZUQになってからのAYA君の歌詞に多い気がしますね。「Grand Guignol」もそうやし、「Tic-Tac」もそう。終わりを知ってるけど、終わらないものを作ろうみたいな歌詞がある。
AYA:しんどいことを乗り越えていくみたいな感じですね。
seek:意識してなくても、深層心理にそういう気持ちがあるんだろうなと思いますね。一度は終わりを経験したことのあるバンドマンの歌詞やねんなっていう感じはすごくしますね。

●あの歌詞からは、覚悟というか、そういうものを感じました。
seek:バンドのカラー的には世界観ありきやけど、AYA君が経験したことが言葉になってるし、それを新しく出会ったヴォーカルの翼君に歌ってほしいんですよね。それがカタチになってる気がします。

AYAがゼロから1を生み出し、
そこから全員で育てていく

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●曲全体としてはキャッチーで歌ものなんですけど、サウンドはすごくバンドっぽいですよね。
seek:バンド然としてますね。
AYA:みんなでスタジオで作り上げたんですね。レコーディングの前にライヴで演奏したから、ライヴリハのときにアレンジしていったんです。
seek:最近は、みんなでスタジオでやるような作業がほとんどないんですよね。データを送り合って進めるから、文面上だけのやりとりが多くて。そうすると、全員本当にこのアレンジを求めてるのかなって思うときもあるんですよ。だから今回は、すごく新鮮な気持ちでやれたなと思います。

●ライヴでは、サポートを入れず4人だけで演奏することもありますが、バンドらしさを意識する方向に向いているんですか。
AYA:初ライヴをやって、森君の印象が全く逆になったんですよね、いい意味で。

●逆というのは?
AYA:最初は、森君はポップスをやってる人だから、あんまりライヴに強くないんかなっていう勝手な印象があったんです。でも、森君が一番ライヴ感がある人間やと気づいて。だから、4人だけで演奏するスタイルを試してみたりしてるんですね。森君はめちゃくちゃライヴな人やから、ライヴでついていくのが大変なぐらいなんです。
seek:翼君は、リハのときに考えていることを出さないんですよ。“ここの16小節間はフリーのリズムに乗っかって何かしゃべりますね”って言うぐらい。ヴォーカルさんによっては、リハーサルで16小節をかっちり計って試したい人もいるんですけど、翼君は何もしないし、細かくも言わないんです。それで、本番を迎えたらあの感じ(自分のアコギだけで、歌いながらメンバーを紹介したり)やから。翼君が加入するまでは、僕らのほうがバンド然としててそこに翼君を迎えるという風に思ってたんですけど、実際には翼君が主導権を握って俺らがそれに合わせていく作り方になってきてるんですよね」

●ただ、バンド4人で曲を固めていくという作り方は、翼さんにとってはそんなに経験があるわけではないと思うんですけど、そこではどんな風だったんですか。
AYA:pocoさんが引き出しが多いんで、いろいろアイデアをもらうんです。一番プロデューサー目線で見てくれてるから上手くできてますね。。
seek:pocoさんはプロデューサーとしてプロやから、具現化するのがすごく上手いですね。音楽人としてすごく能力の高いpocoさんと翼君がいるから、上手くできてるというのもありますね。。

●バンドマンが集まって音を出しているのとは、ちょっと違うような。
AYA:そうかもしれないですね。
seek:翼君はひとりでギターを持ってどこの国に行ってでも、あのギターと歌でその国の人全員を魅せることができるスキルを持ってると思うし、pocoさんも音楽プロデューサーとしてプロやから。プロフェッショナルな二人ですね。

●そこで、長くやってきたAYA&seekコンビとしては何ができる、何をするんでしょう?
seek:何ができるんですかね(笑)。今の段階では、AYA君が卵を産んでるんですよね。
AYA:ゼロから1はできるかもしれないですね。
seek:MIMIZUQというバンドでこういうことをやりたいって、手を挙げているのはやっぱりAYA君なんで。それをプロフェッショナルな人たちが、演者としてどうするべきか考えてるのかなと思います。物語の作者自体はAYA君ですよね。

●seekさんとしては、AYAさんから「孵化」が生まれたときはどういう印象を受けましたか。
seek:バンドっぽい楽曲になるとは思いましたね。でも、今までのAYA君の音楽人生でこういう曲はなかったと思います。MIMIZUQになってからAYA君が開けた引き出しのひとつやなっていう感じはしますね。
AYA:確かにMIMIZUQで使うコードは決まってきてたりしますね。
seek:影響を受けたバンドが変わってきてるのはわかります。ギターのフレーズしかり、コード感しかり。音色もそうやね。こんなちょっとシューゲイズを感じるような、リバービーな音色は過去には使ってなかったやろうなって。
AYA:自分の流行りですね(笑)。

●なるほど。
seek:これまでも、音楽の趣味嗜好が合うからAYA君と一緒にいたわけじゃないし、今のMIMIZUQが一番個人的に好きなジャンルの音楽をしている気はしますね。
AYA:それはわかりますね。二十年前のseekとはすごく合うかなって。
seek:たぶん二十年前に何も考えず自分でバンドをやったら、こういう曲をやってたやろうなって。これまでは、バンドのことを客観視しようとしてきたけど、今は好みなことをやってるから、冷静な判断ができてんのかなって考えてしまいますね。好きなことをやったらあかん病にかかってるから(笑)。

やりたいことがたくさんあるのは、
バンドとして健全で幸せな証

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●AYAさんとしては、「孵化」の先の物語ももう見えているんですか。
AYA:森君が入ってから、「孵化」ともう一曲書いてるんです。その曲はアルバムの最後にしようかなと思っていて、そのシーンのイメージはできていますね。

●その2曲の間は、誕生からだんだん時間が経過していくわけですよね。
AYA:だんだん大人になっていくのを表現したいので、それに合う曲があればどんどんやっていこうかなという感じです。最初の作品は、コンセプトアルバムみたいになると思います。

●一枚のアルバムがもう見えてる感じ?
AYA:具体的には決まってないですけど、大きな目標としてアルバムを考えています。

●アルバムの発売が楽しみですが、その前に6月には4周年を迎えます。翼さんが加入してから一年ですが、この4人になってみてからの活動はいかがでしたか。
seek:バンドというカタチの中に飛び込んできて、翼君がどう感じてるのかが気になりますよね。
AYA:すごく気を遣ってくれてるから。
seek:会話の端々から、俺らが思ってる以上に細かく気にしてるんちゃうかなと思います。

●すごくノビノビされている印象を受けますが、そういう面もあるんですね。
AYA:やればやるほど、みんなのタイム感も合ってくるし、いい作品ができてると思うし、とにかく今は楽しいですね。
seek:今は、やらなあかんこともやりたいことも山ほどあるから。過去曲を整理してこの4人でどうするのかも考えたいし、はたまた新曲をどんどん作って新しいMIMIZUQを作ろうとも思うから。やらなあかんことがありすぎますね。

●やりたいことがたくさんあるというのはとにかくいいことですね。
seek:そうですね。健全だと思います。やりたいこと、チャレンジしたいことに向かうときに、翼君がいることがすごく心強いなと思うんです。楽しいですよね。

●4周年ライヴの内容については、どんな風に考えていますか。
AYA:「Child Room」という曲のタイトルをライヴのタイトルに付けているんで、その曲をどう披露するのかがキモになってくると思います。
seek:AYA君自身が音楽的な実験というか、新しいアプローチをしてるんですよね。「ナミダミュージック」というコンセプトはあるんですけど、アレンジ的な部分や音楽的なアプローチは新しいものをどんどん取り入れていこうとしてる感じがします。

●バンドとしても個人としても成長期というかそういう感じがするだけに、ここからがますます楽しみです。
AYA:だから楽しく続けられているのかもしれないですね。

MIMIZUQ New Digital Single「孵化」
2021/02/23
https://nex-tone.link/A00095928

MIMIZUQ_fuka_掲載

MIMIZUQ 4th Anniversary ONEMAN LIVE
MIMIZUQと時巡りの列車 MONSTER GIRL in the Child Room
6月18日(土) 渋谷PLEASURE PLEASURE
OPEN 16:30 / START 17:00

☆プレイガイド先行受付☆
【抽選エントリー期間】2/11(金)12:00 〜 2/28(月)23:59
【受付ページ】
イープラス:https://eplus.jp/mimizuq0618/
楽天:http://r-t.jp/mimizuq0618
【受付券種】
Forest ¥10,000(税込) /終演後5shot撮影会、前方席
Tree ¥6,000(税込) /一般
Leaf ¥4,000(税込) /ビギナー向け、後方席
※入場時、別途ドリンク代必要
※座席は前方よりDeep Forest⇒Forest⇒Tree⇒Leafの順となります。
 Leafは客席後方となります。
※Deep Forestチケットは完売致しました。
※本先行受付は抽選受付になります。


読者プレゼントのために、みんな大好き(?)チョコレートメーカー・リンツのリンドールから、気になるフレーバーをふたつセレクトしていただきました。お二人が選んだテイストのチョコレート&それぞれのサイン入りメッセージカード(ホワイトデーのお返しのイメージ)のプレゼント応募と、『バレンタイン&ホワイトデーの思い出』インタビューは、以下から。(応募締切は3月6日)

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インタビューという形を通して、アーティストがSNSなどで直接届ける言葉には乗らない“何か”を届けられたらと、コツコツがんばっています。その“何か”を受け取れた、と感じてくださったらぜひサポートをお願いします。大きな大きな励みになります。