妄想劇場 40話
第40話「真犯人」
「もしもし?橋爪さん?!」
ミユキが話している相手は橋爪だった。
事のいきさつ全てを、橋爪に伝えた。
「分かった。君、今からうちの事務所に来れるかい?」
TELを早々に切り、ミユキは事務所に向かった。
「松重の事は…何と言ったらいいか…」
橋爪がミユキの手を握った。
「それで、西田の件だけど、松重が犯人じゃないとは??」
マリから聞いた一部始終をありのまま伝えた。
「…う…ん…じゃあ、松重が犯人じゃないと仮定してだ。あの画像では松重の姿だけが写ってた。
それ以前も、それ以降も。
もっと、確固たる証拠が無いと、この件の犯人が別にいるとは言い難いんだ…」
険しい表情で橋爪が言った。
「ママの言葉に嘘はありませんでした。あたし、信じてます。ママも…そして…パパも……」
涙を溜めて橋爪を見つめた。
「よし、じゃあもう一回洗い直してみよう!真犯人がいるなら、必ず突き止めないと。西田の為にも…」
ミユキは橋爪を見つめ頷いた。
「あたしは…あたしは何をすれば良いですか??」
西田さんを殺したやつを必ず捕まえてみせる…
そして、パパの…パパの無実を証明してみせる…
「じゃあもう一度…潜入捜査出来るかい??」
橋爪からの提案を受けたミユキの瞳は、何の迷いも無かった。
脚本家カザハナ