妄想劇場 48話
第48話「ターゲット」
「林はどうして、西田さんんを殺害したんでしょうか?
岸部からの指示で??」
ミユキが訊ねた。
「ん…岸部が小日向夫婦を殺害したのは事実だろう。
また、それを追ってた西田も……」
藤堂が口を挟んだ。
「てか、林と岸部って、どこで繋がってたんすかね?
岸部が警察に太いパイプ持ってんのはアレだけど。
林なんて、いわば雑魚じゃん、雑魚!!
岸部と繋がる何かあんのかなぁ~って。」
「確かに、それもそうだなぁ…」
3人は不思議そうに顔を見合わせた。
「どこかで絶対に、接点があるはずだ。2人を繋ぐ接点が…」
それから一月後、退院をした絵里は橋爪の元を訪れていた。
「今日、無事に退院しました。
色々と、本当にありがとうございました。」
持参した菓子折りを橋爪に手渡した。
「林が…西田を殺害した犯人だったなんて…
さぞ辛かったでしょう…
それに、あなたまで……」
絵里は首を縦に振った。
「彼が父を殺したなんて…
正直、初めはショックでした。
岸部と結託してあたしに近付いた事も……
そして…あたしを…
もう、何が何だか…
全てが夢みたいで……
悲しい程の…悪夢みたいで……」
絵里が涙を浮かべ、口を手で覆った。
「実はね、林と岸部の接点を調べてるんですが、どうも腑に落ちなくて…」
絵里が橋爪を見た。
「…腑におちない…?…
何か、怪しい点でも??」
橋爪が林と岸部の接点など、気になる点をいくつか上げた。
絵里はそれを黙って聞いていた。
「また、何か進展があればご連絡します。」
絵里は深々と頭を下げた。
暫くして、絵里は橋爪の事務所を後にした。
「……そう…そうね…
急がなきゃ…ダメね……」
絵里は笑って呟いた。
脚本家カザハナ