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妄想劇場 32話

第32話「偽りの愛」
パパが本当の両親を…?
あたしを監視して…たって…??…
ミユキは気付いたら家ではなく、小さい頃からよく来ていた公園の入り口に立っていた。
「ここには毎日来てたよなぁ…
ダダ捏ねては、ママや
パパを困らせて…」
ブランコに揺れながらミユキは悲しく笑った。
「パパと本当のパパは友達だったって…
なかなか子供が授からなかったからって、我が子みたいに育ててくれたって…」
そう呟きながら、幼少の頃の楽しく幸せだった日々を思い出せば出す程、ミユキは苦しくて悲しくて辛かった。
「パパが本当に??」
嘘だそんなの!虫も殺せないような人だもん、そんなはず無い!きっと…
きっと…何かの間違いだ…
だから…だから…
ミユキは力無くうなだれた。
夜空には無数の星たちが光り輝いていた。
「あの星を…ミユキに上げるよって…パパが…パパ…うっうっ…」
声を殺してミユキは泣いた。
じゃあ、ママは?ママもその事をしっているの??
ママも…パパと一緒…共犯…なの?…
ミユキは混沌した現実に成すすべもなかった。
「あっ!」
その時、同時にある事が脳裏をよぎった。
「小さい頃、パパとママとよく通ったカフェ…
えっと…名前…名前何だったっけ??…」
あのカフェのオーナー、パパとかなり親密だった。
パパの故郷の先輩で、こっちに来てからもお兄さんみたいに慕ってたって…
パパは何でも話す仲だって…そう言ってた…
必死にカフェの名前を思い出すべく、記憶を辿っていると
「あっ!思い出した!確か、ルナムーン…そうよ、カフェ・ド・ルナムーンだわ!!」
あそこに行けば、オーナーに会えば何か分かるかも知れない…
ミユキはブランコから慌てて立ち上がり、家路へと急いだ。
脚本家カザハナ

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