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妄想劇場 43話

第43話「悪魔の正体」
「で、何が知りたいの?
西田の事?君の本当の両親の事?」
動揺しているミユキを見て、まるで楽しんでいるかのように堂々と答えた。
「あ…あ…ぁぁ……」
言葉がなかなか出ない。
「西田も、本当の両親もあたしが殺したよ。」
……!!……!……!…!!……
眼鏡の奥の瞳が、怪しく光った。
「だってさ、どちらも…
知らなくていい事知っちゃったでしょ?
それって、私にとっちゃあとても面倒な訳だからね…
それに…君も…
色々嗅ぎ回ってるみたいだね。
頭の黒いネズミさん…」
鋭い瞳がミユキを見つめる。
「あ…ぁ…あ…たが…あなたが……
西田さんも…あたしの…両親…も……本当…に…本当…」
身体の震えが止まらず、それを押さえようと、ミユキは必死で手を握り締めた。
「余計な事を!君もあいつらも。」
ドン!とテーブルを叩いた。
「だからって…そんな簡単に…
人を…人を……あなたは……」
やっぱり、この人だった…
あたしの大切な人達を…
あたしの…あたし……の……
おもむろに、岸部が立ち上がった。
「悪いが今日はここまでね。
また、近々会えるだろうから…
その時にゆっくり…ゆっくりと、色々教えてあげるよ…ミユキ君…」
右手をヒラヒラさせながら、佐野と共に岸部が出ていった。
ミユキは全身の力が抜けて、その場に崩れ落ちた…
脚本家カザハナ

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