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コーヒーハウス

突如両親の金婚式祝いが夫誕生日ランチとなった日曜。

ホテルをチェックアウト後、夫の希望で氷川丸をお腹が空くまで見学。
改修工事で立ち入り禁止が多く、操舵室は見られず。
思った以上に老朽化が進んでいた。

1930年から海に浮かんでいるのだ(父より10歳年上)。そろそろ100年ならば致し方ない。重要文化財に指定されたそうだ。

90年代、甲板でビアガーデンやっていたのだが、行っておくべきだった。

私の良く知る山下公園は日本大通りと鉄道高架で仕切られ
木々が鬱蒼と茂った中に遊具があるごちゃっとした80年代の印象が強い。
散々遊んだので薄暗い公園の記憶がこびりついている。
木々や遊具は90年代頃、鉄道高架は21世紀に入る頃撤去された。

この日の山下公園は…夫と結婚前の夏に一度デートして以来9年ぶり。
そのときは象の鼻がメインだったので素通りだった気がする。


そろそろ名前を書かないとお昼にならないのでニューグランドに移動。
コーヒーハウスで名前を書く――旧館入って大階段の左側にあるカフェだ。

私の祖母は1950年に夫を結核で亡くし、女手一つで子供二人を養うため
行商などいくつかの仕事をした後ニューグランドに就職。
1980年に退職するまで働いていた。ルーム、ランドリー、厨房と
職場を経験し、私が生まれた頃はコーヒーハウスで仕事をしていた。

祖母はデートと称し、自分が休みの日に私を連れ出した。
午前中伊勢佐木町で映画を見たあと近くの不二家でランチ。
三時のおやつは祖母の職場・コーヒーハウス。
祖母はバニラアイス、私はプリンアラモード。
いつも同じものを食しデートは終わる。

祖母が退職した後もデートは続く。
平日が休日になり、映画館が有隣堂になり時々妹も一緒になった。
10歳で父の地方転勤で転居するまで月1デートだった。

また、祖母の退職前はコーヒーハウスで売れ残ったり余ったケーキや
レーズンブレッド、欠けたり形の悪いクッキーやパウンドケーキ(焼き菓子)がデザートやおやつに化けた。

朝食はレーズンパンにアップルパイ、おやつにクッキー
夕食後にラムボウルなんてことはザラだった
(アルコール入っているがおいしさに負ける未就学児)。

しまいには箱一杯に詰まったチーズケーキをみてうんざり(贅沢!)。
そんな時母は近所にケーキを配りわらしべ長者状態になったりもした。

更に誕生日はトップがバタークリームのバラだらけのホールケーキ
(後年、通常バラは片手におさまる数だと知る)。
クリスマスはチョコバタークリームのブッシュドノエル。

……贅沢過ぎる幼少期の経験が私と妹の舌を形成したのだった。

さて、夫初のニューグランド。待っている間旧館を歩き回り見学。
その日は結婚式があり、2階宴会場は覗けなかった
(何もないときは扉が開いており、見ることは可能)。

肝心の食事は夫はウィーン風カツレツ、私はホットサンドウィッチと
いちごパフェ。
カツレツに夫のあまり得意ではないデミグラスソースが付いてきたのだが
普通に食べていたので問題なかったらしい。

さてメイン?のいちごパフェ。
早々に刺さった苺を食し、夫にバニラアイスを勧めると気に入ったようで
半分以上食べられた。
ニューグランドのバニラアイスは卵過多で絶品なのだ。

そういえば毎年夫の誕生日&クリスマスランチはいちごパフェ。
どこでもこの時期はいちごフェアなのだろう🍓

急な計画変更でちょっと食べた気がしなかったが、バニラアイスで帳消し。
懐かしい味。

レトルトカレーとナポリタン、冷凍ドリアを通販していると知り
ナポリタンソースとクッキーを会計後その場で妹宛に送る。
自分には懐かしの味ラムボール。
帰宅後ネットで実家宛に冷凍ドリアを注文。


母が父と弟(叔父)の家政婦状態で煮詰まった頃、コーヒーハウスで
女子会を開催予定。

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