語学オタクのアラ還主婦はハルキスト
こんにちは。
万華鏡の居心地がよくて居座っております、ハルキストのGerryです。
買っていいハードカバーの本は村上作品だけ、と決めています。
村上春樹といえば「ノルウェイの森」がベストセラーになったことで知られていますが、あのような恋愛小説は村上作品ではかなり珍しいもの。
彼が描き出す小説世界の多くは謎に満ちています。
こちらの世界ともう一つの別の世界の話が同時進行したり(「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」)、主人公が井戸にハマったり壁を通り抜けたり(「ねじまき鳥クロニクル」)、この世のものではない人が出てきたり(「TVピープル」、「騎士団長殺し」)、などなど枚挙にいとまがありません。
村上作品が難解だと言われる所以です。
そして主人公はやたらとビールを飲み、パスタを茹でます。
彼の小説を読んでいるとビールとパスタが食べたくなる、という人もいます。
全く不思議な小説家です。
一方でたくさんのエッセイ(「村上朝日堂」など)も書かれていますし、外国文学の翻訳(「キャッチャー・イン・ザ・ライ」など)も手掛けています。
回文だけで1冊の本を作ったこともあります(「またたび浴びたたま」)。
紀行文もたくさんあります(「遠い太鼓」など)。
多才な方です。
中でも、私のベスト・オブ・奇妙な作品が
「羊をめぐる冒険」
です。
北海道で羊を探す旅をした主人公の物語ですが、登場人物が奇妙奇天烈です。
北海道のホテルに住んでいる羊博士やら羊男やら羊憑きの男やら、死んで幽霊になった(?)友人やら、完璧な耳を持っているガールフレンドやら・・・・・。
変でしょ?
どういうわけだか私はこの作品にハマり、何度も何度も読んできました。
理由なんて分かりません。ただただ面白いと思っただけです。
おそらく「ノルウェイの森」で村上小説に出会い、別の作品を探して出会ったのがこの「羊をめぐる冒険」だったのではないかと思います。彼の摩訶不思議な世界線はここから始まったと言ってもいいと思います。
その後はあらゆる村上作品を読み続け、今に至っています。
「村上春樹全集」なんてのも2回刊行されているのですが、どちらも手に入れましたよ。
村上春樹ファンのことはハルキストという、というのはよく言われてきたことですが、村上氏は「村上さんのところ」というエッセイ集の中で『村上主義者』を提案されています。
私もこれからはこちらの『村上主義者』を使っていく所存です。
あれ?
今回のお題は17歳だったはず。村上春樹とどういう関係が???
私を不思議な村上ワールドへ誘ってくれた作品の奥付けにこうあります。
村上春樹著 羊をめぐる冒険
発行日 1982年10月13日
私の記念すべき17歳の誕生日にこの作品はこの世に出ていたのでした。
今でもせっせと村上作品を読み続けています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。