MITOSAYA to MIYOTA | mitosaya 薬草園蒸留所の江口宏志さんを迎えて |ローカルワークショップ2023 | #05
こんにちは、ミヨタデザイン部です。
今年はさまざまなアプローチでローカルプログラムを開催していますが、今回はmitosaya薬草園蒸留所の代表にして蒸留家の江口宏志さんをお招きしたトークショーとテイスティングの2部構成で行ったイベントをレポートします。
9月2日、会場は御代田駅前のコミュニティスペース『CORNER SHOP MIYOTA』。立ち見がでてしまうほどの大盛況の中、まずは江口さんのお話から始まりました。
新しい活動を後押しするデザインの力
この日、江口さんは『mitosaya薬草園蒸留所』を一緒に作り上げてきた建築家の中山英之さん、グラフィックデザイナーの山野英之さん、そして公私ともにパートナーである山本祐布子さんをご紹介し、それぞれとどのように協業しながら『mitosaya薬草園蒸留所』をつくってきたのかを説明してくれました。
そこで印象的だったエピソードを一部紹介します。
会場であるCORNER SHOP MIYOTAのロゴなども担当したグラフィックデザイナーの山野英之さん。mitosaya薬草園蒸留所しかり、CORNER SHOP MIYOTAしかり、“新しい土地でチャレンジする事業者を後押しするデザインとはどうあるべきか”、山野さんの持論がとても興味深いものでした。
新参者がその土地で事業をスタートさせるにあたって、顔となるロゴデザイン。スタイリッシュすぎたり、完成し過ぎてしまうのは、何か違うと思ったという山野さん。むしろ、店主自身で作ったのではないか、というぐらいの親しみやすさと不完全さ、誰かが介入できるような余白のようなものを帯びているべきでは、そう考えたと言います。
CORNER SHOP MIYOTAのロゴ制作では、御代田駅の看板で使われている[MIYOTA]の文字をトレースすることで、新しいお店ながらあたかも昔からそこにあったような誰にでも馴染みのあるお店になったら、という思いを込めたのだそうです。
ここですべてを説明し切れるわけでもないのですが、新しい活動を後押しするデザインを考える上で、アイデアやヒントになればと思い、ご紹介しました。
江口さんにお話しいただいた内容は、mitosayaの活動に止まらず、大多喜へ移住された後の暮らしのなかでの活動やそこから繋がる地域の方々。そして地方それぞれにある特徴を感じるからこそ、持続可能な取り組みなど、多岐にわたるお話をお聞きすることができました。
御代田町と江口さんの意外なつながり
2017年に千葉県大多喜町の薬草園跡に設立した『mitosaya薬草園蒸留所』。
敷地内で果樹や薬草などを栽培し、全国の信頼できる生産者たちの作る豊かな恵みも使って、100種類以上もの蒸留酒、季節を閉じ込めた加工品やプロダクトをリリースしてきたそうです。
そんな蒸留家の江口宏志さん、かつて都内有数のセレクトブックショップ『ユトレヒト』を営んでいた方。本から蒸留酒へ。そんな転機の過程で、現在の拠点である大多喜町へ移住を決める前に検討していたという土地がなんと、この御代田町だったそうです。
さまざまな理由から御代田への移住は断念されましたが、御代田町へ足繁く通われた江口さんとあって、この日はイベントのために御代田・面替地区のブルーベリーと軽井沢のハーブを原料にしたオリジナルの「ブルーベリーとフレッシュハーブのコンブチャ」を来場者に提供してくれました。
さらに、フードデザイナーの吉崎亜紗子さんによる旬の梨を使ったソルベも振る舞われ、“お好みでコンブチャをかけて御代田を味わう”という演出は大好評でした。
江口さんを中心に、登壇者が入れ替わっていくトークイベントを終え、その後は
PUBLIC BAR MIYOTAでのテイスティングタイムへ。
mitosayaの香り高いドリンクなどに合わせたフードも用意され、参加者による楽しい夜は更けていくのでした。