3Dプリンターで自分だけの文房具をつくろう。親子ワークショップレポート|2022 #03
こんにちは、ミヨタデザイン部です。
『3Dプリンターで自分だけの文房具をつくろう』と題した親子ワークショップを開催したのは、夏休みも終わり間近となった8月21日でした。講師を務めたのは、デザインエンジニアの緒方壽人さん。少し時間が空いてしまいましたが、当日の様子をレポートします。
子どもたちの「身近な道具」を改めて見つめ直す作業
このワークショップでは、気軽にCADモデリングができるオンラインアプリ「TinkerCAD」を使用して、自分がほしい文房具を思い思いにデザインするところから始まりました。
「子どもたちにとって文具は、身近な道具の一つ。それを自分の手でデザインしてカタチにするところまで一貫して体験することで、日常の中に新しい気づきや発見が生まれたら」と緒方さん。
「えんぴつキャップがいかに計算されたサイズ感なのか、テープカッターはどういう構造なのか、当たり前にある道具と改めて向き合う機会になったと思うんです」
今回は事前の準備として、CADアプリのガイダンスとなる説明動画を前もって参加者に送付。初心者でも扱いやすいシンプルなプロトタイプなども用意しました。
参加者のみなさんは、初めて3Dプリンターに触れる方ばかり。プロジェクターで3Dプリンターの出力ノズルの動きなどを映像で映し出しつつ、緒方さんの丁寧な解説でレクチャーを施します。その後、事前に用意されたサンプルモデルを操作し、自分だけのオリジナル文具を思い描きながらデザインを足したり、削ったり、3Dモデリングの基本を学びました。
そして、それぞれがデザインしたモデルを3Dプリンターに転送して出力。データ上のモデルが3Dプリンターのノズルから現物となって出力されると、子どもたちからは歓声とともに食い入るように構築されるモデルに見入っていました。
参加してくれた小学生にとって、普段なかなか体験できないデザインとテクノロジーの面白さを体感する学びの多いワークショップとなったのではないでしょうか。
ワークショップを終えて、講師・緒方壽人さんに話を聞きました
ーワークショップを終えてみて、率直な感想は?
改めて、子どもたちの方がデジタルに対して大人よりも抵抗感がないというか、アプリの使い方もすぐに吸収してくれて、僕が想像もできなかった発想でデザインをする子もいて。今回使ったアプリはオンラインなので、オンライン上のオープンソースからデザインパーツを探して持ってくることもできるんですけど、よく見つけたな、というものを組み合わせている子なんかもいて驚きましたね。
ーサポート役として息子さんも参加されていましたが、どういった経緯で?
今回のワークショップの内容を考えているときに、「やっぱり、3Dプリンターはハードル高いかな」という話もあったんです。でも小学6年になる息子は、ちょっと教えたらすぐにアプリやプリンターを使いこなしていて、いろいろなものを自分で作っているんです。その姿を見ていたので、きっとできるんじゃないかなと。実は息子はYouTuberとして活動もしているので、動画編集は僕よりも早い。なのでCADアプリの説明動画は、息子に依頼したんです。その流れから当日のサポーター役も快く受けてくれて。彼にとっても良い経験になったんじゃないかと思ってます。反省会では、もっとこう準備したら良かったんじゃないって息子からダメ出しされたりもして(笑)。
ーワークショップのテーマはどんな流れで決めたんですか?
テーマとしてまず「身の回りにあるものに改めて、目を向ける」そんなことができたらと思ったんです。そこで、子どもたちが毎日使っている文房具に着目しました。毎日当たり前に使っているけれど、これがどうデザインされて、どんな風に作られているかは考えたことないんじゃないかと。
ー緒方さんにとって「3Dプリンター」の魅力とはなんでしょうか?
自分の身の回りの道具を、自分自身で作ることができる。これ自体にも面白さはありますし、その過程の中で、日常の中で何かを発見することもできます。3Dプリンター自体は数年前にちょっとしたブームがあって、少しその波は落ち着いていますけど、その間に、プリンター自体も手頃な価格になって、扱いやすくもなって、マテリアルも入手しやすくなりました。むしろ、今こそタイミングというか、家庭で持つツールとしていいんじゃないかな、と思いますね。ぜひご家庭でも興味のある方はトライしてみてください。
今年度のワークショップについてはコチラからご確認いただけます。引き続き、“親子で楽しむものづくりワークショップ”の参加者を募集しています。