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御代田のライ麦でモビール“ヒンメリ“をつくろう 親子ワークショップレポート|2022 #07
こんにちは、ミヨタデザイン部です。
昨年、クリスマスムードの高まる頃に実施した親子ワークショップ「御代田のライ麦でモビール“ヒンメリ“をつくろう」をレポートします。
この日の会場は「御代田写真美術館」を中心とした複合施設MMoP。館内で開催されていたクリスマスマーケットで賑わいをみせる中、講師を務めるクラフト作家の上原かなえさんが、クリスマスとヒンメリの関係について参加者に話します。
「スウェーデン語で“天”という意味を持つ“ヒンメリ“は、古くからクリスマスの時期になると、来年の豊作を願って食卓に飾られてきました」
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町で育てたライ麦と針と糸で
ワークショップでは、各テーブルに置かれた設計図をもとにモビールの構造を説明します。一見、複雑そうでいて、実はこの基本構造を頭と手で一度理解できてしまうと、その後は驚くほどスムーズに。
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「家に幸せを呼ぶお守り」とも言われるヒンメリ。この日は御代田町で収穫されたライ麦を、針と糸で丁寧につないで、思い思いのモビールを完成させます。
「制作にぐんぐんと集中して、時間が終わってもまだ作り続けている子どもたちの真剣な眼差しや家に帰ってもっと大きな作品を作ってみたいと、材料の麦わらを大切に持ち帰る子どもたちの姿がとても印象的でした」
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2022年の秋には御代田北小学校にてとある授業を行なったという上原さん。高学年のクラスを対象に、町民と一緒に取り組んでいる『ライ麦ストロープロジェクト』を伝える内容だったそうです。
「5年生の子どもたちが興味を持ち、自分たちもクラスでやってみたいという声があがったことが発端でした。子どもたち自身がライ麦ストローの取り組みを通して新しい社会の循環を考え、実践していく自主的な活動になればと願っています。冬に蒔いた種はうまくいけばこの春に芽吹き、夏には御代田北小産のライ麦ストローが子どもたちによって生まれる予定です」
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ワークショップを終えて、講師・上原かなえさんに話を聞きました
ー昨年に続き2回目でしたが、気をつけたことは?
制作自体が楽しくて夢中になれるようなステップであることと、完成した作品を大切に持ち帰り、ずっと自分の家に飾って制作後も家族みんなで楽しめることをイメージしていました。
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ーワークショップを通じて、親子に伝えたかったこととは?
私がクラフトを学んだデンマークにある美術館では、開催中の展覧会にあわせて、そのアーチストの表現方法や手法を実際に子どもたちが体験できるワークショップがとても充実していました。子どもたちが思う存分、アート表現を楽しんでいる光景に感銘を受けたんです。
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今回のワークショップでも、まず私が制作したヒンメリの作品を見てインスピレーションを感じてもらい、それから実際に自分の手で作ってみる。そこで体感する造形の楽しさや難しさ、その体験を大きな学びに繋げてほしいという願いがありました。麦わらという素材の感触。立体になる楽しさや難しさ、完成したときの達成感が子どもたちの心に残っていてくれたら嬉しいです。
ー今後、御代田町でやってみたい活動やワークショップなどあれば教えてください
ライ麦ストロープロジェクトはこれからも地域の方々に参加していただきたいと思っています。そして、麦わらクラフトに限らず、子どもたちにクラフトの楽しさを伝える場をもっと増やしていきたいですね。
講師:上原かなえ(クラフト作家)
デンマークに渡り手工芸を学び、帰国後、御代田町を拠点に制作活動を行う。地域の方々の参加と福祉施設と協働してつくるローカルプロダクト『MIYOTAライ麦ストロープロジェクト』主宰。
@kanaeuehara
主催:ミヨタデザイン部
協力:MMoP
連絡先:
公式LINE|ミヨタデザイン部_グループ
メール|miyotadesign.dept@gmail.com
公式Instgram|@miyota_design