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「cry」から感じる青春の痛み(Terminal Melodyを聴いて)

「cry」ってエロくないですか?

「cry」を提供した黒田有紀さんとは「you&me」でデュエットもされている。
「you&me」大好きなんだけど、なぜこの曲が好きかと考えると、年上の彼氏が若い彼女に目線を合わせているような感覚を受けるからだ。
「Girl」のような大人の恋愛とは似ても似つかない、まるで恋愛をし始めた二人のような微笑ましさを感じる曲。
イメージ通り、調べたところ黒田さんとは14歳の差がある。
「これ絶対落としにかかってるだろ...」のような感想を見た記憶があるが、私もそう思う(笑)。
変な意味ではなく、男性というものは魅力的な女性にいつまでも「女の瞳」で見られたいものなのだろう。

そして「cry」。
この冒頭のリアルさはなんだろう。

椅子の背もたれを抱いた またがるように座った
あごを乗せながら泣いた

状況をリアルに想像してしまう。
これ、ASKAさんは確信犯でやっていると思う。官能的な場面を歌わせたかったんだろうなぁと。
という言い方をするとセク〇ラチックに感じられるが、こういう場合だけは許されるだろう...。


しかしまあ、印象的なフレーズが多い曲だ。

この日この時の気持ち 誰とも分け合わないで
どんなだったか覚えておこう

ここはSNSの普及で共感することが良しとされている近頃の状況とは真逆である。そこに惹かれる。
何でも誰かと共有するのではなく、一人心の奥でしまっておく記憶も大切にしたいものだと思わせられる。

男女の別れを描いているのに、どうして爽やかな印象を受けるのだろう。

二十才やそこらの恋と誰にも言われたくない
はじめてこんなに愛した

誰しもそんな経験があるだろう。その時、誰もが身を切るほどの痛みを味わったに違いない。
「青春時代が夢なんて後からしみじみ思うもの」なんて歌がある。
その通りで、青春時代の最中にいる当人にとってそれは苦痛の多い日々なのだ。

青春とは痛々しく、瑞々しく、美しいもの。
そんな時代に受けた傷を、誰もが大切に、それこそ「誰とも分け合わないで」愛おしみ、心の奥の扉にしまっている。
「cry」はその心の扉を開いてくれる。そして束の間、その愛すべき日々を思い出させてくれるのだ。

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