オンラインクイズ環境構築(オーディオ編)
「オンラインクイズ」は今や「リアルクイズの代替」を超え、クイズプラットフォームの一つの地位を築いています。
とはいえ、オンラインクイズ環境構築に関しては、まだまだ掘り下げをする余地はあると感じています。
QuizKnockさんが主宰する「クイズジャム」がZoom/Discord+Yquiで実施されると告知されました。
この点も視野に入れ、オンラインクイズ環境の構築について書いていこうと思います。
なお、筆者はPCでしかオンラインクイズに参加したことがありません。以下の記述は、一部スマートフォンに応用できるものがあるかもしれませんが、基本的にPC向けのものであることを予めご了承ください。
サマリ
用語の定義
以降では、下記のような用語を使用するものとします。
アプリ : 音声通話を司るアプリ(Discord, Zoom, Skype, Teams など)を指す
ブラウザ : ブラウザで開かれた早押しアプリ(Yqui, Qox など)を指す
マイクミュート機能で幸せになれる
オンラインクイズ環境において、最もトラブルの要因となっているのは「マイクのミュート」に関連する部分と思われます。
基本的には、自分が回答する時以外はマイクをミュートすることが推奨されるため、
通常時はアプリでマイクをミュートにし、ブラウザ側をアクティブにする
ボタンを押し、押し勝ったらアプリ側をアクティブにし、ミュートを解除して回答
回答終わったら再度ミュートした上でブラウザ側をアクティブにする
が必要となります。これにより、「ミュート解除し忘れ」「回答後のミュートし忘れ」「ブラウザがアクティブになっておらず、押しが空振りする」などが起こります。
ではどうすればよいか。答えは簡単です。
『マイクミュート機能を持つヘッドセット/イヤホンマイク/マイク/オーディオインターフェースを導入する』これだけです。(以降はこれらを総称して「マイク」と呼ぶことにします。)
通話アプリ側では、ミュートOFF状態にしておいて触らないのです。そして、ミュートのON/OFFはマイク側で行います。こうしておくと、何が嬉しいかと言うと、「PC画面上で通話アプリ側を触る必要がない」ということなのです。つまり、ブラウザ側を常時アクティブにしておくことが出来るので、切り替えの手間がなくなり、「ブラウザをアクティブにし忘れて早押し空振りした」がなくなるのです。
また、これは主観的な感覚ではありますが、「早押しボタンを押す操作」と「ミュートのON/OFFを行う操作」が物理的に異なる操作になることにより、心理的な混乱がなくなるように感じます。(「ボタン押す」「ミュートON/OFF」が共に「マウスクリック」であることによって、心理的な混乱が起こってし忘れ、戻し忘れが生じるんじゃないかなと思っています)
調べてみればわかりますが、マイクミュート機能を持つオーディオデバイスは1000円台から買えます。問題集1冊分、オープン大会参加費1回分程度です。今後もオンラインクイズは定常的に行われるでしょうから、導入によるメリットを考えても、決して高くない投資であると思います。
ちなみに、筆者が以前使っていたのは、RazerのKraken Xというゲーミングヘッドセットでした。購入当初はミュートスイッチの存在を意識していなかったのですが、その便利さを痛感して以来、ミュートスイッチ無しでは耐えられなくなってしまいました。(現在はこちらは壊れてしまったので、別の環境になっています。現環境に関しては、別項で紹介する予定です)
なお、便利なマイクミュート機能ですが、一点だけ難点があります。それは他の参加者から「ミュートOFFになってるよ」って指摘を受けがちということです。(私も何度か指摘を受けました)ここに関しては、事前に言っておくとか、「マイクミュート機能付きマイクを使っている参加者がいる事」が認知されていくことを祈るか、くらいでしょうか。
Bluetoothオーディオによる遅延の話
PCでのオーディオの接続方法としては、大きく3つの方法が考えられます
アナログオーディオ接続(3.5mm)
USB接続
Bluetooth接続
この中で、筆者個人的はBluetooth接続をお勧めしません。
まず第一に、電源の問題です。Bluetoothオーディオ機器は充電が必要となるため、電池切れのリスクがあります。
また、これは主観ではありますが、Bluetooth接続は他の方法に比べて、接続失敗の可能性が高く、また復旧に対して手間がかかるという印象があります。
さらに、これに関しては実証をしてみたわけではなく、理屈上の話だけではあるのですが、遅延の問題があるのではないかと思っています。
使用しているコーデックによって異なりますが、公称されている値として、最もベーシックなSBCで220ms、比較的遅延が少ないとされるAACやaptXでもそれぞれ120ms、70msの遅延があるとされています。アナログ接続やUSB接続に設計上どれだけの遅延があるのか、または実測でどれだけの差があるのかは確認できていませんが、複数の問題があることを考えると、Bluetooth接続は避けた方が良いのじゃないかなと思っています。