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#4:国際コーチ資格、ICF試験、合格への道 → サンプル問題4の解説

過去の投稿は下記の通りです。
#0 合格への道, 背景 : https://note.com/miyoshicoach/n/nf9f634e17c19
#1 サンプル問題1: https://note.com/miyoshicoach/n/n6c73b6adad7e
#2 サンプル問題2:  https://note.com/miyoshicoach/n/n1ecca7d5f755
#3 サンプル問題3:  https://note.com/miyoshicoach/n/nc591a4897932

ICF試験のサンプル問題は、下記リンクから見ることができます。
Credentialing Exam Content - International Coaching Federation

今日はサンプル問題4を解説しますね。


1.サンプル問題4

大学のバイオメディカル研究者が、同僚との相互作用を改善するためにコーチと協働しています。
クライアントは非常に分析的な思考を持っており、詳細なデータポイントや複雑なグラフを簡単に説明できますが、コーチと個人的なことを共有することには消極的なようです。
以前のセッションで、コーチはクライアントに社交イベントでの感覚を記述するよう奨励しましたが、クライアントは非常に不快感を示し、短い一言でのみ回答しています。

今日のセッションにクライアントが到着したとき、黙ってコーチに日記を手渡しました。
クライアントは前回のセッション以来、大学のランチョン、教員パーティー、スタッフ開発ワークショップへの参加経験について、過去一週間にわたりいくつかの詳細なエントリーを記入していました。
クライアントがその場でコーチにあまり話さない一方で、彼らのエントリーはこれらのイベントで経験した不安と社交不安を克服したいという願望についての深い反省を示しています。
コーチはどうすべきでしょうか?

1. クライアントが行った反省作業を認め、日記に記述した感情のいくつかを探求することに快適を感じるかどうかクライアントに尋ねる。

2. クライアントに、日記に詳細に記入したエントリーをコーチのために要約してもらうよう頼む。

3. クライアントに、書き留めた不安を克服するために取りうるいくつかのステップを特定してもらう。

4. クライアントに、日記をつけるプロセスを通じて自分自身についてどのような新たな認識を得たか尋ねる。


解説を見る前に、上記4つの行動のうち
ー どの行動が一番良いのか?
ー どの行動が一番悪いのか?
を選んでみましょう。

さぁ、考えてみましたか?

2.コアコンピテンシー4:信頼と安全を育む

この行動は下記コアコンピテンシー4に関連する行動です。
JapaneseTeamCoachingConpitancy_2024May_Final.pdf (icfjapan.com)

1. Seeks to understand the client within their context which may include their identity, environment, experiences, values and beliefs
クライアントの自己認識、とりまく環境、体験、価値観、信念を含みうる状況で、クライアントへの理解を深めようとしている

2. Demonstrates respect for the clientʼs identity, perceptions, style and language and adapts oneʼs coaching to the client
クライアントの自己認識、物の捉え方、流儀、言葉遣いに敬意を示し、クライアントにコーチングを合わせている

3. Acknowledges and respects the clientʼs unique talents, insights and work in the coaching process
コーチングの過程で、クライアント独自の才能、洞察、努力を承認し、尊重している

4. Shows support, empathy and concern for the client
クライアントへの支援、共感、関心を示している

5. Acknowledges and supports the clientʼs expression of feelings, perceptions, concerns, beliefs and suggestions
クライアントが、感情、物の捉え方、関心、信念、懸念を表現することを承認し、支援している

6. Demonstrates openness and transparency as a way to display vulnerability and build trust with the client
クライアントとの信頼を築くことができるように、自分の不完全さも見せるなどして、開放性と透明性を示している

3.コアコンピテンシー4の価値

コンピテンシー4の定義は、「クライアントとパートナー関係を築き、クライアントが自由に話せる安全で支援的な環境を創り出している。相互に尊重し信頼する関係を維持している。

チームメンバーが開かれた率直な交流ができる安全な空間を作り、維持できます。
各チームメンバーおよびチーム全体の感情、認識、懸念、信念、希望、提案の表現を培うことができます。
チームメンバー全員の参加と貢献を促すことができます。

4.解説

この解説は、下記YouTubeをベースにしています。
ICF Credentialing Exam: Sample Question 4 Explanation - YouTube

1. クライアントが行った反省作業を認め、日記に記述した感情のいくつかを探求することに快適(comfortable)を感じるかどうかクライアントに尋ねる。
【解説】良い質問
・Partnering(パートナー関係)がある
・コーチが話すことを決めていない。
・コアコンピテンシー4.5「クライアントが、感情、物の捉え方、関心、信念、懸念を表現することを承認し、支援している」に合致している。
・コアコンピテンシー4.2「クライアントの言葉遣いとスタイルに敬意を示す」に合致している。


2. クライアントに、日記に詳細に記入したエントリーをコーチのために要約してもらうよう頼む。
【解説】悪い質問
・クライアントを尊重(Respect)していない。
・クライアントを認識(Recognize)していない



3. クライアントに、書き留めた不安を克服するために取りうるいくつかのステップを特定してもらう。
【解説】悪い質問
・クライアントとコーチングの合意がない
・クライアントが何を望んでいるか、この質問からは知ることができない。
・クライアントの感情を承認 (Acknowledge)していない。
・クライアントをサポートしていない。
・他の悪い質問は2ですが、比較すると、3はクライアントの選択肢がない質問であり、指示になっています。
・コアコンピテンシー4の価値である「クライアントが自由に話せる安全で支援的な環境」を創り出していません。
これが一番悪い質問です。


4. クライアントに、日記をつけるプロセスを通じて自分自身についてどのような新たな認識を得たか尋ねる。
【解説】良い質問
・クライアントを承認 (Acknowledge)している。
・コアコンピテンシー4.5「クライアントが、感情、物の捉え方、関心、信念、懸念を表現することを承認し、支援している」に合致している。
・他の良い質問は1ですが、比較すると、1はクライアントが行った反省作業を認めている。すなわち、きちんと承認 (Acknowledge)している。クライアントを尊重 (Respect)している。
1が一番良い質問です。

5.追加解説

この追加解説は、三好の12年間のコーチ経験をベースにしています。
難しく考えずに、もっと自然に考えてみましょう。

個人的なことを共有することに消極的なクライアントが、黙ってコーチに日記を手渡す。
クライアントは経験した不安と社交不安を克服したいという願望についての深い反省を示しています。

あなたが、そんなクライアントだったら、どんな質問をして欲しいと思いますか?

1. クライアントが行った反省作業を認め、日記に記述した感情のいくつかを探求することに快適(comfortable)を感じるかどうかクライアントに尋ねる。
【解説】良い質問
・クライアントが快適(comfortable)かどうか感情を質問してくれており、クライアントに向き合ってくれている感じがしますよね。


2. クライアントに、日記に詳細に記入したエントリーをコーチのために要約してもらうよう頼む。
【解説】悪い質問
クライアントが深い反省をしている時に、日記を要約することに意味があるのか?
コーチが話すことを決めるのではなく、クライアントが何を話したいか聞いて欲しいですよね。



3. クライアントに、書き留めた不安を克服するために取りうるいくつかのステップを特定してもらう。
【解説】悪い質問
・クライアントが深い反省をしている時に、ステップの特定を行う“作業”を指示されている、、、なんで?
クライアントの感情は何も考慮されていない、、、
全然コーチングではないですね。
一番悪い質問ですね


4. クライアントに、日記をつけるプロセスを通じて、自分自身について、どのような新たな認識を得たか尋ねる。
【解説】良い質問
日記を通して、クライアント自身の深堀をしてくれる良い質問ですが、それをクライアントが望んでいるのか? 
個人的には「認識を得たか」という質問より、「日記をつけて、どう感じましたか?」という質問の方が好きです。
他の良い質問は1ですが、比較すると、1の方がクライアントを尊重している感じがするので、1が一番良い質問ですね。

皆さん、どうでしたか?
次回は、サンプル問題4の解説を行いますね。

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最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


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