#3:国際コーチ資格、ICF試験、合格への道 → サンプル問題3の解説
過去の投稿は下記の通りです。
#0 合格への道, 背景 : https://note.com/miyoshicoach/n/nf9f634e17c19
#1 サンプル問題1: https://note.com/miyoshicoach/n/n6c73b6adad7e
#2 サンプル問題2: https://note.com/miyoshicoach/n/n1ecca7d5f755
ICF試験のサンプル問題は、下記リンクから見ることができます。
Credentialing Exam Content - International Coaching Federation
今日はサンプル問題3を解説しますね。
1.サンプル問題3
クライアントがセッションにストレスを感じている様子でやって来ます。
コーチがクライアントに何を話し合いたいか尋ねると、クライアントは慌てて、職場で計画している大きなイベント、組織している大規模な家族の集まり、そして高齢の親の世話についてのリストを挙げます。
コーチはどうすべきでしょうか?
1.クライアントがストレスを感じているように見えるので、コーチングセッションを始める前に一息つく必要があるかどうか尋ねる。
2.クライアントに高齢の親についてもっと話してもらうように頼む。
3.クライアントが直面している3つの重大な課題を共有したことを認め、どれから探求したいかクライアントに尋ねる。
4.クライアントが最初に挙げた職場での大きなイベント計画から始めるように頼む。
解説を見る前に、上記4つの行動のうち
ー どの行動が一番良いのか?
ー どの行動が一番悪いのか?
を選んでみましょう。
さぁ、考えてみましたか?
2.コアコンピテンシー3
合意の確立と維持
この行動は下記コアコンピテンシー3に関連する行動です。
JapaneseTeamCoachingConpitancy_2024May_Final.pdf (icfjapan.com)
1. Explains what coaching is and is not and describes the process to the client and relevant stakeholders
コーチングとは何で、何でないのかを説明し、クライアントと関連する利害関係者にプロセスを説明している
2. Reaches agreement about what is and is not appropriate in the relationship, what is and is not being offered, and the responsibilities of the client and relevant stakeholders
コーチとクライアントとの関係性の中で、何が適切で何が適切でないか、何が提供され何が提供されないか、およびクライアントと関連する利害関係者の責任について合意に達している
3. Reaches agreement about the guidelines and specific parameters of the coaching relationship such as logistics, fees, scheduling, duration, termination, confidentiality and inclusion of others
コーチング関係における指針および特有の要因、例えば、具体的な進め方、費用、スケジュール、期間、終了条件、守秘義務、その他関わる人などについて、合意に達している
4. Partners with the client and relevant stakeholders to establish an overall coaching plan and goals
クライアントおよび関連する利害関係者と協力して、コーチング全体の計画と目標を設定している
5. Partners with the client to determine client-coach compatibility
クライアントとコーチが共通認識を持つために、クライアントとパートナー関係を築いている
6. Partners with the client to identify or reconfirm what they want to accomplish in the session
セッションで達成したいことを特定または再確認するために、クライアントとパートナー関係を築いている
7. Partners with the client to define what the client believes they need to address or resolve to achieve what they want to accomplish in the session
クライアントとパートナー関係を築き、クライアントがセッションで達成したいことを実現するために、クライアント自身が対処や解決する必要があると信じていることは何かを見極めている
8. Partners with the client to define or reconfirm measures of success for what the client wants to accomplish in the coaching engagement or individual session
クライアントとパートナー関係を築き、達成したい成功の尺度が、コーチング全体に対してか、あるいは、個々のセッションに対してかを、特定または再確認している
9. Partners with the client to manage the time and focus of the session
クライアントとパートナー関係を築き、セッションのタイムマネジメントを行い、重要なことに焦点を当てている
10. Continues coaching in the direction of the clientʼs desired outcome unless the client indicates otherwise
クライアントが表明しない限りは、クライアントが希望する成果に向かってコーチングを続けている
11. Partners with the client to end the coaching relationship in a way that honors the experience
価値ある経験としてコーチング関係を終了するために、クライアントと協力し合っている
2.コアコンピテンシー3の価値
コアコンピテンシー3の定義は、「コーチングの関係、プロセス、計画的および目標に関して明確に合意するために、クライアントおよび関連する利害関係者と協力している。コーチング全体についての合意だけでなく、各コーチングセッションについても合意を確立している」。
チームリーダー、チームメンバー、関係者、共同コーチを含むすべての関係者と協力して、コーチングの関係、プロセス、計画、開発手法、目標に関する明確な合意を形成することができます。
3.解説
この解説は、下記YouTubeをベースにしています。
ICF Credentialing Sample Question 3 Explanation (youtube.com)
1.クライアントがストレスを感じているように見えるので、コーチングセッションを始める前に一息つく必要があるかどうか尋ねる。
【解説】良い質問
基本的なコーチスキル、自信、安心安全な雰囲気に役立っている。
良い質問。
2.クライアントに高齢の親についてもっと話してもらうように頼む。
【解説】悪い質問
コーチが話したいことを決めている、主導しているので、悪い質問。
3.クライアントが直面している3つの重大な課題を共有したことを認め、どれから探求したいかクライアントに尋ねる。
【解説】良い質問
・Partnering(パートナー関係)がある
・他の良い質問は1ですが、比較すると、3の方がMore Partneringがある。従って、これが一番悪い質問
4.クライアントが最初に挙げた職場での大きなイベント計画から始めるように頼む。
【解説】悪い質問
・コーチが話したいことを決めているので、悪い質問。
・他の悪い質問は2ですが、比較すると2の方がソフト。4の方が強い。
従って、これが一番悪い質問
4.追加解説
この追加解説は、三好の12年間のコーチ経験をベースにしています。
難しく考えずに、もっと自然に考えてみましょう。
ストレスを感じているクライアントに対して、コーチが、何を話し合いたいか尋ねると、クライアントは慌てて、職場で計画している大きなイベント、組織している大規模な家族の集まり、そして高齢の親の世話についてのリストを挙げます。
あなたが、そんなクライアントだったら、どんな質問をして欲しいと思いますか?
1. クライアントがストレスを感じているように見えるので、コーチングセッションを始める前に一息つく必要があるかどうか尋ねる。
【追加解説】良い質問
クライアントのことを見てくれている!
うれしい質問ですよね。
2. クライアントに高齢の親についてもっと話してもらうように頼む。
【解説】悪い質問
一方的!
なぜコーチが話すことを勝手に決めるの?
3. クライアントが直面している3つの重大な課題を共有したことを認め、どれから探求したいかクライアントに尋ねる。
【解説】良い質問
コーチが課題が重大なことを認めてくれている。うれしいですよね。
さらに、どれを探求したいかクライアントの意思を尊重してくれている。
良い質問の2と比較した時に、こっちの方が次のステップに進める質問になっていますよね。従って、これが一番良い質問ですね。
4. クライアントが最初に挙げた職場での大きなイベント計画から始めるように頼む。
【解説】悪い質問
なぜ話すことを一方的に決めてるの?
さらに指示されている感じがしますよね。
悪い質問の2と比較した時に、この質問の方が指示されている感じがするだけ、きつく感じます。従って、これが一番悪い質問ですね。
皆さん、どうでしたか?
次回は、サンプル問題4の解説を行いますね。
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最後まで読んで下さり、ありがとうございます。