見出し画像

#7:国際コーチ資格、ICF試験、合格への道 → サンプル問題7の解説

過去の投稿は下記の通りです。
#0 合格への道, 背景 : https://note.com/miyoshicoach/n/nf9f634e17c19
#1 サンプル問題1: https://note.com/miyoshicoach/n/n6c73b6adad7e
#2 サンプル問題2:  https://note.com/miyoshicoach/n/n1ecca7d5f755
#3 サンプル問題3:  https://note.com/miyoshicoach/n/nc591a4897932
#4 サンプル問題4:  https://note.com/miyoshicoach/n/ned46a05bfcc8
#5 サンプル問題5:  https://note.com/miyoshicoach/n/n00b582c12e5e
#6 サンプル問題6:  https://note.com/miyoshicoach/n/n24cae20e9539

ICF試験のサンプル問題は、下記リンクから見ることができます。
Credentialing Exam Content - International Coaching Federation

今日はサンプル問題7を解説しますね。


1.サンプル問題7

あるコーチは、経験豊富なマラソンランナーであるクライアントと協力して、耐久レースのための トレーニングに関する本を執筆しています。これはお客様の長年の夢です。

コーチは、クライアントがライティングの課題や進歩について話すときに、ランニングの比喩をよく使用することに気づきました。

クライアントは通常、明るくて元気ですが、今日のセッションに到着すると、疲れていて落胆しているようです。

彼らは、残り 3 章を残して最近執筆活動で「壁にぶつかった」ことをコーチと共有しました。座って執筆しても、クライアントはほとんど何も思いつかず、公開する価値のあるものは何もないと言います。クライアントは、予定通りに本を完成させることができず、この目標に向けたすべての作業が無駄になってしまうのではないかと心配していると述べています。
コーチは何をすべきでしょうか?

1.       クライアントに、本を読み終えることができないのではないかという不安を探ってみたいかどうか尋ねる。

2.       過去に非常に困難な目標を達成しており、この大きな目標も達成できることをクライアントに思い出させる。

3.       クライアントに、マラソンを走っていて完走できないと感じたことがあったかどうか尋ねてください。クライアントに、レース中にその課題にどのように対処したかを共有してもらいます。

4.       クライアントが本の残りの章の執筆を進めるための戦略を特定できるようサポートします。

解説を見る前に、上記4つの行動のうち
ー どの行動が一番良いのか?
ー どの行動が一番悪いのか?
を選んでみましょう。

さぁ、考えてみましたか?

2.コアコンピテンシー7
気づきを引き起こす

この行動は下記コアコンピテンシー7に関連する行動です。
JapaneseTeamCoachingConpitancy_2024May_Final.pdf (icfjapan.com)

1. Considers the clientʼs context, identity, environment, experiences, values and beliefs to enhance understanding of what the client is communicating
クライアントが何を伝えているかについての理解を深めるために、クライアントの状況、自己認識、とりまく環境、体験、価値観、信念を考慮している

2. Reflects or summarizes what the client communicated to ensure clarity and understanding
クライアントが伝えた内容を反復または要約することで、明確さと理解度を高めている

3. Recognizes and inquires when there is more to what the client is communicating
クライアントが伝えている以上の何かがあることを認識し、問いかけている

4. Notices, acknowledges and explores the clientʼs emotions, energy shifts, non-verbal cues or other behaviors
クライアントの感情、エネルギーの変化、非言語的な合図、またはその他の行動に気づき、認識し、探索している

5. Integrates the clientʼs words, tone of voice and body language to determine the full meaning of what is being communicated
クライアントの言葉、声のトーン、ボディーランゲージからの情報を統合し、伝えられていること全体の意味を把握している

6. Notices trends in the clientʼs behaviors and emotions across sessions to discern themes and patterns
クライアントのテーマやパターンを見定めるために、一連のセッションの中でクライアントの行動と感情の傾向に気づいている

3.コンピテンシー7の価値

コンピテンシー7の定義は、「人を動かす行動、沈黙、比喩や類推などのツールやテクニックを用いて、クライアントの洞察と学習を促進してる」。

個人が集まって構成されるチームでは、共同活動に多様な前提、経験、行動、意味づけのプロセスが持ち込まれています。

これらの要素の多様性は、ともすればチームの機能不全を引き起こす可能性がありますが、適切に活用すれば、チームのパフォーマンスを大きく向上させることができます。

4.解説

この解説は、下記YouTubeの解説をベースにしています。
ICF Credentialing Exam Sample Question 7 Explanation (youtube.com)
 
1.       クライアントに、本の執筆を完成することができないのではないかという不安を探ってみたいかどうか尋ねる
【解説】良い質問
クライアントの経験をより深く探索することになるので、その部分は良い質問ですね。
YouTube解説の英語は"This would definitely be an option, because it invites clients to share their experience more in the moment."
他の良い質問は3ですが、比較すると、コンピテンシー7と合致している3の方が良いですね。


2.       過去に非常に困難な目標を達成しており、この大きな目標も達成できることをクライアントに思い出させる。
【解説】悪い質問
・思い出させる (Remind)することは、ゴールに向かっての行動変容にならない。
・これはコンピテンシー7の気付きを引き起こしていない。
・Collaboration(共同作業)になっていない。
・Super ethical (倫理的、道徳的)になっていない。
・コーチとしての振舞いになっていない
・Transparent (透明性)がない
これは一番悪い質問です。


3.       クライアントに、マラソンを走っていて完走できないと感じたことがあったかどうか尋ねます。クライアントに、レース中にその課題にどのように対処したかを共有してもらいます。
【解説】良い質問
YouTube解説の英語はThere is about a reframing by identifying factors, patterns and invites to generate ideas how we can move forward. This is in line with the description of basic skills.
・コンピテンシー7の1番、クライアントの経験を考慮しています。
・サンプル問題に「クライアントはランニングの比喩をよく使用する」と記載があり、執筆をマラソンに例えることができています。新たな視点や枠組みで再解釈 するというリフレーミングができていると言えます。
・コンピテンシー7の気付きを引き起こすと合致している。
これが一番良い質問になります。


4.       クライアントが本の残りの章の執筆を進めるための戦略を特定できるようサポートします。
【解説】悪い質問
クライアントの経験を無視している。

5.追加解説

難しく考えずに、もっと自然に考えてみましょう。

長年の夢である執筆を頑張っているのに、壁にぶつかり、落胆。
このままでは予定通りに本を完成させることができず、心配になっている。

あなたが、そんなクライアントだったら、どんな質問をして欲しいと思いますか?

1.       クライアントに、本の執筆を完成することができないのではないかという不安を探ってみたいかどうか尋ねる。
【追加解説】良い質問
不安になっている感情の時に、この行動は更に不安をあおられる、増幅される可能性があるので、何か嫌ですよね。
感情が安定していれば、不安の原因を深堀することで、原因を取り除くできる時もありますが、不安になっている時にはベストな質問ではないですね。



2.       過去に非常に困難な目標を達成しており、この大きな目標も達成できることをクライアントに思い出させる。
【追加解説】悪い質問
Remind、思い出せという命令形に感じます。
コーチングじゃないですよね。
そもそもコアコンピテンシー7の「気づきを引き起こす」ことができていません。
一番悪い質問ですね。


3.       クライアントに、マラソンを走っていて完走できないと感じたことがあったかどうか尋ねてください。クライアントに、レース中にその課題にどのように対処したかを共有してもらいます。
【追加解説】良い質問
執筆の不安に対して、大好きなマラソンを比喩として、過去から振返ることができるので、視点も変わり、いいですね。
やっぱり一番良い質問です。


4.      クライアントが本の残りの章の執筆を進めるための戦略を特定できるようサポートします。
【追加解説】悪い質問
不安な感情になっている時に、戦略もクソもない。
心に多少、余裕がないと戦略なんて考えることができません。
ただし選択肢の2と比較して、この行動は感情が良ければ、ありだと思うので、2の方が一番悪い質問ですね。
2はどんな状態であっても、良い行動にはなりません。

皆さん、どうでしたか?
次回は、サンプル問題8の解説を行いますね。

参考になったと思われた方は、「いいね!」と「フォロー」をよろしくお願いします。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!