【市長インタビュー】三好市を「幸福度の高いまち」にしたい -三好市長
こんにちは!三好市商工政策課です。
熱い想いを持つ職員にインタビューをしているこのシリーズ、今回は高井市長に直接お話を伺いました!インタビューを通して、三好市の取り組みや魅力を感じていただければと思います。
ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
自分の手で三好市をより良いまちにしたい
ー高井市長はどういった経緯で市長になられたんですか?
私は28歳の時まで、東京で普通の会社員として働いていました。しかし、その先の人生を考える中で、「もっと生きやすい社会になれば」と強く思うようになりました。その思いから政治の世界に興味を持ち、政治の世界に知り合いがいて、その方の勧めもあって政治の道へ進むことを決意しました。
約25年間の政界での様々な経験を通じて最終的にたどり着いたのは、自分が生まれ育った三好市でした。「自分が生まれ育った三好市を、自分の手でより良い場所にしたい」という強い思いが芽生えたのです。
地元の方々から打診をいただき、じっくりと考えた結果、「自分の経験が地元のために生かせるならば、頑張ってみたい」という思いが強まり、市長になる決意を固めました。そして、2021年7月の市長選挙に当選し、三好市長に就任しました。
現在の三好市としての課題
ー三好市には現在どのような課題があるのでしょうか?
三好市は約721平方キロメートルにわたる広大な地域であり、四国の自治体で最も広い面積を持ちます。しかし、そこに住む人口は約2万2千人と少なく、山や川が全体の9割を占める典型的な山間過疎地です。また、急峻な地形による災害が頻発する環境でもあります。
多くの地方が同じような問題を抱えていますが、三好市が直面している主な課題は次の3つです。
これらの課題を完全に解決するのは難しいかもしれませんが、市民の皆さんが「より長く、より困り事を少なく、より幸せに暮らせるようにすること」を念頭に、対策に取り組んでいます。
その中でも「人口減少」が一番の課題です。三好市に移住してきてくださる方が増えることはうれしいですが、すぐに急増するものではないと考えています。そこでまずは関係人口(地域や地域の人々と多様に関わる人の数)を増やし、三好市をさらに活性化することを目指しています。
日々、これらの課題をどうすれば改善できるかを考え、市の持続可能性を追求しています。まず、既存の資源を最大限に活用し、今あるもので生き残ることを目指しています。日本全体が縮小経済に向かう中、三好市にある資源を集め、限られた資源の中で市民同士が助け合いながら少しずつ前進することが大切だと考えています。
三好市を「幸福度の高いまち」にしたい
ー三好市をどのようなまちにしていきたいとお考えですか?
三好市は「自然が豊かでとても美しい」と市民誰もが口を揃えて言います。このまちの魅力はその"深さ"にあります。人々の心の深さ、自然の深さ、山や川、急峻な谷の深さ。この深さこそが三好市の誇りです。私たちが持っているこの貴重な資源を大切にしながら、必要以上の開発がされずに人と自然が共生し、歴史と文化を守り続けてきたまちとして、これからも発展させていきたいと考えています。
そこで私は、「お天道様とともに生活する三好市」を目指しています。春夏秋冬の季節と共に人間らしい生活ができ、朝は鳥のさえずりで目覚め、夜は美しい星空を楽しむことができる。野菜が足りなければ隣の家から分けてもらえる。そんな温かいコミュニティの中で、住民一人ひとりが幸福を感じられる、「幸福度の高いまちづくり」を進めていきたいと考えています。
この「幸福度が高いまち」というのは、困りごとや心配ごと、苦しみを抱える人が少ないまちを指しています。困っている人に対し、行政として何か解決できることがあれば、全力で助けていきたいと思っています。
苦しみや悩みが全くない人は居ないと思います。人々の苦しみや困りごとを軽減し幸せを感じることができれば、犯罪も減り治安もよくなるのではないかと考えます。こうして社会全体を底上げしていきたいです。
また、行政だけでは困難なことも、民間の方々の知恵を借りることで、解決策が見つかり、前に進むことができると思います。そうやって民間の方々と協力しながら幸福度の高いまちにしていきたいです。
三好市にしかない風景、食
ー高井市長が思う三好市の魅力について教えて下さい。
三好市には、他では決して見られない景色があふれています。特に「大歩危」「祖谷」の絶景は、世界でここにしかないと自負しています。確かに山間過疎地での生活は大変ですが、この地には他では味わえない美しさや独特の魅力があります。例えば、西日本第二の高峰である剣山や暴れ川で知られる四国三郎・吉野川の恵みが、まさに大歩危、祖谷の自然の象徴です。
地元の方々はこの地域の美しい吉野川の眺望を「大歩危グリーン」と呼んでいます!高知県の「仁淀ブルー」とセットで「大歩危グリーン」をもっと広めていきたいと考えています(笑)本当にエメラルドグリーンの川は特別なもので、見る者を圧倒します。
2017年にはラフティングの世界大会、2018年にはウェイクボードの世界大会も開催され、この地域はウォータースポーツの聖地としても注目を集めています。この川の魅力に惹かれて移住してきた方も多く、今も多くの方がウォータースポーツを楽しんでいます。ウォータースポーツの良さは、年代を問わず水と親しむことができる点であり、三好市ならではの体験だと思います。
また、食べ物も魅力的です。祖谷そばやこんにゃく、石豆腐は勿論、ヤツマタは、スーパーフード(雑穀)でして、栄養価も高く、美容と健康に最適の三好でしか味わえない産物です。
三好には、ここにしかないものがたくさんあります。
話し始めると止まらないくらいです(笑)
美しい自然を守り続けるために
ー企業版ふるさと納税における未来の寄附企業へメッセージはありますか?
企業がビジネスを進める中で、社会的な使命を果たすことを大切にしていると思いますが、歴史と伝統を大切にしながら地球と人間を守るというSDGsの理念に強い思いを持つ企業の皆さんに、ぜひ「企業版ふるさと納税」を活用していただきたいと思います。
どの自治体にも課題はありますが、私たちの望みは、この地が未来にわたって残り続けることです。三好市は吉野川の水源を抱える、環境維持の要となる地域です。ここに人が住まなくなると、地域は廃れてしまい、災害や環境汚染が進行し、大地を守ることが難しくなります。三好市という自治体が未来に生き残っていかなければ、この美しい自然も守り続けることはできません。三好市が残ることを望んでいただきたいなと思います。
私たちは未来のために人材育成に取り組んでいます。今年4月から三好の森林を守るため林業アカデミーを立ち上げ、5名の若者が研修生として参加してくれています。また、10月1日からは広域通信制高校も開校し、どこにいても世界トップクラスの情報に触れ、山の中で自分のペースに合わせた教育を受けられる環境を整えています。さらに、デジタル人材育成もまもなくスタートします。市として全力でバックアップしますので、ぜひ皆さんの応援をお願いしたいと思います。
より快適に暮らせる環境を整える
ー任期4年目に突入されましたが、今の意気込みをお聞かせください。
来年の7月で任期は終わりますが、振り返ると、私が市長に就任したのはコロナ禍の真っ只中でした。イベントはすべて中止、学校も休校となり、皆さんも大変だったと思います。私自身、初めてのことが多く、手探り状態で進めてきましたが、その中で国民の皆さんの底力を改めて感じました。
任期中には、三好市のまちづくりの一環として、新庁舎の建設を途中から引き継ぎました。この新庁舎は、来年から使用を開始する予定で、災害本部として機能するほか、デジタル化を進め、市民の皆さんにとって使いやすい利便性の高い市役所として始動します。また、池田町中心部の市有地に、池田高校の寮と市民が多様な交流活動や学びを行える施設も県と市が連携して整備しており、これらを活用しながら、市の賑わいづくりをさらに盛り上げていきたいと考えています。
また、地域の住みやすさを向上させるために、公共交通の再編にも力を入れ、地区ごとに乗り合いタクシーをスタートさせていきます。これにより、市民の皆さんがより快適に暮らせる環境を整えていきたいと考えています。
今取り組んでいる事業を完成させることが、私の任期最終年の重要な目標だと考えています。この4年目も市民の皆さんとともに歩み、三好市をより良いまちにしていくために全力を尽くします。
最後に
今回は高井市長に直接お話を伺いました。この記事をきっかけに少しでも三好市のことを知っていただけると嬉しいです!