40代、美大入学を目指すまで②
大人のアート教室にいく
こんにちは!Miyoriです。
前回の自己紹介で、コロナ禍がきっかけで「アートを創ること」に再び向き合うようになったお話をしました。今回はそこから美大受験を決意するまでの約2年間の道のりについてお話しします(結構長い道のりでした…)。
2020年後半、世間はまだコロナ禍で外出自粛ムード。私もリモートワーク中心の生活をしていましたが、家にこもりきりも息が詰まるので、近所を散歩するのが日課になっていました。
そんなある日、家から徒歩5分のところに『アート教室』を発見!その教室は大人向けのクラスをメインにしており、「ここだ!」と直感が働きました。
すぐに問い合わせ、週1回3時間のクラスに通うことに。デッサンも油絵もほぼ未経験だった私にとって、画材の使い方から学ぶ日々はまさに新鮮そのもの。
‥‥楽しい‥‥!
いやー、めちゃくちゃ楽しかったです。何をしても初めてだし、たとえ思うようにいかなくても作品ができるのが楽しい。先生も各生徒のペースや理解度に合わせてくれて、大変ありがたい。。
結局そのアトリエでは、時々企画される生徒の合同展とか、アート販売のチャリティーイベントなんかにも参加しつつ、デッサン、油絵、アクリル…と制作していきました。
上手くなりたい(葛藤)
ところが、当初の伸びしろたっぷりな1年ほどが過ぎると、新たな壁につきあたりました。
オフィス通勤も復活しつつ、コロナ中の経営も大変忙しく重責ななか、毎週1回が通えない日々がやってきました。
しかも、一通りの画材の使い方が理解できたらそこからは1枚1枚、レベルを上げていきたいものの、週1回3時間も捻出できないと、1枚仕上げるのに2か月も3か月もかかってしまう。。そして上達も遅い…。
うーん。。悔しい。。
好きなだけに、思うように描けないフラストレーション。
自分の理想形もまだぼんやり。
それに、週1回ちゃんと通えたとしても、(あんまやらなかったけど自主練したとしても)、このペースで年に数枚描いたとしても、10年かかっても相当スローな変化しかないかもしれない。
”もっと上手くなりたい…!!!”
ということで、調べました。
・オンラインの美術講座
・美大の通信課程
・本とかYouTubeみながら自主練
ちなみに、美大の通信課程は結構考えました。
ただ、基本は自宅で個人で課題を制作して、たまにスクーリング、となると、どの程度、自分はちゃんとできるだろうか、フィードバックはどれぐらいもらえるんだろうか、と不安がぬぐえず。結局、今の仕事をつづけながらその合間にやろうとしても、全力では取り組めないんだろうな→自分。っていうのが予測できすぎて保留に。
美大予備校がいいらしい
そんな時、偶然読んだのが、映画化もされた人気漫画、『ブルーピリオド』。
※ちなみにめちゃ面白くて一気読み
高2から突然、芸大合格を目指すことにした主人公のストーリーです。
そこで私が知ったのが、
・芸大に限らず美大受験はめちゃくちゃ難易度が高いこと。何浪もしたりする。
・合格のための『美大予備校』で既に激しい(?)競争の中、受験対策が行われている
ということは、
・私はどう考えても実技で美大に行くのは至難の業
・しかも、美大に行った時点でもう「十分にうまく描ける」ようになってるのが普通。
美大では基礎は教えてくれないということか(わりと驚きの発見だった)!
だけど、
・美大入学レベルまでを教えるカリキュラムは、『美大予備校』にはある
それなら、
・美大予備校に通えば一気に画力がアップするのでは!?
という独自の三段論法により、美大予備校に行ってみよう、と思い立ったのです。
美大予備校の壁
ところが。大手の美大予備校に問い合わせたところ、社会人といっても40代ともなると受け入れは難しいらしい。まあ、現役バリバリの上手い子だって大変なのに、合格率の低い層向けにわざわざ門戸を開かないか。。
それでも諦めきれなかった時に、友人に「実はアートを学びたくて、美大予備校を調べてるんだよね」という話をしたら、偶然、知人に大手美大予備校の講師の方がいるとのこと。一度会って話を聞いてみたら、とのことで紹介をしていただきました。
ああ、素晴らしいご縁に感謝。(涙)
勇気だして言ってみてよかった。
そこで紹介していただいたT先生は、都内の某大手予備校の講師で、もはや同年代。ひととおり私のアートに対する想いを語ったところ返ってきたのが、
『うちは基本的に芸大を目指す塾だから、芸大受験するってことなら、受け入れられるよ』
Oh….
でもそれはそうですよね。予備校にとって合格率は一番大事。合格率を下げるのはおろか、そもそも受験の頭数にも入らない人に講師が有限な時間を割くのは勿体なさすぎる。本気で芸大目指してる子に時間をかけるべしだもんね。
ということで、ほんと考えが甘くてすみません、だったのですが、その言葉を反芻しながら、だったら、(さすがに芸大は非現実的すぎるけど)、本気で美大を目指すために予備校に行ってみようかな、という気持ちが芽生えたのでした。
本気でやってる人たちの中で、どこまで自分が伸ばせるか、やってみたい。
数日考えた結果、T先生に
「いきなり今年は無理ですが、来年、再来年の受験も見越して通いたいです」
とお願いしました。
夏期講習に潜入
7月からの夏期講習に間に合ったので、まずは夏期集中講座に行くことにしました。
受け入れていただいた予備校、そしてT先生に本当に感謝です。
2022年7月。
仕事をなんとか詰め詰めにして、6日間の”夏休み”を確保して、いざ、夏期講習へ。
まわりは現役生か浪人生(といっても20歳前後)の、私からしたらめちゃくちゃ若者たち。向こうからしたら、こちらはめちゃくちゃ年上なんだけど、まあ、年齢言うわけじゃないしね(笑)ということで、普段のビジネスファッション&ハイヒールから、カジュアルウェア&スニーカーに変えて臨みました。
というか、固い木の椅子で1日6時間も描くので、楽な恰好じゃないと無理でした。はい。
いつものロンスカなんて履いてたら画材で速攻汚れるわ。
お尻が痛すぎて、初日の帰宅時には100均で低反発クッションを買いましたよ。
木炭デッサンからのスタート。そもそも木炭を扱ったことすらなかったので、プログラムを聞いた1か月前から、もともと通っていたアトリエの先生にお願いして、木炭の使い方を教えてもらい、何とか2枚ほど、石膏像を描いたばかり。
なのにいきなり芸大試験対策の課題(自由描画)に向かっている自分、無茶ぶりが激しいと自分でも思います。
当然、そもそものお題の理解の仕方から描き方までわかってないことばかりなのですが、またここで、
・・・・楽しい・・・!
好奇心だけは相当あるので、新しい画材、テーマの読み解きかた(そういうこと考えるのか―!)、評価が高い作品がどういうものなのか、そして単に没頭して6時間描けるって、なんて幸せなんだ。。
実は文化人類学専攻の出身で、異文化(!)潜入へのワクワク度がたまらない私、もしこれが本気受験じゃないなら、好奇心の赴くままに美大予備校潜入レポとかめちゃ書けそうだわと思いながら(しかし実際は自分の制作で手一杯なうちに)、あっという間の6日間を終えたのでした。
8月にも同様に6日間の集中講座を受講。
この時は、芸大2次試験向け対策ということで後半は3日間かけて1枚描くというもの。
30号サイズの大きな油絵を描いたのもこの時が初めて。
そして、題材の扱いの難しさ、当然とはいえ、自分のスキルのなさに愕然としたのも、この時でした。
これは…もはや1浪2浪覚悟なのか…!?
うっすらと壁の高さを理解しつつ、2022年が終わっていきました(9月からは普通に仕事)。
ということで、次回は受験前夜編です。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
応援してくださる方、次回も早めにアップしますのでぜひこのマガジン(無料)をフォローお願いします♪