勝手にふるえてろ ネタバレあり

久しぶりに小説を読んだ。
初恋の人、イチへの思いにしがみついた主人公の行動に、自分の身にも覚えがあってその行動が刺さるなあと思いながら読み進める。
恋愛下手で妄想癖のある人間にとっての青春時代の淡い恋愛は世間一般のものと異なるのだ。

私にも学生時代にずっと好きだったけど会話したのは3回くらい?って人がいて、青春時代に好きだった人ってアラサーの今になってもたまに夢に出たりする。
視野見。わかる。私もしてたから。
何してるかな、元気かななんてことは思うけど、かなり強引に同窓会を開くヨシカの行動には心底びっくり。
彼女の行動に勇気を貰う感覚もあり、いやいや、上手くいかんよ、やめときな、ほらね、って感覚にもなりながら多方面で感情移入しながらむず痒くなった。

二じゃなくてイチがいい感覚もわかる。自分から好きになった人って特別だし、ましてや長年の片思いをしている自分にも酔える。そんな積年の思いをやすやす捨てたいわけが無い。
人気者だったイチのヨシカだけが見つけた魅力、怯えがセクシーなところ。これもまた酔えるポイントだったと思う。その思いの見返りが、名前なんだっけ?はキツい。積もった思いさえなければ、イチサイドから見たらおかしくない会話なのだけれど。そりゃあ、叫びたくなる、勝手にふるえてろって。

初恋の人と結ばれたら夢がある。自分のイチ的存在をずっと頭にうかべて読んでいたので、ラストは少し、いやかなり、胸がいたんだ。でもその痛みごと包んでくれそうな?二が現れたのもまた夢がある。
『 うまくやる』
ぜひその先の夢をまた見せて欲しい。

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