晴れ女伝説・序章
本日の天気予報は「降水確率90パーセント」であった。
今にも泣き出しそうな空のもと、昼前に家を出る。
遊びに出かけたイベントの終了時までは、なんとか天気が持ちこたえていた。
ラポルテ五泉の芝生広場で元気よく遊ぶ子どもたち。
イベントも盛況の模様。
90パーセントの降水確率をも捩じ伏せる。
さすがは「北半球ナンバーワン晴れ女」の異名を持つ、我であることよ。
「皆の者、存分に楽しみたまえ」と、目を細めるのであった。
帰りの車に乗った途端、大粒の雨がザッと降り始めた。
しかし、次の目的地である神社に着くと
雨は次第に小降りになり、そして止み、参拝と写真撮影を存分に楽しむ。
神の宿る聖地にて、またしても、かの力を発揮してしまった。
もはや自分自身が恐ろしくすらある。
再び車に乗り込み帰路に着く。またポツポツと降り始める。
道中、飲み物を買うために
県道沿いのファミリーマートへ。
広めの駐車場から、傘をさして店内へ。
コンビニに立ち寄る位であれば
わざわざ雨を止ませるほどのことはなく、かの力を温存するのであった。
買い物を済ませ、カーステレオから流れるお気に入りの曲を口ずさみながら
無事に帰宅。
そして今。
傘がない。
行かなくちゃ、あのお店に行かなくちゃ
花のまちに行かなくちゃ
我が家からその店舗までは
片道50km超。
無理な相談である。
晴れ女ゆえ、雨具とは縁遠いのだろうか。
これまでの人生、どれほど多くの傘たちとの
望まぬ別れがあったことか。
それでは皆の者、聞いてくれたまえ。
帰路に着く我が、たいそう気分よく口ずさんでいた曲である。
柳ジョージ&レイニーウッドで
『雨に泣いてる…』
~[完]~
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