クイズキャンペーンの謎

今日、電車に乗っていたらある広告が目に入った。

「enjoy,Girl!」とデカデカと書かれた広告の隅っこに、「クイズに答えて最大○○円お得!」というような文言が書いてあり、そこには「○○○○○,Girl!」の○に当てはまる文字を答えてくださいという問題が出題されていた。

この手のクイズキャンペーンは珍しいことではない。昔、日清食品が、「○○○ヌードル」の○に当てはまる文字は?というクイズを出題していて目を疑ったのもよく覚えているし、子供向けのお菓子やなんかでは定番のクイズだ。いつもは何とも思わないのだけれども、今日はなんだか気になって仕方がなかった。

そもそも、この手のクイズで不正解する人の割合はどの程度いるのだろうか?というか不正解する人なんているのか?日本語が理解できない外国人や乳幼児ならわかるが、日本語が理解できなければそのキャンペーンの存在を知ることさえできないわけで、そうなってくると「書き間違え」ぐらいしか不正解の解答をする要素がない。そしてそんな正答率の高いクイズに一体何の意味があるというのか?私には理解できない。

そして一番気になるのは、どんな流れでこういったキャンペーンをすることになったかだ。こうして広告として世の中に出回っているということは、だれかが「クイズキャンペーンやりましょうよ」と言い出しているはずだ。割引キャンペーンをしたいけれど、誰でもかれでも安くしていたらありがたみもないし、そもそもの値段設定を疑われるから、少しハードルをあげてクイズ形式にする、というその考え自体は理解できる。しかし、この手のクイズは本当に無意味ではないか。どう考えても「ただ手間をとらせる」という目的しか果たせていない。だったらクイズにしないで、「申し込みをした人だけ」とか「会員登録した人だけ」とか、やり方はいろいろあるはずだ。

おそらく、企業が手に入れたいのは「クイズを通して手に入れられる顧客の情報」なんだろうが、この手のクイズは日本企業にはびこる「惰性」の精神にほかならないと思う。使い回しというか、どこぞの企業が一番最初にはじめたのかはわからないけれど、企画会議かなんかでは「あーじゃあとりあえずあの誰でも正解するクイズ形式にでもしときますか」「そうですね、他に目新しい案もないですし、定番でいきましょう」みたいなやりとりがなされているはずだ。

やる気が感じられない。

仮にも広告やらPRやらのクリエイティブな仕事をしているのであれば、もっと巧妙で、もっと楽しくて、もっとラディカルな手法を考えだして欲しい。100歩譲って形式的なフォーマットでやりたいのであっても、こんなクソ無意味な手法だけは選ばないで欲しい。なぜなら企画会議のやる気のなさが広告からひしひしと伝わってくるから。「ああいいかげんな気持ちでキャンペーンしてるんだな」という気にさえなってくる。

にしてもこのバカみたいなキャンペーン、応募する人がどの程度いるのか、かなり気になるところである。

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