君は渡邊峻郁を知っているか(柄本弾も)

娘が割とマジな感じでバレエを始めて早6年。それ以来、毎月必ずバレエを観に行き、家では常にYouTubeでバレエ関連の動画が流れ、車ではバレエ音楽以外を再生することは許されない生活を続けた結果、私もものすごいバレエファンになってしまった。というか、こんな素晴らしい文化に出会わせてくれてありがとう娘!!!

中学時代にジャニーズ(今はなき)にハマることもなく、好きな俳優は椎名桔平一択だった私が、人生40年目にして「踊る男」に魅了されたのだ。(もちろん、踊る女にも魅了されまくってるが)

バレエの素晴らしいところは、全部で三つあってだな、ひとつは音楽が美しいこと。40代になると、もう静かでエレガントな音楽しか受け付けなくなる。わけではないが、感受性が死んだ私の心をハッとさせる。

ふたつめは、セリフがないこと。はじめ、セリフがなくて踊りだけで理解しろなんて無理ゲー(←これこそ若者言葉を使いこなそうとするなんて無理ゲー)、と思っていたが、セリフがないからこそ、何度見ても新しい感覚で見られる。そして、セリフがないから、音楽がそのまま物語性をもって心に残る。バレエ音楽は、それを聴くだけで物語を感じる。
実際、去年諸事情により「くるみ割り人形」を9回ぐらい観たのだけれど、もうくるみの音楽を聴くだけで頭の中でバレエダンサーが踊り、物語が進む。

そして三つ目は、バレエダンサーの身体能力と表現力。
バレエダンサーの動きは、時に優雅で時にダイナミックで、こんな風に自由自在に体を扱えたら、どんなに気持ちがいいだろう・・・と思わずにいられない。でも、もう私の首は20度ぐらいしか回らないし、開脚も30度ぐらいしかできないので、代わりに体を動かしてもらってる感じ・・・?
中学生の時、劇団四季のライオンキングを観て、パッション溢れるダンスに感動したけれど、バレエって、ミュージカルなんか比じゃないぐらい(もちろん、アイドル歌手のダンスなんか全然比じゃない)身体能力を求められる。むしろその身体能力こそ芸術!って感じがする。
それに、身体表現だけで感情を表現できんのかい、と思っていたけれど、言葉を使わずに感情を表現されると、感情の塊を体全部使ってどーんとぶちかまされている感じがして、素晴らしい小説のワンフレーズや、言葉で書かれた物語を読んだ時よりもダイレクトに感情が伝わってくる。

東京バレエ団のロミオとジュリエットを観たとき、「やばい!ロミオ死んじゃった!」ってところのジュリエットの悲哀が完全に劇場全体に充満していて、ボロボロ泣きながら観てた。(ちなみにジュリエット役の沖香菜子さんはカーテンコールの間もまだ「ロミオ死んじゃった」モードでボロ泣きしてた)
楽しさや喜びも、身体全体から「楽しさビーム」でも出てんじゃないかって感じがするし、恐るべし身体表現力。

こんな素晴らしい文化にドップリつかっている娘がうらやましいし、踊れる娘もうらやましい。

タイトルの渡邊峻郁について何も触れていなかったけれど、要するに渡邊峻郁はバレエダンサーです(柄本弾も)。
渡邊峻郁(わたなべたかふみ)は、新国立劇場バレエ団のプリンシパルで、娘が「一番優雅できれいな踊りをする」と評していたのでチェックしてみたら、まんまとハマりました。歌舞伎俳優みたいなアー写なのに、インタビューやら舞台裏の写真はお茶目で実直な感じ。そして踊りが超誠実そう(なんだそれ)!!色んなことを大切に、丁寧に、という姿勢が踊りに表れまくっていて、見ていて心が洗われる。どんな役でも踊りこなしていて、本当にずっと見ていたくなるような踊りを踊ります。カッコつけてない感じもまたよい。
こんな素晴らしい踊りを見られるんなら、高いチケットもいくらでも買うよね!ってもんです。新国立のチケットは、割と売れてると思うけど、こういうバレエダンサーが増えて、バレエダンサーにハマるおばさん(もちろんおねえちゃんも)が増えて、もっとバレエを観ることがポピュラーになればいいな、と布教活動を始めることにしました。
怪しいな、と思ったら、まずはYouTubeで渡邊峻郁と検索!

ちなみに、柄本弾は東京バレエ団のダンサーで、こっちは顔がめちゃくちゃイケメンです。写真は、著作権に引っかかりたくないので載せません。


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