世界は広い、私の青春は終わった。そして世代は続いていく。

私の青春は音楽とともにあった。というか、大半の人の青春は音楽とともにあるんだと思う。好き嫌いは別として、「時代を映す」音楽というものは確実に存在する。団塊のビートルズしかり、バブル世代の明菜ちゃんしかり。私は小室ファミリー全盛期世代。花の1983年生まれ。(ちなみに私は小室哲哉より伊秩弘将派。)

特に高校〜20代半ばぐらいまで、自分でもびっくりするぐらい音楽に対する好奇心や探究心が凄まじく、あらゆるジャンルの音楽を聴き、音楽情報は舐めるように目を通し、ライブに行きまくり、とにかく音楽にどっぷり浸かっていた。

高校時代はローリンヒルブームから始まってR&Bやソウル、ラップミュージックにハマった。The Sugarhill GangとかSly the familystoneとか、2pac、Monday満ちる、K. 、ワイヨリカなんかが大好きだった。大学時代はロックに目覚め、radioheadのトムヨークが理想の男性だった。(その後、TRAVISのフランハーレーに気が移った)BenFoldsやNeworder、Mobyにroyksopp、もちろんJack JonsonやThe Beachboysも聴いた。

たくさん聴いた。色んな音楽を知るのが楽しかった。自分しか知らない音楽を見つけると、そこがまるで秘密基地のように思えた。実際、そういう「自分だけの世界」は「同年代の他者」からの事実上のシェルターだった。そういうもので自分のアイデンティティーを保っていたし、音楽を通していろんな世代の人と話ができた。

だけど、20代の半ばに青春時代のピークが終わり、「自分」というものが確立できると、同時に「自分の好きな音楽」も定まってしまい、新しいものに手を出さなくなった。というか、仕事やらなんやら忙しくなって、そんな暇はなくなった。私の中のロックスターはいまだにトムヨークであり、ベンフォールズであり、伝説はブライアンウィルソンにあり、ナットキングコールはオシャレな大人の音楽の代名詞だ。

だけど時代は変わったらしい。どうやら私の時代は「ひとつ前」になったらしい。時代の主役を譲る時がきたみたいだ。なぜかといえば、今の高校生が誰一人としてトムヨークを知らないからだ。高校1年から3年まで、受け持っているクラスだけだけれど、レディオヘッドを知っている人は皆無だった。私の世代だったら、音楽が好きじゃなくてもレディオヘッドぐらいは知っているはずだ。万が一、音楽ファンでなければ知らなくても当然だったとしても、ミレニアムベビーたちのひとりぐらい知っていてくれてもいいじゃん!と思ってしまった。

最近はOne Directionとやら(スペルあってるのか?)が大人気です。私は、「ああ、バックストリートボーイズみたいなやつでしょ」と思っているけれど実際に聴いたことはない。新しい音楽を聴いてみたい気もするけれど、音楽だけが私の青春時代を鮮やかによみがえらせてくれるものであり、まだそのタイムマシンを手放す気にはなれないからだ。

ああなつかしい。私の思春期。






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