パルマ劇場歌手への道(14)~当日~
※この文章は2006年10月にブログ記事にしたものを編集し直したものです。100円と表記されるかもしれませんが、無料ですべて読める「投げ銭スタイル」ですので、お気軽にご覧ください。
11月2日午前8時起床。
計画としては、本日様子見、明日実践。
実際オーディションがどこで何時から始まるか分かっていなかったので、
それだけでも探れれば、というつもりで午前中に家を出ました。
しかし、会場の名前だけは分かっていました。
「Corale G.Verdi」
いかにもパルマにありそうな名称です。
【独り言:そこがパルマの音楽家にとって非常に重要な場所と知ったのはそれから随分あとのことです。】
そして、その名称をたよりに、日本人の先輩に電話で場所を聞くと、
すんなり発見しました。
といっても既にそれは正午。
(電話で聞くまでにかなり探しまわりました・・・)
しかし、肝心の入り口が分かりません。
中から音楽が聞こえてはくるのですが、
それらしき扉は全て鍵がかけられ、まったく入れそうなところはありません。
どうしたものかとうろうろしていますと、
近所の住民より声をかけられました。
「どうかしましたか?」
「今日ここで劇場のオーディションがあると聞いたのですが・・・」
「うーん、ないんじゃない?あるならもっと人がいるでしょう。」
そこまで言われて、さらにうろうろする訳には行きません。
警察に通報されても困ります。
いったん、学校のイタリア語の授業に行くことにしました。
そこで友人などから新たな情報を得られるかもしれませんしね。
と思ったらその授業はなんと休講(´Д`)
しかし、そこには私と同じ様に休講を知らずにやってきた日本人の先輩が。
一通りオーディションを受けることになった旨を伝え、早速質問しました。
「Corale Verdiの入り口ってどこにあるんですか?」
「あれはねぇ、隣にバールがあるでしょ?そこの中から入るのよ。」
(バール:コーヒースタンドのこと)
なんと!
そこまでは考えが及びませんでした。
が、最初からバールの店員に聞けば良かったんですね・・・。
やはり、イタリアでは積極的に人に尋ねることが重要です。
(危ない人[スリなど]もたくさんいますので、実行される際には気をつけてください)
さて、1時30分に再び会場の前に戻ってきました。
突然の押し掛けですから、かなり緊張しています。
しかし、戸惑っている場合ではありません。
ゴクリと唾を飲み込むと、意を決してバールに入りました。
「すみません、今日・・・」
つづく・・・
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