パルマ劇場歌手への道(6)~学生用滞在許可証~
※この文章は2006年10月にブログ記事にしたものを編集し直したものです。100円と表記されるかもしれませんが、無料ですべて読める「投げ銭スタイル」ですので、お気軽にご覧ください。
「学生用滞在許可証」
多くの日本人がイタリアを訪れるときにお世話になるものです。
「多くの」と書いたのは、これとは別に、
「労働用滞在許可証」
そして、
「観光用滞在許可証」
というものがあるからです。
(細かくいえば家族用の滞在許可証などもあります。)
イタリアを訪れた外国人は、必ずこれらのどれかを手に入れなければなりません。
しかし、イタリアに観光で来たことがある方は、
「私は滞在許可証など申請したことがない」
とおっしゃることでしょう。
詳しくは分からないのですが、
どうやら、これはホテルが代わりに手続きをしてくれるのだそうです。
なので、友人宅などに泊まる際には申請が必要なのです。
では、学生用滞在許可証を手に入れるにはどうしたらいいのでしょう。
これは、週40時間以上授業がある学校の入学許可証とともに様々な書類を携え、
まずは日本のイタリア大使館(あるいは領事館)に行ってヴィザを発行してもらい、
(詳しくは書きませんが、これだけでかなりの苦労です)
そして、今度はそのヴィザと、また様々な書類を携えてイタリアの警察署に行き、
やっとはじめて発行されるものなのです。
【独り言:今は少し様相が変わりました。例えば、書類の提出は郵便局で行います。】
受付時間も非常に短いですし、書類も審査が厳しく、
昨年初めてこれを手に入れるために、私は警察署を5回以上訪れました。
そして、滞在許可証を得ることの困難さを如実に表してるのが、
「週40時間以上の授業」
の箇所です。
普通に考えて週40時間以上も授業をしてくれる語学学校はまれです。
どうやら40時間に多少届かなくても大目にみてくれるようですが、
いずれにしろ、それだけの授業を受けるということは、
多額の授業料を納めなければならないのです。
つまり、滞在許可証取得の決め手は、言ってしまえばお金なのです。
【独り言:2006年当時の考えです。今もあまり変わらないかもしれませんが…(苦笑)】
しかし、それに対し、私が通っている国立音楽院、
ここは授業が週40時間などとんでもない、
去年は週6時間しかありませんでしたが、
国立で、何年にも渡って授業を受けることが約束されている、
音楽院のような学校に通っていれば、
授業時間に関わらず、学生用滞在許可証が下りるのです。
ですから、今後、イタリアに音楽留学を考えてる方は、
語学学校に通いながらプライベートで先生につくよりも、
国立音楽院に入学することをお薦めします。
なんたって、授業料は日本の10分の1くらいですから。
【独り言:当時に比べて今は随分高くなりました。それでも日本の国立の音大と比べても安いものですが。】
さて、話が多少それましたが、
このようにして苦労して手に入れた滞在許可証があっても、
それはあくまで学生用、労働には制限があります。
勉学をするために滞在しているのですから、
決して労働を中心の生活にしてはいけないのです。
しかし、それでも働かなければならない学生もいますから、
そんな人のためでしょうか、
いちおう、学生用でも週に20時間までなら労働が認められてはいるのです。
では、週20時間以上働こうとしたら、どうしたらいいのでしょう。
そうです、「労働用滞在許可証」が必要になるのです。
しかし、これがまたスゴいんです・・・
つづく・・・
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