2023年宮崎県議会選挙結果。与党が勝ったというより、地方におけるまともな対立軸を示さない野党が負けたという感じかな。

宮崎県議会選挙の結果が出ました。

公認者の数としては、自民党、立憲民主党が議席数を維持し、公明党が1議席を増やしました。一方で、共産党が都城で1議席減らし、国民が議席を失うという結果になりました。

無所属で当選した方の中には、衆議院選挙や市長選挙に出馬するために辞職した方などもいますから、自民党も実質議席を増やした、という感じで捉えても良いのでしょう。結果としては「与党が勝った」と言っていいでしょう。

個人的に残念なのは、都城で公明党がはじめて議席を獲得(しかもトップ当選)して、勢力を伸ばしたことです。この選挙結果で、県内での公明党のプレゼンスが上がってしまうことによって、これまで以上に零細企業や年金受給者など財政効果の低い母集団へのばらまきが主張されて、田舎のシルバー民主主義が加速しそうです。

どちらも大嫌いな政党ではあるものの、公明党が議席を増やすぐらいなら共産党が勢力を維持したほうがましだな、と個人的には考えていますが、昨年の県知事選挙での候補者擁立を見送ってまで統一地方選挙に準備するとしてきた共産党が負けたとなると、次の選挙ではさらに高齢化や資金の枯渇などでさらに厳しい戦いとなり、宮崎も共産空白区になるかもしれません。

県知事の外出隠しの件では、ある程度厳しいことを言っていたのは党としては共産党だけだったので、その意味でも、なにか問題が起こったときに忖度しない政党がいたほうが良いとも思いますが、イデオロギーに難がありすぎますか。

一番驚いたこととしては、延岡市の選挙区で国民民主が負け、宮崎県議会に国民民主の県議会議員がいなくなったことです。旭化成城下町の延岡で、新人とは言え一人しか出していない公認候補が、旭化成労組などからも支援があったであろうにも関わらず唯一落選したと言うのは惨敗と言ってもいいかもしれません。

個人的には 連合がこれまで宮崎の労働者のために何をしてきたのかがさっぱりわからない という記事を書いたこともありますし、連合宮崎も支持はしていませんが、それでも負けるとしたら立憲のほうだろうと思っていましたので、そのあたりは意外ではありました。

でも、旭化成まで延岡からいなくなったら、どうすんの延岡? 宮崎から全く大企業がなくなる事態なんですが。

その他、激戦と言われた宮崎市選挙区では、国民民主、参政党、維新の会が議席獲得を目指し候補者を擁立したものの、既存勢力の批判票を食い合った形となったためか、全て議席が獲得できませんでした。参政党、維新のどちらかでも立候補を見送っていたら、国民民主が宮崎市で議席が取れたのではないかと思います。

若い人が立候補しすぎると、かえって既存団体の老人しか当選しなくなるのでは、と危惧する という記事を2月ごろに書いたのですが、投票率が低調に推移している現状では、当選ラインを7500票と据えて確実にそのくらいの数を割り振れる公明党や、既存政党がきっちり現状維持以上となってしまう結果になってしまいます。

次回の選挙でまた投票率が下がりそうなら宮崎市で公明党が3人出してきて5000票くらいを分け合うかもしれませんね。

今回の「与党の勝ち」という結果は、個人的にはあまり歓迎したくない選挙結果ではありますが、これが宮崎県の現状の選挙制度の中での民意ということですね。


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