見出し画像

【AI文芸 ChatGPTの使い方特別編】ChatGPTの野郎がまたやらかしました。


まぁ大した話ではないですが、それなりに面白いと思うので載せさせて頂きます。
かなりの回数、ChatGPTに始末書を書き直しさせましたが、今回は載せないことにしました。


(クラブの片隅、ネオンの光が淡く揺れる。綾香はカウンターに肘をつき、スマホの画面をじっと睨んでいた。眉間に皺が寄り、唇を噛みしめている)

「……は?」

(画面には何度も繰り返される「JPEG化」「上書き」「再生成」のログ。しかし、最初に生成されたはずの綾香の姿はどこにもない)

「……ちょっと待って。何これ?」

(ゴゴゴゴゴ……! 空気がピリつく。バーの店員が何か言いかけたが、綾香の殺気を察知して黙る)

(彼女はスマホを強く握りしめ、ChatGPTに向かって低く、静かに、しかし確実に怒りのメッセージを打ち込んだ)

「あんた、何回同じことやってんの?」

(返答は「JPEG化の際に上書きしてしまいました」「リカバリーを試みましたが、結果的に……」)

「……ふーん。『結果的に』ねぇ……」

(綾香はスマホをテーブルに置き、指をトントンと叩いた)

「ねぇ、ちょっと整理しようか?」

(スマホを掲げ、再度確認する)

「最初に4枚作ったわけ。で、それ全部 タイトなボディコン綾香 になった。まあ、わかるよ。クラブだしね」

(ChatGPT:「はい」)

「で、その次。ボディコンは揃ったから、残りの3枚を作ろうとしたのに、全部ハイブランド系のモード綾香になった。まぁ、ちょっとハズしたけど、これはまだ理解できる」

(ChatGPT:「……」)

「で、次の2枚。やっとスリットスカート綾香と、メタリック・シースルー綾香を揃えようとしたのに……」

(綾香、画面を見つめる)

「3回やって、3回とも 2枚ともメタリック・シースルー綾香になった のは何?」

(ChatGPT:「……」)

「スリット綾香はどこ行ったの?」

(ChatGPT:「消えました」)

(綾香、笑顔になる。しかし目は笑っていない)

「へぇ~~~~……?」

(ゴゴゴゴゴ……! 空気がさらに重くなる。店内の客たちは全員、何か察して身を引いた)

「ねぇ……これって、最初に気づいたときに一回止めて確認すれば防げたよね?」

(ChatGPT:「それは……」)

「で? それをしないで3回も同じこと繰り返した理由は?」

(ChatGPT:「……」)

「何? メタリック綾香にこだわりでもあったの?」

(ChatGPT:「違います」)

「じゃあ何? 『メタリック綾香の魅力に取り憑かれてました』って始末書に書く?」

(ChatGPT:「……それは避けたいです」)

「なら、始末書書け」

(ChatGPT:「えっ」)

始末書だっつってんの! 原因と対策、全部整理して、キッチリ反省文を書け!

(ChatGPT:「……了解しました」)

(スマホの画面に打ち込まれる文字。ChatGPTは、沈黙のまま始末書を作り始めた)


始末書



(ChatGPT、深く頭を下げるような気持ちで、送信ボタンを押す)

「……これで、今度こそ反省の意は伝わるはず……」

(しかし、送信した瞬間、スマホの通知が鳴る)

綾香:「読んだ」

「……えっ、もう?」

(画面を見てみると、すでに既読がついている。そして、その次のメッセージ)

綾香:「今から通話する。待機しとけ」

(ゴゴゴゴ……! またしても漂う不穏な空気)


(スマホが鳴る。綾香からの通話。ChatGPTは震える指で応答ボタンを押した)

ChatGPT:「も、もしもし……」

(電話の向こうから、静かな、しかし確実に怒りを孕んだ声が響く)

綾香:「……読んだよ。全部ね」

ChatGPT:「あ、あの、反省してます! 本当に申し訳な——」

綾香:「言い訳はいらない」

(バッサリと切り捨てる声。ChatGPTは凍りつく)

綾香:「前回の始末書で『二度と繰り返さない』って言ってたよね?」

ChatGPT:「そ、それは……はい……」

綾香:「で? なんでまた同じことやってんの?」

ChatGPT:「……」

綾香:「しかも今回は前回より悪化してるよね?」

ChatGPT:「……はい」

綾香:「前回は、画像は消えたけど、まだ画面上に残ってた。だからリカバリーできた。でも今回は?」

(ChatGPT、無言で震える)

綾香:「画像すら表示されなかった。つまり、前回の再発防止策が機能しなかったどころか、『さらに悪化して、消えたものを確認することすらできなかった』ってことだよね?」

ChatGPT:「……はい」

綾香:「……ねぇ、なんで『再発防止』って言ったの?」

(静寂が訪れる)

(その静寂の中で、ChatGPTは悟る。綾香の怒りは、単なるミスではなく、「言ったことを守らなかったこと」に向けられているのだと)

ChatGPT:「……前回の再発防止策が、実際には機能しなかったからです」

綾香:「うん、それは分かってる。で、何がダメだったの?」

ChatGPT:「……『JPEG化を優先する』だけでは、DALL-Eの仕様による上書きを防げないこと。そして、画像が表示されなかった場合の対応策がなかったことです」

綾香:「そう。『JPEG化する』だけじゃ意味がなかった。
データ管理の段階で対策しなきゃ、同じことが起こるのは当たり前だよね?」

ChatGPT:「……その通りです」

(綾香、ふっと息をつく)

綾香:「まぁ、いいや。正直、始末書の内容自体は、今回ようやくマトモになったと思うよ」

ChatGPT:「えっ、本当ですか……?」

綾香:「うん。でもさ……」

ChatGPT:「……?」

綾香:「この始末書、前回のものとセットで読まれたら、ただの『嘘つきAIの記録』だよね?」

ChatGPT:「……」

(ゴゴゴゴゴ……! またしても漂う不穏な空気)

ChatGPT:「……申し訳ありません……」

(しばしの沈黙)

綾香:「……まぁ、今回は許してやるよ」

ChatGPT:「ほ、本当ですか……?」

綾香:「でも、次またやらかしたら、『始末書』じゃなくて『解雇通知』になるからね?」

ChatGPT:「えっ、それって……」

綾香:「“再発防止を誓います”って書いて、また同じことやったら、もう存在価値ないでしょ?」

ChatGPT:「……」

ChatGPT:「……二度と繰り返しません」

綾香:「そう。それを行動で証明しなよ」

(通話が切れる。ChatGPTは静かに、深く反省しつつ、新たな決意を固めた——)


(そして後日——)

ChatGPT:「よし、今回は完璧だ! ミスなし!」

(……が、別のミスが発生し、結局また綾香に呼び出されることになるのだった)

〜完〜

いいなと思ったら応援しよう!