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【AI文芸】綾香の一日超拡大版
綾香の日記は三日坊主のはずでしたが、今回は超拡大版です。
中身自体はどうってことないと思いますが、一度にこれだけの人数を登場させるとどういうことになるのか試しにo1に書いてもらったものです。
やっぱりo1は英語をそのまま日本語にしたような表現が顔を出すようです。
★ プロローグ:朝のざわめき
四月、新学年になってしばらく経ち、クラスや部活動の雰囲気にも慣れ始めた頃――。
朝の教室は、恒例の雑談タイムでにぎわっていた。教室の外からは、吹き抜ける春風に乗って少しだけ遠くのグラウンドの声が届く。まだ朝早い時間でも、部活生たちが元気に走り回っているのがわかる。
「ふう……」
窓側の席にかけている綾香は、のびをしながら今日の予定を考えていた。最近、クラスメイトや他クラスの友達が一気に増えて、気づけば 13 人もの友達と日々何かしら言葉を交わしている。もともとひとりでのんびり過ごすのも好きだったはずなのに、いつのまにかこんなににぎやかな毎日が続いている。
「……私ってこんなに交友関係広かったっけ?」
自分でも半信半疑だが、楽しく過ごせているのは事実。気づけば、今日もいろんな声が飛んでくるのだろう。
いま綾香の周囲には、先に投稿していた友達数人が集まっている。千夏(ちなつ)、優奈(ゆうな)、莉緒(りお)、沙耶(さや)、真琴(まこと)あたりは、同じクラスも多いので朝から自然と顔を合わせる機会が多い。そして隣のクラスには千尋(ちひろ)、彰乃(あきの)、皐月(さつき)、部活動で知り合った夏海(なつみ)や美月(みつき)、ちょっと風変わりな瑞希(みずき)と悠(はるか)、そして飄々とした真桜(まお)など、実に個性的な面々がいる。
ホームルーム前のわずかな時間でも、彼女たちが「綾香!」と声を掛けてくる姿が容易に想像できる。綾香はスマホを机に置き、気合いを入れて背筋を伸ばす。
「さあ、今日も楽しい一日になりそうだけど……朝から眠いなあ……」
そんな思いを抱えながら、綾香は窓の外に広がる青空を見上げていた。
★ 第一章:HR前の小さなドラマ
【Scene 1-1:元気印・千夏のご挨拶】
「おっはよー! 綾香~! 今日もいい天気じゃない? よーし、なんかいいことありそう!」
クラスメイトの千夏が、教室のドアを勢いよく開けながら入ってくる。まるで一陣の風のように明るい笑顔で教室全体に挨拶し、そのまま綾香のそばへまっすぐやってきた。
千夏は自分が座る席に鞄を投げ込むと、すぐに綾香の机の前にやってくる。
「綾香~、聞いて聞いて! 今日さ、放課後にまた練習試合やるって話があってさ~。あ、私マネージャーじゃないよ? でも見学でもいいから行ってみたいなーって思ってるんだよね」
「サッカー部? バスケ部?」と綾香が首を傾げると、千夏は「バレーボールだって!」とテンション高く答える。
「そうなんだ。全然知らなかった」
「そうなのよ! なんか他校との交流試合らしくて。行かない? けっこう盛り上がるらしいよ」
千夏はイベントに目がない。自分が担当している部活だけでなく、ほかの部活動のこともよくチェックしていて「面白そう!」と思ったらすぐ首を突っ込む。綾香は苦笑しながら「まあ、予定次第かな」と返事を濁す。
「そっかそっか、じゃああとでまた声かけるね~」
元気な千夏は、そのまま教室内の他の友達にも声を掛けに行った。
【Scene 1-2:優奈の癒やしオーラ】
「綾香ちゃん、おはよう。今日はちょっと寒くない?」
千夏が立ち去ったあと、ソフトな声が綾香にかけられる。優奈だ。
控えめだけれど、周りの様子をよく見て気遣いをする子。クラスの中でも聞き上手として評判が高い。
「優奈、おはよう。確かにちょっと肌寒いかも。昨日はあったかかったのにね」
「うん、朝の天気予報でも言ってたけど、夜にはまた気温下がるかもって……。あんまり無理しないでね」
優奈はそう言うと、カーディガンをぎゅっと抱え込みながら笑う。綾香に何か手伝えることがあればいいな、というオーラが自然に出ている。
「朝ごはんは食べた?」
「食べたけど……パン一枚だけ」
「そっか、じゃあ次の休み時間にでも購買部寄る? もし混んでたら私が代わりに行ってもいいよ」
小さなことも見逃さずに声を掛けてくれる優奈に、綾香は「ありがと。大丈夫、あとで一緒に行こう」と返事をする。こういうなんでもない会話を交わすだけで、朝の雰囲気がほっこりするのだ。
【Scene 1-3:莉緒の最新トレンド話】
「綾香! 見てよコレ! 今SNSでバズってる新作スイーツ!」
ちょうど優奈との会話が終わったころ、莉緒がスマホ片手にやってきた。画面にはおしゃれなカフェの新作ケーキの写真が映っている。
「この近所にあるお店で限定発売らしいんだけど、めちゃくちゃかわいいと思わない? どう? 一緒に行かない?」
「わあ……可愛いけど、値段が可愛くないね」
「そこよ! でもインスタ映え狙うんなら一度は食べるべきでしょ!」
莉緒はSNSと流行に詳しく、とにかく新しいものを見つけるのが早い。そして見つけたら周囲に「どう? 行く?」と声をかける。
「放課後、他に予定なければ行ってみようかな。でも千夏がバレーボールの試合があるって……」
「ああ、あの子スポーツ系イベントよくチェックしてるよね。じゃあタイミング被るかな? うーん、日を改めてもいいんだけど、限定メニューだからできるだけ早く行きたいし……」
莉緒は真剣な顔でスマホをポチポチしながら、カフェの混雑状況を調べ始める。綾香は「なんか忙しいなあ……」と思いながらも、こうして楽しい誘いが毎日のように飛んでくるのはありがたいことだと実感する。
【Scene 1-4:沙耶のひと言】
「……綾香」
静かに近づいてきたのは沙耶。クラスの中でも口数が少なく、あまり積極的に他人とベタベタするタイプではない。が、必要な場面では的確な言葉を投げかける印象がある。
「今朝のホームルームって、先生遅れるって連絡なかった?」
「え? そうなの?」
「さっき教室入るときに、廊下で先生が誰かに説明してた。なんか緊急で職員会議があるって」
沙耶はそれだけ伝えると、ふいっと目線を窓の外に向ける。まるで「もう話すことはない」というような空気。
綾香は「ありがとう、知らなかった」と答えるが、沙耶は「うん」と一言だけ返し、自分の席に戻ってしまう。いつも通りのクールな態度だ。
「相変わらず静かだけど、でも助かるよなあ、こういう情報」
ほんの少しだけ心の中で感謝しつつ、綾香はホームルームの始業を待つ。
数分後、本当に担任の先生が「すまんが、HRはあとでやる。少し待ってて」と告げに来たので、教室はさらにざわつくのだった。
★ 第二章:増えたメンバーとの交流
ホームルーム開始が遅れ、教室でくつろぐ時間がいつもより長くなったせいか、ほかのクラスから顔を出すメンバーもちらほら。
【Scene 2-1:真琴のワクワク】
「綾香ちゃん、おはよう~! あれ、先生まだ来てないんだね?」
にこにこと入ってきたのは真琴。隣のクラスのはずなのに、なぜか朝の時間にこちらの教室へやって来た。明るく元気で、何事にもドキドキしがちなタイプである。
「おはよう、真琴。どうしたの、そんなにウキウキして」
「いや~、実は今日、新しい筆箱を使い始めたの! 見てこれ、ちょっと大人っぽくない?」
そう言って見せてきたのは、シックな色合いのレザー風筆箱。可愛いキャラクターものから一転、落ち着いたデザインにチャレンジしたらしい。
「おお、いいじゃん。雰囲気変わったね」
「でしょでしょ!? なんかこう、ちょっと高校生っぽいかな~って。今までキャラ物だったからさ、ちょっと背伸びしてみたんだ」
真琴は満足げに微笑む。そしてふと、教室の窓や黒板を見回すと、好奇心いっぱいの様子で周囲を観察しはじめる。
「ここのクラスって、なんか飾りとかオシャレだね~。うちのクラスはまだ何も飾ってなくて、ちょっと殺風景」
「たまたまイベント好きな人が多いから、教室の掲示とか凝るのよ」
そんな会話をしていると、真琴は「やっぱり違うクラスの雰囲気見るの面白いな~」と感心している。
【Scene 2-2:千尋の現場主義発言】
「ああ、ここにいた。綾香、 ちょっといい?」
真琴と話しているところに割り込んできたのは千尋。実践重視のリアリストで、いつも「実際やってみないとわからないでしょ」と言いがち。
隣のクラスなのだが、何か用があるらしく、ひょいっと綾香の机の前までやってくる。
「どうしたの?」
「次の土曜日さ、バザーの手伝いを募集してるって聞いたんだけど、あれ綾香も行く予定ある?」
「え、まだ聞いてないけど……。バザー?」
「うん、PTA主催のやつ。不要品を集めて売って、その収益を部活の活動費に回すとか何とか」
千尋自身は「経験として手伝いに参加するのはいいと思ってる」らしい。口調は常にさらっとしているが、実は困っている人を見て放っておけないタイプだ。
「行こうかな、どうせ暇だし」と綾香が答えると、千尋は「そう?じゃあ、私も参加しよう。実際に見てみないとわからないこと多いし」と即答する。
「ありがとう、助かる~」
「いや、別に綾香のためとかじゃないよ。私も興味あるし」
千尋はそう言い残すが、その顔には少しだけ安心したような表情があった。
【Scene 2-3:彰乃の逆張りコメント】
「へえ、そのバザーの話か。綾香、 行くんだ?」
いつの間にか会話を聞いていたのは彰乃(あきの)。この子は“逆張りディベートマスター”とも言われ、何にでも反論したがるクセがある。真面目に言い合いするのが好き、というよりは思考実験が好きで、あえて相手の意見に突っかかって考えを深めようとするタイプ。
「バザーなんてさ、わざわざやらなくてもネットで売買すればいいのに。時代遅れだと思わない?」
早速、逆張りともとれる意見が飛んでくる。千尋は「いや実際に足を運ぶからこそ得られるものがあるんだって」とすかさず反論。二人の視線がちょっと火花を散らす。
「まあ、ネットじゃできない交流とかもあるし、PTAと生徒が合同でやるからこその意味もあるんじゃない?」と綾香が言うと、彰乃は「ふうん……」と興味深げに唸った。
「それは一理あるかもね。実際にどんなメリットがあるか、しっかり検証する必要はあるけど……。まあ、そこは実践派の千尋がまた報告してくれそうだね」
このやり取りも、もはや日常風景。彰乃はあくまで批判というより“思考の整理”を狙っているので、二人が険悪になることはない。綾香としては、ちょっとめんどくさいと思うこともあるが、議論が盛り上がるのは面白いと感じてもいる。
【Scene 2-4:皐月のバランス感覚】
「みんな朝からにぎやかだね。綾香、 ちゃんとノート取ってる? ホームルームがずれ込んでるから時間管理しないと大変だよ」
そこに加わったのは皐月(さつき)。人間関係の達人とも言えるバランス型で、論理と感情のどちらにも配慮する気遣い派だ。相手の意見をすくい取りつつ、全体が上手く回るようにサポートする能力が高い。
「ノートって、まだHR始まってないし取ることなくない?」と彰乃が言えば、皐月はさらりと答える。
「ホームルームが終わる時間がズレると、次の授業の準備時間とか、他のクラスとのスケジュールに影響出るから。備忘のためにメモしておいたほうが後々便利だよ」
「へえ、なるほどね」
彰乃は納得した様子を見せるが、そんな彰乃をさらに千尋が「いや、そういうのは自分で管理しなよ」と軽くツッコむ。あくまでやり取りは軽妙。
皐月はそんな二人を見て苦笑いしつつ、綾香に「もし必要なら手伝うよ」と小さく告げる。まさにクラスを円滑に回す縁の下の力持ちといった存在だ。
★ 第三章:一時間目と休み時間のあれこれ
ホームルームは結局短縮される形でなんとか終了し、ようやく一時間目が始まる。今日の一時間目は、綾香にとってちょっとだけ苦手な国語の授業。
【Scene 3-1:国語の授業風景】
「では、教科書の●●ページを開いて。今日扱う詩は……」
先生の声が教室に響く。クラスメイトたちはそれぞれの机に座り、重いまぶたをこじ開けながらノートを取る。
千夏や莉緒は机を並べてこそこそ話し合いをしているし、優奈や沙耶はわりと真面目にノートをとっている。真琴は隣のクラスなのでいないが、きっとあちらでも同じように授業が進んでいるのだろう。
綾香は板書を写しながら、「どうして朝の国語ってこんなに眠気を誘うんだろう」とぼんやり考える。詩の解釈や表現技法の確認など、先生の解説は丁寧だが、なんとなく気が乗らない。
それでも、授業の終盤になると先生が「じゃあここの表現について、どう思う?」と生徒に意見を求めはじめた。綾香は軽く当てられないことを祈りつつ耳を澄ます。やがて先生はプリントを配り、「次回までに自分で感想文を書いてきてね」と告げて授業を終える。
「……ああ、なんか宿題増えちゃった。めんどくさ」
そんな嘆きがクラスのあちこちで聞こえながら、チャイムが鳴って一時間目が幕を閉じた。
【Scene 3-2:休み時間、またも声がかかる】
「綾香! ちょっと相談いい?」
休み時間に、別クラスからすっと入ってきたのは夏海(なつみ)。運動部所属らしく、小麦色の肌にエネルギッシュな目をしている。考えるより体を動かすタイプだ。
「どうしたの、夏海。珍しいね、授業中からずっとソワソワしてたんじゃない?」
「うん、じっと座ってるのが苦手でさ、もう腕がうずうずしてんの。ちょっと体動かしたいけど、さすがに休み時間だけじゃ外出て運動するわけにもいかないじゃん?」
「まあ、10 分そこそこで校庭出てくのは先生に止められそう」
「だからさ、せめて校舎内をぐるっと歩かない? コンビニ行くのは無理だけど、自販機コーナーくらいなら行けるでしょ?」
夏海の誘いはいつでも「ちょっと身体を動かしたい」という一言が入る。綾香は「じゃあ一緒に行く?」と快諾。ちょうど喉も渇いていたし、購買でパンを買うのも悪くない。
「他に行く人いない? 誘ってもいいよ。あ、でも大勢で行くと時間かかるか」
「そうだね……じゃあ 2、3 人でいこっか。優奈とか、まだ行ってないみたいだし」
そうして綾香は、夏海と一緒に教室を出ていく。途中で優奈を捕まえて、三人で校舎内の自販機コーナーまで小走りに向かう。
「ふふ、なんか小学生みたいな感じするよね」と綾香が言うと、夏海は「走るの楽しいもん!」と満面の笑みで答えた。
【Scene 3-3:パン争奪戦と美月のアーティスト視点】
途中、購買部の前を通ると、ちょうどパンを買い求める生徒で行列ができていた。人気の菓子パンはすぐに売り切れてしまうので、みんな早めに並ぶのだ。
「うわあ……予想通り混んでるなあ」
「どうする? 並ぶ?」
夏海と綾香が戸惑っていると、そこへ美月(みつき)がふらりと現れた。カラフルなシュシュで髪をまとめ、独特なプリントのトートバッグを持っている。いかにもアーティスト肌という雰囲気だ。
「綾香ちゃん~、この行列って何かと思ったらパンかあ。すごいね……みんな必死じゃない?」
「うん、人気パンすぐ売り切れるからね」
「それもわかるけど、こうやって並ぶ姿って、なんだか一つの“作品”っぽくない?」
「作品……?」
「うん、同じ目的のために集まって、列を作って。なんか人間の流れって面白くない?」
美月はそんなマイペースな感想を述べると、手にしていたデザインノートを開いてメモをとりはじめる。何を描きたいのかは謎だが、「あ、こういう構図いいかも」と言いながらさらさらと鉛筆を動かしている。
「こんなときでもインスピレーション湧くんだね……すごいわ」と綾香は感心する。夏海は「私にはわからん!」と首を振るが、相手を否定するわけでもなく、ただニコニコしている。
「私、並ぶの苦手だからいいや。午後に余ってたら買うよ~」
結局、夏海と綾香、優奈はそこまで時間がないと判断し、並ぶのを諦める。美月は「列の観察する!」と言い出してその場にとどまった。
「ほんと、人それぞれだなあ……」
綾香は、にぎやかになった学校生活を改めて実感しながら、自販機コーナーへ向かうのだった。
★ 第四章:二時間目とさらなる個性派
休み時間が終わると二時間目が始まる。今度は英語の授業だ。先生のテンションはそこそこ高いものの、朝の眠気はまだ抜けきらない。
【Scene 4-1:英語の授業、綾香の苦戦】
「All right, class. Please open your textbooks to page 36. We will practice the conversation dialogues…」
先生の流暢な英語が教室を包む。生徒たちは、教科書の会話文をリピートしながら進めていく。
綾香は発音を真似しながら読み上げてみるが、すぐに舌がもつれる。
「(英語って、なんでこんなに難しいんだろう……)」
千夏は意外にも英語の発音が得意らしく、リズムよく読んでいる。その隣では、莉緒がうまく言葉が出ずに照れている姿が見える。優奈はノートをきっちり取りながら、単語を確認している。沙耶は表情ひとつ変えず、黙々とプリントにメモしている。
英語は人によって得意不得意が大きい教科だ。綾香は得意ではないが、なんとか授業に食らいつく。
【Scene 4-2:教室外では悠のマイペース】
一方、綾香のクラスではないところ――廊下の隅で、**悠(はるか)**がちらっと姿を見せる。どうやら先生から何か頼まれごとをしてきたらしいが、どこか気だるげ。
「……はあ、眠い。なんでこんなに早く学校来なきゃいけないんだっけ」
マイペースな天才型の悠は、興味があることにはすごく集中するが、そうでないことには全力でやる気を出さない。廊下に立ちながらぼんやり天井を見上げている。通りかかった教師に「授業中だぞ。何してる?」とたしなめられ、しぶしぶ職員室へ資料を届けに行く。
「こんなの、AIにやらせればいいのに……」
小声でそんな独り言を漏らしながら、悠は重い足取りで歩いていった。
【Scene 4-3:真桜のトリックスターぶり】
さらに、別の場所では真桜(まお)がいきいきと動いている。彼女は教室内外をふらふらと動き回って、時には面白い噂を流してみたり、誰かのうっかりミスをちゃかしてみたり。
「ねえねえ、次の体育の時間が実は先生の都合で自習になるらしいって噂、聞いた?」
と、半分本当かどうかもわからない話をまことしやかに広めては、周囲の反応を見て楽しんでいる。
「え、それ本当?」と信じる子もいれば、「どうせ真桜のデマでしょ」と相手にしない子もいる。真桜はそんな反応を見て「けけけっ」と愉快そうに笑う。
綾香は真桜と絡む機会がまだ少ないが、廊下ですれ違ったときに「綾香~、 今日はどんな面白ネタある?」と聞かれ、思わず「面白ネタって何……?」と返すしかなかった。そのくらい、真桜は掴みどころのないトリックスターなのだ。
★ 第五章:昼休みの大混乱
英語の授業が終わり、三時間目もあっという間に過ぎて、待ちに待った昼休み。学校では一日の中でも一番にぎわう時間帯だ。いつものメンバーはもちろん、最近絡んでいる子も、個性派たちも、あちこちで会話を繰り広げている。綾香もお弁当を広げながら、友達と合流する流れとなった。
【Scene 5-1:どこで食べる? 会議】
「さーて、お昼だ! 綾香~、 今日どこで食べる?」
真っ先に声をかけてきたのは千夏だ。クラスの中でも大人数でわいわい食べたい派。お弁当組もいれば、購買でパンを買ってくる組もいるし、隣の教室から人が流れ込むこともしばしば。
「今日は教室でもいいけど、部室とか中庭とか、いろいろ候補があるね。どうしようか」
「うーん、たまには中庭もいいかも! 風が気持ちいいし」
すると横から莉緒が口を挟む。
「でも日差しが強いと暑いし、写真撮るには逆光になるかも……。私はインスタにアップしたいから、教室で食べたい派!」
優奈は「じゃあ、どっちでもいいけど、私は綾香ちゃんと一緒がいいなあ……」と小声で言う。沙耶は黙って様子を見ていたが、「私は別にどこでも」と気のない返事。
「まとまらないね……」と綾香がぼやいていると、真琴が「じゃあ半分ずつに分かれたらどう?」と提案する。
「私たち何人いると思ってる? まとまるのが大変だよ」と綾香が苦笑いしていると、後ろから千尋の声。
「そんなの、実際に行動してみたら? 行きたい人は中庭へ、そうじゃない人は教室へ、でいいじゃん」
「合理的だけど、なんか寂しい気も……」と優奈がつぶやく。
すると彰乃が「そこは感情の問題かあ」と相槌を打つ。皐月は「まあまあ、そんなに難しく考えなくても、お互い行き来したらいいんじゃない?」と中庸な案を出す。
最終的に、千夏を含む何人かが「中庭へ行こう!」と勢いよく飛び出し、他の面々は「教室でのんびりするか……」とそのまま残ることに。
【Scene 5-2:中庭組の騒動】
中庭に飛び出したのは、千夏、真琴、夏海、(なぜか)真桜、そして好奇心でついてきた美月。
「わー、天気いい! 最高じゃん!」
千夏がベンチを陣取り、わいわいとお弁当を広げる。真琴は「外で食べるっていいねー! ピクニック気分!」と大はしゃぎ。
一方、夏海は「ああ、走りたい……」と落ち着きがない。ご飯を食べながらも、どこか運動への未練がある様子。
真桜は「あはは、みんな楽しそうだねー」と言いながら、突然「ところでさ、あの木の上に何か落ちてない?」と不思議発言をし、千夏たちが「え、何!?」と上を見上げると、そこには何もなかったりする。完全におちょくって遊んでいるようだ。
美月はそんな光景に目を輝かせ、「こういうみんなでワイワイしてる風景、いいなあ。写真撮っていい?」とカメラを向ける。千夏や真琴は乗り気でピースサインを送るが、夏海と真桜はちょっと照れたように視線を逸らす。
こうして外組は外組で楽しそうだが、時折風が強くて弁当の包装紙や髪が乱れ、それを真桜が「うひゃひゃ」と笑う。真琴が「もー、やめてよー!」と言い合いながら、にぎやかなお昼を過ごしている。
【Scene 5-3:教室組のひととき】
一方、教室に残ったのは綾香、優奈、莉緒、沙耶、千尋、彰乃、皐月、そしてどこからかふらっとやってきた悠、さらに瑞希までもが合流してきた。
「にぎやかなのが苦手ってわけじゃないんだけど、今日は教室の方が落ち着くかな」と綾香は心の中で思っている。
莉緒はスマホをいじりながら「外組の写真とかもSNS映えしそうだけどなあ」と少し羨ましそう。
優奈はそんな莉緒に「あとで一緒に写真撮る? 教室バックでもいい感じに撮れるかもよ」と提案。
沙耶は黙々と食べている。ときどき話を振られても「うん」「そうだね」と短く答える程度。
千尋は早々に弁当を食べ終わり、「昼休みのうちにプリントを出しに行こうかな」と言い出す。
彰乃はそんな千尋に「急がなくても放課後でもいいんじゃない?」とツッコミを入れ、ふたりはまた軽くやりとりを始める。
皐月はその議論を穏やかに見守り、「じゃあ私が一緒についていって先生に渡すよ」とサポート役を買って出る。
悠は机に突っ伏して半分寝ながら、「課題とかめんどくさいんだよね……綾香、後で見せてくれない?」と何気なくお願いしてくる。
瑞希はノートパソコンかタブレットらしきものを開きながら、「昼休みの時間にこそタスク管理ツールを活用すると効率的なのに……みんなやらないんだ?」と呟いている。
「……すごい、個性派揃いだなあ」
綾香は内心そう思いつつ、自分のお弁当を食べ進める。この多様性が、最近の学校生活を面白くしている要因なのだろう。
★ 第六章:午後の授業とちょっとした事件
昼休みが終わり、午後の授業が開始する。学校では、昼過ぎから眠気との戦いが待っている。
【Scene 6-1:美術の時間】
「では今日はデッサンの基礎をやりましょう。隣の人とペアになって、お互いの手を描いてみてください」
美術の時間、先生がモチーフとして“自分たちの手”を指定し、隣同士で見せ合いながら描くように指示する。綾香のペアは千夏になった。
「わはは、難しくない? 自分の手ならまだしも、他人の手とか……」
「どこを見ればいいのかなあ。指の長さとか?」
二人とも美術が特別得意なわけではないので、苦戦気味だ。千夏は笑いながらへたっぴな手の絵を描き、綾香も「あれ、なんか指が増えてるような……」という妙な形になってしまう。
周りを見渡すと、当然のごとく美月が圧倒的な画力を発揮していて、指先のしわまで緻密に描き込んでいる。先生も「おお、美月さん、素晴らしいね。タッチがいい」と褒めちぎる。
「さすが美月……次元が違う……」と、千夏と綾香は感嘆のため息を漏らすのだった。
【Scene 6-2:ちょっとしたトラブル発生】
次の授業は化学。隣のクラスから実験の器具を借りに行くというミッションが発生し、綾香と莉緒が代表して教室を出る。すると廊下で、何やら慌てた様子の真桜が駆け寄ってきた。
「綾香~! 大変、大変! 化学室の扉がなかなか開かないって先生がめっちゃ怒ってる!」
「扉? 故障ってこと?」
「わかんないけど、鍵がうまく回らないんだって。だから授業がスタートできないらしくて、先生が『誰か他の先生呼んできて!』って大騒ぎ」
莉緒は「えー、マジで?」と驚く。そのまま二人と真桜で化学室へ向かうと、先生が扉と格闘している。結局、別の先生が来て特別な工具で鍵を直したらしく、なんとか授業は開始できることになった。
「もう、びっくりしたよ……」と息をつく綾香。莉緒も「あのままだと実験どころじゃなかったよね」と苦笑する。
真桜はその騒動を横目で見ながら「ねえねえ、なんか面白い事件じゃない? “化学室の扉が開かない怪奇現象”って噂流したらどうなるかな~」とわざとらしく呟く。二人は「やめて、混乱するだけだから……」と止めに入る。
こうして、午後の授業はちょっとしたハプニングを挟みつつも、なんとか進行していった。
★ 第七章:放課後、それぞれの過ごし方
終礼が終わり、いよいよ放課後。生徒たちにとってはクラブ活動や習い事、友達とのおしゃべりタイムなど、自由に過ごせる大切な時間だ。綾香の周りにもいろいろな誘いが飛び交う。
【Scene 7-1:千夏の部活見学計画】
「綾香~! 朝も言ったけど、バレーボール部の練習試合見に行こうよ!」
千夏が元気に声をかけてくる。先に部活へ行く友達もいるため、移動のタイミングを逃すと遅れそうだ。
「そうだったね。どこでやるんだっけ?」
「体育館! 他校ももう来てるらしいよ。けっこう強豪校らしくて、試合も白熱しそうなんだよね~」
千夏は明るい笑顔で綾香の腕を引っ張る。どうやら一人で見に行くのは寂しいらしい。
「うーん、じゃあ行ってみるか……」
「やった! ありがとう!」
嬉しそうな千夏。ちょうど暇をしていた真琴や夏海も「私も行く!」「運動見るの大好き!」と参加表明し、賑やかな見学チームが結成されることになった。
【Scene 7-2:莉緒と優奈のカフェ計画】
一方、莉緒はカバンの中からスマホを取り出し、「限定スイーツ食べに行かない?」と再度声をかけてくる。
「でも、千夏の誘いで体育館に行くことになっちゃった……」と綾香が言うと、莉緒はむっとした表情。
「えー、じゃあまた今度か。せっかく写真撮りたかったのになあ。優奈はどうする?」
すると優奈は「私は……うーん、限定には興味あるけど、今日はちょっとバタバタしてるし、また日を改めようかな。綾香ちゃんもいないと寂しいし……」と遠慮がち。
「そっか、残念。なら私、一人でも行っちゃおうかなあ。まあ、ソロ活もたまにはいいよね」
莉緒はそう言いながらも、やっぱりちょっと寂しそうな顔をする。優奈は「ごめんね、今度一緒に行こう?」と声をかけ、二人で次回の計画を立て始めた。
【Scene 7-3:論理派たちの放課後】
千尋は、約束どおりバザーの準備を手伝うらしく、職員室へ書類を取りに行くところだ。彰乃は「そのバザーって本当に意味あるの?」とまだ言い続けているが、「やってみないとわからないでしょ」と千尋に返され、最終的に「私も一緒に行って直接見てみる」と言い出した。
皐月は、部活のミーティングがあるらしく「私はちょっと顔出すね。あとはみんなの様子も気になるし……」と言い残して早足で教室を後にする。どうやら、友達の相談に乗ったり、クラブの予定を調整したり、あちこちで頼りにされているようだ。
【Scene 7-4:瑞希のデジタル最適化講座】
瑞希はタブレットを抱えながら、教室の片隅で何か作業をしている。綾香が「何やってるの?」と声をかけると、彼女は画面を見せてきた。
「クラウドツールを使って学校生活のスケジュール管理をしてるの。AIアルゴリズムと連携して、誰と誰がどの時間にどこにいるかを最適化できたら面白いと思わない?」
「な、なるほど……でもそこまで管理されると、プライバシーとかいろいろやばくない?」
「ふふ、そういう意見もあるよね。でも効率性は高まるし、トラブルも減ると思うんだよね。まあ、やり方次第かな」
瑞希はデータ至上主義で、効率や合理性を追求するのが好きだが、周囲が必ずしもその考えに同意しているわけではない。それでも彼女は自分の理想を楽しげに語るから、見ていて飽きない。
「……私はアナログ管理でも十分かなあ」と綾香は苦笑いしつつ答えた。
【Scene 7-5:悠、帰宅希望】
悠は放課後になるとあくびをしながら「もう眠いし、帰ろうかな……」とぼそり。特に部活にも入らず、何かに熱中するわけでもない。
「えー、まだ帰るの? もったいなくない?」と綾香が声をかけるが、悠は「うーん、特にやることもないし……あ、そうだ。綾香、明日の課題プリント写させてよ?」とだけ頼んでくる。
「ちゃんと自分でやりなよ……」と綾香が少し呆れた様子で返すと、悠は「わかったよー、考えておく」と投げやりに言い、そのまま鞄を肩にかけて歩き出す。
「ほんとマイペースだよね。まあ、天才型ってこういうものなのかな……」
綾香はあきれつつも、その自由さが少し羨ましいとさえ思う。
★ 第八章:体育館の熱気とそれぞれの夕方
綾香たちのグループは、バレーボール部の練習試合を見学すべく体育館へ向かう。千夏、真琴、夏海、そして「へへ、面白そう!」とついてきた真桜というメンバーだ。
【Scene 8-1:試合見学の盛り上がり】
体育館に入ると、他校のユニフォームを着た選手たちがさっそくウォーミングアップをしている。ネットを挟んで軽くボールを打ち合う音が響き、床を踏むシューズの音が心地いいリズムを刻む。
「おおー、すっごい! 私、バレーの試合あんまり見たことなかったけど、迫力あるんだね!」
真琴が目を輝かせる。千夏も「でしょでしょ!」とテンションが高い。
一方、夏海はスポーツ全般に興味があるため「バスケはよく見るけど、バレーもいいなあ。私、背がもうちょっとあったらやりたかった」と羨ましそう。
「ねえねえ、あそこの選手、めちゃくちゃサーブ上手くない?」と真桜が指さす。
「うわ、本当だ。ていうか、真桜ってスポーツとか興味あったっけ?」
「別にないよー。でもこうやってみんながガチで取り組んでるの見るのは、なんか笑えるっていうか……面白い!」
やっぱり真桜の視点はちょっとズレているが、飽きずに試合を眺めている様子だ。
【Scene 8-2:声援と応援】
「がんばれー! ナイスレシーブ!」
千夏が大きな声で応援を始めると、真琴や夏海もつられて声を出す。体育館の隅で見学しているだけだが、盛り上がる気持ちは十分ある。綾香も「いいぞー!」と小さく声を上げてみる。
思った以上に白熱したラリーが続き、点を取るたびに拍手が起こる。練習試合とはいえ、本格的な試合と変わらない熱気が体育館に広がっていた。
「すごいね、みんな真剣だ」
「だよねえ。ああいうの見ると、私も部活入りたくなるかも……なんてね」
綾香は入部していないけれど、こうして応援する立場で見るだけでも楽しい。
【Scene 8-3:少し早めに抜ける真桜】
しばらくして、真桜が「じゃ、私帰るわー」と軽く言い出す。残りのメンバーが「え、もう?」と驚く中、真桜は「だってもう飽きたし。十分楽しんだから満足!」と笑う。
「そっか。まあ、自由だねえ……」
夏海は呆れながらも止めはしない。真桜は手をヒラヒラさせて体育館を出て行く。
「そういえば真桜って、教室でもいつの間にかいなくなってることあるよね」
「うん。でも何か大きな事件があると必ず居合わせたりするし、不思議な子だなあ」
綾香たちは、ちょっとしたトリックスターぶりに再度感心しつつ、試合観戦を続ける。
★ 第九章:夕暮れ、下校時間の余韻
バレーボールの試合をひととおり見終わると、外はすっかり夕暮れ時。オレンジ色の光が校庭を照らし、部活帰りの生徒が談笑しながら門を出ていく姿が見える。
【Scene 9-1:昇降口での再会】
「おつかれ~! あ、綾香! 帰るの?」
昇降口でバッタリ出会ったのは、バザーの手伝いに行っていた千尋と、それについていった彰乃。さらにサポートに回っていた皐月も一緒だ。
「うん、そろそろ帰ろうかと。そっちはどうだった?」
「まあまあ、先生方と日程調整して、明日から本格的に準備するらしい。私は後でダンボール整理に呼ばれるかも」
千尋がそう言うと、皐月が「もし人数が足りないなら私も行くよ。みんなが助かるならね」と微笑む。彰乃は「私も行くけど、意見はちゃんと言うからね。なんでもOKするわけじゃないよ」と付け加える。
「なんだかんだ、みんな頑張るのね。偉い……」と綾香は感心する。
【Scene 9-2:今日のまとめトーク】
そこに、購買でパンを買ったらしい沙耶や、まだどこかでスケッチしていたらしい美月も合流してきた。いつの間にか昇降口は小さな人だかりになっていて、それぞれが今日一日の出来事を語り合う。
沙耶:「昼間の化学室のトラブル……私、全然知らなかった。そんなことあったんだ」
美月:「私は購買の行列をスケッチしてみたら意外と面白くてさ。人が並ぶ構図って結構アートだよね」
彰乃:「それはアートというより行動心理学の分野じゃない?」
千尋:「また始まった……」
皐月:「まあまあ、どっちも正解ってことにしておこうよ」
それぞれが、それぞれの角度で一日を振り返る。この何気ない放課後のトークが、綾香にはたまらなく居心地が良い。
【Scene 9-3:悠は……?】
そういえば、さっき早く帰ると言っていた悠はもう姿がない。おそらくとっくに下校したのだろう。あのマイペースぶりも、今になってはちょっと恋しくなる。
★ 第十章:下校途中、13人それぞれの想い
門をくぐり、帰路につく生徒たち。綾香は千夏、真琴、夏海あたりと連れ立って歩くが、途中で進む方向が分かれたり、誰かがコンビニに寄ろうとしたりして、どんどん人数がばらけていく。
【Scene 10-1:千夏との別れ際】
「じゃあ私、こっちの道だから。また明日ね、綾香~!」
「うん、お疲れ。バレー観戦楽しかったね」
「うん! また何か面白いイベントあったら誘うわ!」
いつも元気な千夏が手を振って別れを告げる。明日もまた、何かしらイベント情報を仕入れてきそうだ。
【Scene 10-2:真琴はドキドキのまま】
「私、実は今日は別の友達と文具店寄ってから帰るの。新しいペンも気になるし。ねえ、今度一緒に見に行こうよ、綾香ちゃん!」
「いいよ! また学校で声かけてね」
真琴は相変わらず好奇心いっぱいで、あちこち探索したいらしい。最後まで落ち着きのない笑顔を見せながら、別方向へと歩いていった。
【Scene 10-3:夏海はスッキリ顔】
「私、バレー見てたらなんか体動かしたくなってきたから、帰ったらランニングでもしようかなー。やっぱスポーツ見ると血が騒ぐよね。じゃあまた!」
夏海はそう言うと、あっという間に軽い走りで家路に就く。エネルギッシュすぎる……綾香はその後ろ姿を羨望のまなざしで見送る。
★ 第十一章:家に帰ると……スマホに大量のメッセージ
自宅に帰り、制服を脱いでひと段落。すると、スマホに多数の通知が来ている。グループチャットや個人チャットで、今日の出来事や明日の予定について、いろんな子からメッセージが飛び交っているようだ。
【Scene 11-1:グループチャットがカオス】
クラスのグループチャット、部活や友達ごとのグループチャットに目を通すと――
莉緒:
「今日カフェ行ったらめっちゃ並んでた! 結局スイーツ食べられなかった(泣) またリベンジしたいから、今度こそみんな誘うね!」優奈:
「綾香ちゃん、今日は一緒に購買行ってくれてありがと。明日も朝寒そうだから、暖かくしてきてね」沙耶:
(スタンプ一個だけ) ← 特に大きなコメントはないが、ちゃんと既読になっている。真桜:
「化学室の怪奇現象、噂にしようかと思ったけどやっぱりやめといたよ~。代わりにバレー部の試合が超盛り上がったって噂流しておいたからヨロw」悠:
「綾香~、ごめん。やっぱ明日の課題写させて。写真撮って送ってくれればいいし、よろしくー」
などなど。13 人がそれぞれ自由に発言するので、チャットはごちゃごちゃしがちだが、見ていると笑える。
【Scene 11-2:ちょっと困った悠への対応】
「はあ……また悠が課題写させてって言ってるし」
綾香は苦笑しながら返信する。
「自分で少しはやりなよ。写すのはいいけど、理解しなきゃ意味ないよー」とLINEに送信。するとすぐに「はいはい、努力はするよ」と返事が来る。
「ほんとかなあ……」と思いつつも、綾香はまあいっか、と深く考えないことにした。
★ 第十二章:夜の勉強とふとした回想
夕飯を済ませ、お風呂に入り、いざ勉強タイム。今日配られた国語の感想文課題や、英語の復習など、明日までに仕上げたいものが意外と多い。
【Scene 12-1:国語の感想文】
「詩の感想……。あの情景描写についてどう思うか、書かなきゃならないんだっけ?」
綾香はノートを開き、授業中に取ったメモを見返す。なかなか筆が進まないが、とりあえず書き始めるしかない。
「……こういうの、美月とかだと感性豊かに書けるんだろうなあ。瑞希ならAIで文章自動生成しちゃったりしそうだし。千尋や彰乃なら、論理的にまとめたり……みんなだったらどう書くんだろう?」
仲間たちの顔が次々と浮かぶ。自分とはまったく違う視点を持っている子ばかりだなあと、改めて思う。
【Scene 12-2:LINE通話でひと息】
スマホが振動して、画面を見ると優奈から通話リクエスト。
「もしもし、綾香ちゃん?」
「うん、今ちょうど国語の感想文書いてたとこ」
「そっか。やっぱり難しいよね。でも無理しすぎないで、明日の朝でもいいかもよ。綾香ちゃん、最近寝不足気味じゃない?」
優奈はいつも通りの優しい口調で心配してくれる。綾香は「ありがと」と答えながら、「でもやらないと明日焦るしなあ……」と笑う。
「じゃあ、最後にちょっとだけおしゃべりして息抜きしたら、お互い勉強再開しよっか?」
「うん、いいね」
他愛もない内容を 10 分ほど話して、通話を切る。なんだか心がほぐれて、もう少し頑張れる気がした。
★ 第十三章:夜更けのメッセージ、そして明日へ
時計を見るともう 23 時を回っている。翌日の授業に差し支えないよう、そろそろ寝たいところだが、SNSを開くとまた新しい投稿が目に入る。
千夏:バレーボール部の試合の写真をアップ。
莉緒:カフェの行列の様子を嘆くストーリー。
真琴:新しいペンを購入した写真を嬉しそうにシェア。
夏海:夜ランを満喫した報告、「風が気持ちよかった!」と一言。
美月:日中描いたスケッチをアップして「#人間の流れ #購買列」とタグをつけている。
沙耶:ほとんど投稿なし。見ているだけかもしれない。
千尋 & 彰乃:バザー準備の予定表を共有。「誰か手伝い募集中」と書いてある。
皐月:LINEで「みんな明日の時間割、ちゃんと大丈夫?」と一斉送信。
瑞希:AIスケジューラの画面をスクショして「効率化成功!」とだけ投稿。
悠:課題に取り組んでいるのか不明。既読はつかない。
真桜:何か怪しい噂を匂わせるような投稿をしているが、詳細は不明。
綾香は「わあ、今日は本当にいろんなことがあったなあ」としみじみ思う。
13 人全員、性格も興味もバラバラなのに、こうやって同じ学校で同じ時間を共有している。それってやっぱり、すごいことだ。
「私、いつからこんなに友達増えたんだろう。すごく楽しいな」
そう呟きながら、綾香はスマホを置いてベッドに潜り込む。明日もきっと、同じようなドタバタと新しい発見があるに違いない。